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宮崎駿の復帰は失敗に終わると予言。 岡田斗司夫「想像力も、体力も、技術力も、峠を越えていることは事実だと思う」

 長編アニメーション映画の製作から引退を表明した宮崎駿氏(76)が、新作長編の準備に入ったことが、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの発表で明らかとなった。

 この話題を受けて2月26日配信の『岡田斗司夫ゼミ』にて、宮崎駿氏の復帰について言及。岡田斗司夫氏が「これ、失敗じゃないかなって、正直思っているんだ。」とコメントした。


 現時点の見立てでは宮崎駿復活は失敗する

岡田:
 これは岡田斗司夫の2017年の2月の予言なんだけども、これ、失敗じゃないかなって、正直思っているんだ。

 というのも、やっぱり去年のNHKのスペシャルで、『毛虫のボロ』の制作の様子をやっていたじゃん。その制作途中の宮崎駿を見ていたら、やっぱり作画に命が入ってないっていうか、「昔の宮崎駿だったらもっとすごかっただろうな」と、全盛期を知っているから、思っちゃうんだよね。

 『毛虫のボロ』がなかなか進まないのは、全てCGでやろうとしているとか、悪戦苦闘しているというのもあるんだろうけども、正直、アニメを観てる側からしたら、現場で「わかった、俺が描く!」ってなった時の宮崎駿の鉛筆の速度とか精度が落ちているのがわかる。描こうとしているものの表現が迷い線だらけで、そのわりに「これ!」っていうものを、結局NHKの番組の中で、1回も見なかったんだよね。あのドキュメントの中に「だからすごい!」っていうシーンが、僕的にはなかった。

 歳を取っているんだから、それが普通なんだよ。前も話した通り、宮崎駿というのは、12時間とか14時間働いていた人だったんだけど、最近は2時間とか3時間くらいしか働けなくなって、ちょっと働いたら、すぐにいつも付いている整体師に腰を押してもらうという状態だから。

宮崎駿はアスリートなんだよ

 でも、黒澤明みたいに現場に座って指示だけをする人だったらともかく、宮崎駿って、やっぱり“自ら動く人”じゃん。あの人のことをみんな監督って言っているんだけども、本質的にはアスリートなんだよ。それが富野由悠季や押井守、庵野秀明と根本的に違うところなんだよ。あの人はずっとアスリートなんだよ。

 日本一高い寿司を握る爺さんがいるじゃん。新橋のすし屋の「すきやばし次郎」だっけ? あそこの爺さんみたいに、すし屋だったらいいんだよ。職人として60歳になっても70歳になっても80歳になっても握れるんだよ。それは寿司を握る時の力加減の問題だから、現役としてかなり長く続けることができるだろうけども。

 でも、宮崎駿の職人技っていうのは、鉛筆の速度と、「どの線が本質か?」を見極める目なんだ。目の方は、まだある程度は生きているだろうけども、でも、心の中で引いた線の通りに指が素早く動くのかっていうとさ、もうそれ、ついて行けてないと思うんだよ。

 宮崎駿がさ、NHKスペシャルの中で何回も「これではジョン・ラセターをビビらせるような作品は出せない」っていうふうに言っていたんだけども。あとは、「ああ、やっぱりダメだった、っていうものを出すくらいだったら、全部ボツにする」って言っていたんだけども。やっぱり宮崎さんも、自分の力が衰えているのがわかっている。

 だから、これは嫌な予感なんだけども、復活したとしても、黒澤明の後期、いわゆる『影武者』以降の作品っぽくなっちゃうんじゃないかなって予感がするんだよね。

気になるのは宮崎駿のイメージ力の低下

岡田:
 とりあえず、宮崎駿的な動きのあるアニメーション作品として、ちゃんと面白いものを作ろうと思ったら……やっぱり、『カリオストロの城』とか『未来少年コナン』の頃には出来ていたことが、『ハウルの動く城』の時は、背景とか、スタッフの総合力はいいんだけども、宮崎駿のイメージ力っていうのが、かなり落ちてきているのがわかったし。『風立ちぬ』の時は、現実に存在したゼロ戦というモチーフがあって、それに関する知識とか、昔読んだ戦記物とか、図解というのがブワーッと溢れるように出て来たから、イメージが保っていたんだけども。

 もうなんかね、想像力にしても、体力にしても、技術力にしても、かなり峠を越えていることは事実だと思う。ちょっと今回の復活は……俺自身、こんな感想を持つのは、すごく意外なんだけど。宮崎駿が「引退する」って言った時は、「絶対に戻ってくる」と思っていたし、「戻ってきてもっと作って欲しい」と思ったし、「宮崎駿も手塚治虫と同じように、ペン握りながら死んでもいいんだよ」って、正直思ったんだよ。

 それは、どんなクリエイターもそうだよ。僕だって、パソコンの前で死ぬのがマジで理想の死に方だし。物を作る人間とか表現をしている人間というのは、布団の中で家族に看取られながら死にたいなんて誰も思ってないよ。そういう人間にとっては、全力で仕事をしている最中に、「出来そうだ! よーし、ここからだな!」って思ったところで、ガクッと力尽きるのが、一番幸せな生き方に決まっているんだから。宮崎駿にもそういう生き方をさせてやりたいじゃん。

 でも、ここから先の宮崎駿って、「やっても、やっても思った通りにならない」というのの繰り返しで、ツラい最終章が待っているような気がして。今回の復活は、失敗なんじゃないかなっていう予感がする。という話でございました。

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