“殺人アパート”に残された生々しすぎる痕跡を事故物件住みます芸人が写真でご紹介「明らかに新しい畳なので…めくったら案の定、血痕ですよね」
「殺人事件の現場だった」、「前の入居者が孤独死をした」等、様々な理由で“いわくつき”となってしまった物件たち。そんな“事故物件”について事故物件公示サイト「大島てる」でお馴染みの大島てるさん(@Oshimaland)と事故物件住みます芸人の松原タニシさん(@tanishisuki)が徹底的に語り尽くす対談番組「事故物件ラボ」がniconicoで放送されました。
今回の放送では、松原さんが以前に住んでいたという事故物件を紹介。入居する際に大家から「殺人事件が起きた物件」と告知されていた部屋に残された、生々しい事件の痕跡が写真を通じてスタジオで紹介されました。さらに松原さんが語った、その物件に住んでいた頃に遭遇した恐怖体験にスタジオは凍りつきます……。
怪現象が多発する2万6000円の「殺人アパート」物件
松原:
私、松原タニシが実際に事故物件に住んでみた体験談プラス物件を紹介していきたいと思います。まずはこちらです。
『事故物件怪談 恐い間取り』【※】に載っている間取りですね。2DKで26000円の物件です。勝手に開いている襖、畳をめくると血痕、ペンキで塗りつぶされた鏡というのはありますけれど。
※『事故物件怪談 恐い間取り』
殺人、自殺、孤独死…etc「ワケあり物件」の不思議な話を、間取り付きで紹介する松原タニシ氏の著書。本記事で紹介している物件の情報も収録されている。
大島:
たとえば和室が気持ち悪いということで、封鎖して使わないっていうことをする人がいるわけですよ。事故物件と言っても血が残っていたり、まさに現場の部屋は嫌だけど他の部屋はいいよっていう。面積で見ると25%くらいがもったいなくなるわけです。それであれば、家賃が4分の3くらいにしか減っていなかったら、損も得もしないんじゃないかと。
松原:
家賃は2分の1になっていました。
大島:
そうですか。だったら得だということですね。
松原:
でも1年間だけです。というのも、次の画像をお願いします。
こういうのを書かされます。入居同意書。一応、場所と住所を隠しています。「私は上記住宅が特別募集住宅(殺人)であることを承知し、以下の入居予定者全員の同意を得られたことを認めます」と。
このカッコのところを「殺人」と自分で書かないとだめです。入居予定者は後輩芸人である「ゆんぼだんぷ」というコンビの「カシューナッツ」こと加集剛です。
これがバラを各部屋に置いて、どこの部屋で亡くなったのかを調べるという実験です。
大島:
さっきの間取りより広く見えますね。
松原:
左側が4.5畳で右側が6畳です。フローリングのところはダイニングキッチンですね。この「バラが枯れるからそこで亡くなったのが分かる」というのは、別に実証はないんですが、湿度の関係でお風呂場が一番最初に枯れました。
事故物件に住むきっかけをくれた番組『北野誠のおまえら行くな。』【※】のメンバーの人たちですね。この時点では、どこで殺されたかというのが分かっていなくて、殺人事件があったということしか分かってないんですよ。
※『北野誠のおまえら行くな。』
いわくつきの心霊スポットやパワースポット、凶悪犯罪現場等で、起こるであろう超常現象(心霊現象、怪奇現象)を記録することを目的とした北野誠を団長とする超常現象探索プロジェクト。
これは血痕ですね。畳をめくると血痕がある。この畳だけ他の畳より新しくて、ガタガタしていたんです。明らかに新しい畳なので、ここをめくったら何かあるんじゃないかと思って……めくったら案の定、血痕ですよね。分かりやすい。続きましてこちら。ペンキで塗りたくられているお風呂場の鏡。
大島:
これは嫌ですよね。
松原:
意味が分からないですね。
お風呂場なんですけれど、蛇口があってその下の排水溝のところに髪の毛がいっぱい詰まっていて、水はけがすごい悪くて。それを割り箸で取ったら、髪の毛がワサッと出てくるんですよ。すごいのが出てきたと思って、番組で使う用にVTRを撮ろうと思って、録画しようとしたらカメラが壊れるという、不思議な現象がありました。
