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拘置所の死刑はどのように執行されるのか? 実際の刑場の写真を使って解説「ボタンを押すと床が抜けて首が…」

 今年7月にオウム元幹部ら13人の死刑が執行されました。

 これを受けて、ライターのジョー横溝さんが司会を務める、ニコニコ生放送『日本の国会議員はなぜ、「死刑問題」と向き合わないのか【Tokyo1351×niconico】』で、死刑囚の生活や死刑がどのように行われているのかを弁護士の安田好弘さんが東京拘置所内部を写した写真を使用して解説を行いました。

東京拘置所
(画像はWikipediaより)

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四つあるボタンのうち、どれが死刑を執行するボタンか分からない理由とは?

ジョー横溝さん。

ジョー横溝:
 死刑を廃していくにはどんな手続きが必要になるのかということを聞いてみたいのですが、その前に先ほど安田さんの方から「死刑制度そのものがブラックボックスである」というご指摘があったと思います。

 というところで、まだまだ死刑制度というその言葉自体はみなさんご存知だと思うんですが、実際に死刑というものがどういうふうに行われているのか。

 そこに関しても、この番組で何度か説明させていただいているんですけども、今日初めてご覧になっているユーザーのために、改めて日本の死刑制度、今年は7月にオウムの執行があったので、そこで情報を得た方もかなり多いんじゃないかと思いますが、簡単に番組の方で資料を作っておりますので、写真を用いつつ安田さんの方から説明をしていただければと思います。

安田:
 これは東京拘置所の刑場、死刑を執行する場所なんですね。2階、1階、地下1階とありまして、これは1階の方を写しているんですね。

 赤の四角のところに死刑確定者が連れてこられて、両足を結束されて、また両手も結束されて、そして目隠しをされて床下に突き落とされて、その際に絞縄と言いまして、首に縄が掛けられているんですね。

 向かって右側のところに輪がありますね。壁に輪が二つありますね。天井の真ん中ですけども、なかなか分かりづらいですけど、そこにも輪があるんです。

 紐が床のところから壁をつたって天井の真ん中まで通って行って、そこから絞首刑と言われる首にはめる輪が垂れ下がっているんですね。それで、死刑確定者の首にその輪が掛けられて、そして死のボタン。

 これは、ちょうど斜めから見えている別室なんですね。左側の部屋の右側の壁にボタンが4つ付いているんですね。ボタンを押すと、先ほどの赤い板が床下の方に跳ねるんです。

 そして、そこに立たされている人がドンッと下に落ちていくと。その首輪で首の骨を折る、ないしは窒息するという形で死亡させられるという。これは死刑執行の刑場ですね。

 ボタンが4つ付いていますけど、一般に、このどれかのボタンが繋がっていて床を跳ねるんだと言われているんですね。というのは、4人のうち全員が、自分が押したボタンによって人が死ぬというような気持ち、罪悪感を和らげるために4人のうちのどなたかのボタンによって死ぬ、というような配慮がされていると言われています。

 一方では、そうではなく全てが繋がっていて、全員が押さなかったら困るし、押さない人ができるだけいないようにしようというふうにも言われています。これは実情分かりません。

死刑執行前には、お別れの会をしてもらえる?

安田:
 これが、先ほどの刑場に連れて行かれる直前に死刑囚の人が連れて行かれる場所ですね。正面が仏像、つまり仏教式のいわゆる祭壇があるんですね。これを回転させると、今度はキリスト教式の祭壇があるというふうに言われています。

 ここで死刑確定者は、自分の指定した教誨師(きょうかいし)【※】の人から最期の教誨を受ける、つまりお別れの会をしてもらえるわけですね。ここで最期の食事などをして、先ほどの刑場の方に連れて行かれて、死刑が執行されると。

※教誨師
受刑者に対して教誨(道徳心の育成を目的として教育すること)を行う人。

死刑囚は単独室の中を自由に歩くことを許されていない

安田:
 これは日常収容されている房ですね。舎房と言いますけど、単独室。死刑確定者の人は「独居拘禁」と言いまして、昼夜ずっとこの部屋の中に拘禁されているというふうになりますね。

 一番奥が窓なんですね。外が見えるわけじゃないんですけど、そこから明かりがとれる。少し空が見えるだけの風景しか、東京拘置所だと見えないことになっています。

 向かって右側に洗面台がありますね。左側にトイレがあります。トイレをする時には、右側の壁に衝立がありますけど、これを手で持って便座の右に置いて、監視に隠すことができるというふうになっていますね。

 それから、手前の方にいわゆるちゃぶ台がありますね。死刑確定者の人は睡眠、あるいは自由時間以外はこのちゃぶ台に向かって背中を壁にくっつけて座ってなきゃならないんですね。

 自由に立ち歩くことが許されてなくて、顔を洗う時、あるいはトイレに行く時だけ、歩くことが許されているということになっています。

 ここには何も写ってないんですけども、実はこれ以外に房の中には寝具、いわゆる敷布団、掛布団が置かれているわけです。しまうところがないですから。

 それから私物、自分の着替え、これは3着と枚数が指定されていますね。紙本、自分の本やノートなど、これは3冊と制限されていますね。そういうものをここに置くことが出来る。

 それから食品ですね。缶詰とか、あるいはお菓子。そういうものについても、この房の中で所持出来るということになっていますね。

 死刑確定者は、大変厳重に拘禁されていまして、ここでは写っていませんけども、一般に死刑確定者は、天井に24時間カメラが付いています。いわゆる監視カメラが付いていて、且つ集音マイクがあるわけです。ですから、死刑確定者の動静は監視カメラを通して、24時間監視されているという状況になります。

ジョー横溝:
 なるほど。

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