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「日本のメディアは責任を取らない」上杉隆、ケント・ギルバートらが語る“日米メディアの違い”

 日本文化のさらなる深まりと広がりを目的とした『エンジン01文化戦略会議』が、シンポジウムを開催しました。“ NO BORDER”の代表を務める上杉隆氏、日本ではタレントとして活躍している弁護士のケント・ギルバート氏、元日本経済新聞社の記者で、現在はノンフィクション作家の佐藤正明氏の3人をパネリストに迎え、元NHKキャスターの髙島肇久氏がコーディネーターとしてシンポジウムの司会進行を担当しました。

 シンポジウムでは2016年米大統領選挙を例に、各々が感じたアメリカと日本のメディアの違いについてパネリスト達が語りました。


左から髙島肇久氏、上杉隆氏、ケント・ギルバート氏、佐藤正明氏

アメリカと日本のメディアの違いを示す5つの条件

上杉:
 僕はアメリカのニューヨーク・タイムズというメディアで3年働いていたので、日本とアメリカとのメディアの比較ができるんです。決定的な違いは、次の5つがあるかないかなんです。

ジャーナリズムの5大原則(バイライン、ソース、クレジット、コレクション、オプエド)

上杉:
 常にメディアが報じた時には、同時に反対意見も掲載すること。アメリカのメディアには、必ず社説の裏面に、オプエド(反対意見)があるんです。これが唯一されていない国が、日本なんです。どうして日本のメディアができないのか? それは簡単です。「私たちは正しい報道をします」というメディアの驕りです。

ケント:
 全体主義ですよ。

上杉:
 毎回新聞の一面を使って、コレクションという訂正欄のページがあるんです。掲載記事について「自分たちはこういう間違いをした」というのを検証しているんです。コレクションとオプエドの欄が日本の新聞にはないんですよ。(バイライン、ソース、クレジット、コレクション、オプエドの)5つがないメディアはどういう扱いを受けるかというと、メディアとして扱われないし、正式に登録できない。日本でホワイトハウスに入れたのは(5つの要件を満たした)我が社だけなんです。アメリカではトランプ大統領になってから、こういう原則を持ったメディア以外は相手にしていないんですよ。

佐藤:
 バイラインについては、朝日(新聞)はやってますよ。「業界筋によると」とか「関係者によると」とかっていうのは、基本的にやめています。ニュースを誰が書いたのかは、わかるという仕組みになっています。

メディアの驕りと怠慢

上杉:
 テレビとか新聞が上から目線で入ってくるんです。別に視聴者からしたら、ネットだろうがテレビだろうが良いものは皆で共有すればいい。(自身の会社の)NO BORDER名義で撮影したものが、日本以外では全部流れていました。日本のメディアのほとんど全社から、「映像を使わせてくれ」と問い合わせがありました。ただ「お金は払わない」と。じゃ、(NO BORDERの)クレジットを打ってくださいと提案したところ「いや、それも打てない」と。これが日本のメディアの限界です。驕りですよ。

ケント:
 大統領選挙の結果を見て、アメリカのメディアが反省しなければならない点がたくさんある。ヒラリー・クリントンが負けた要因の1つは、ハッキングされた情報があったわけです。アメリカのメディアは未だに(情報が流出したのは)「ハッキングだ」とか「ロシアの仕業だ」「それによってトランプが大統領になったんだ」とか言っているんですけれどね、その情報が正しくないとは言っていない。情報は正しかった。メディアが考えないといけないのは、「なぜ流出した理由がハッキングでなければいけなかったのか」。彼らはヒラリーが勝つと決めつけて、ヒラリーについて「もしかして悪い面もあるのか?」と考える努力はしなかった。本来であれば、この情報はアメリカの主流のマスコミが自分で発掘して出すべきだったんですよ。すごい怠慢だった気がします。

アメリカのマスコミも反省すべき点が大いにあると語るケント氏。

髙島:
 特にメディアの片隅にいた人間からすると、まさに思い込みというのと、謙虚さを失ってしまう思い上がりがある限り、メディアはどこかで自分の足をすくってしまうという大変悲劇的な出来事が起こってしまう気がしています。

上杉:
 ヒラリーが勝つ、トランプが勝てるわけがないと、たくさんの人に誤情報を与えた。(それによって担当者を解雇するなど)ほとんど責任を取りました。海外のメディアはそこまで厳しいわけです。日本のメディアはどうですか? ほとんど間違えたのに、間違えたのはアメリカのせいだ、と。日本のメディアは誰一人辞めてないんですよ? やっぱり謙虚にならなくちゃ。人間だから間違えても良いんですけど、責任を取らなきゃ。

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