結果、その髪の毛をいつの間にか捨てちゃって、それを聞いた北野誠さんが「お前、髪の毛捨てたらしいな!」「お前、たるんどるんちゃうか!」って、怒りの電話が掛かってきました。事故物件の排水口に詰まっている髪の毛を捨てて怒られるっていうのは生まれてはじめてです。でも詰めが甘かったんだなと、「これからは何か見つかったら残すようにします」と反省したんです。
そうしたら次の日の朝9時くらいに誠さんが電話が掛かってきたんです。何やろうと思って電話に出たら、「タニシ、昨日は髪の毛捨てたくらいで怒ってすまんかった!」って急に謝られて。「捨てた僕が悪かったんで気をつけます」って言ったら、「ちゃうんや、お前を電話で叱りつけてから、うちの実家の犬が死にそうなんや」って言い出して。
「今すぐ風呂場で塩で体を塗ってそれを洗い流してから、お前の後ろにおるであろう幽霊に、誠さんを許してあげてくださいって言ってくれへんか」って(笑)。一応、言うとおりにして。そうしたらまた次の日に連絡が来て「犬が助かったわ、ありがとう」って。よかったです。そのせいでなったのかは分からないですけれど、そういうタイミングだったみたいで、そんなことがありました。
ガチャガチャするドアノブはもしかすると……身の毛もよだつ恐怖のオチ
松原:
特別募集住宅殺人と書いていたのに対して、「殺人」という漢字2文字しか教えてもらえていなくて。「何があったんですか」って聞いたら、「二文字なら教えられます」と言われて、「何ですか」と聞いたら「殺人」と言われたんです。
それ以上は教えてくれなかったんですけれど、たまたま近所に定食屋さんがあって、ランチを食べていたら「お兄ちゃん、どこに住んでるの」と言われて、「僕すぐそこに住んでます」って。「そこ、息子が母親を殺したとこやんか」って。
「知ってるんですか?」「知ってる、知ってる。部屋でボコボコに母を殴った後に、お風呂場で顔を沈めて殺した事件やで」というのを教えてくれて。その大将の証言で、そういうことだったんだということが分かって、畳の下の血痕は、多分その時の血であり、お風呂場の鏡はちょっと分からないですが、そこで亡くなっている。
その前から僕の携帯に謎の留守電が入るようになっていて、それを聞いたらゴボゴボという音がずっと入っていたんですよ。
大島:
なるほど。そこですか。
松原:
だからお風呂場で亡くなったというのと関係するのかな、というお話があって。この話を村田らむ【※】さんが、竹書房の『本当にあった愉快な話』という雑誌で四コマ漫画で描いてくれようとしていました。そのゴボゴボの話を描こうとしたら、謎の番号から電話が掛かってきたらしくて、何だろうって思って電話を取ったら、ゴボゴボという音がしたという話もあるんですよ。
そして、「ドアノブガチャガチャ」というのもあって。
※村田らむ
ルポライター、漫画家。ホームレス、新宗教、犯罪などをテーマにしたルポルタージュが多く、潜入取材や体を張った体験取材を主にこなす。
大島:
それは全部同じ場所なんですか。
松原:
全部同じ場所。ドアノブガチャガチャはポルターガイスト現象かと思っていたら、後日、家の近所で通り魔事件が発生するんですよ。犯人は僕の住んでいる部屋で母親を殺した息子と同一人物だった。
なぜ通り魔事件を起こしたのかと言うと、母親を殺した段階で精神鑑定で不起訴になって、グループホームに行っていた。そこを抜け出して、「早く死刑になりたいから誰でもいいから殺したい」という理由で通り魔事件を起こしていたということが発覚した。
じゃあ、「ドアノブのガチャガチャは犯人が家に戻ってきてるよね……」という。というのも、郵便物がよくなくなることがあったから、家に戻ってきたついでに郵便物を持って帰っている可能性がすごく高いなということで、僕も犯人に遭遇していたかもしれないという話でした。
「事故物件住みます芸人」の松原タニシ、初の書き下ろし単行本
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▼記事化の箇所は1:46:27から視聴できます▼