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ニコ生で育つアンドロイド、「円周率どこまで言えるの?」という質問に鮮やかな切り返しで会場騒然【アンドロイドル『U』育成プロジェクト】

 株式会社パルコ(PARCO)と大阪大学・石黒研究室、ドワンゴは 2月15日、女性型アンドロイドを、ユーザーとともにアイドルへと育てる共同企画「アンドロイドル『U』育成プロジェクト」を開始すると発表。聞き手にドワンゴ取締役の夏野剛氏を迎え、会見の様子をニコ生で配信した。

 開発者である石黒浩氏が「対話型ロボットの技術で世界を変えていきたい」と口を開き、アンドロイドル『U』の研究の背景や、これまでの研究成果を解説。会見の後半では、視聴者から寄せられたコメントに対して『U』が実際に会話をする様子を披露。「円周率どこまで言えるの?」という質問に対して「3.1415926535くらいです。全部覚えるのはメモリの無駄な気がして。」と切り返した場面では、会場は笑いと驚きの声に包まれた。


アンドロイドル『U』研究の背景

石黒:
 研究の背景を説明したいと思います。「ロボットと未来社会」ということで。我々はロボットで新しい生活を作っていけるような、そういう研究開発をしています。今日は私が代表して話しますけど、小川浩平さん、それから吉川雄一郎さん。一緒にやってる研究者二人の技術もふんだんに取り入れた発表になります。

石黒:
 で、やりたいことはですね、「対話型ロボットの技術で世界を変えていきたい」ということですね。どうしてドワンゴさんや色んな企業と協業するかというと。対話型ロボットっていうのは、社会の中で人と関わり、そこからデータを収集して初めてどれくらい人間らしくなっていくのかが分かるんですね。だから研究室の中だけで評価しても本当の意味で人と関わるようなロボットにはなれないと。本当に世界を変えようと思ったら、どんどん世の中にロボットを出していかなくてはならないということです。

 ここでお話しさせていただくのは、アンドロイド、コミュー、タッチパネルの主に三つ。我々が開発してきたロボットですね。これらを使って、将来我々の社会がどう変わっていくか、どう変えていきたいか、どう変えようとしているのかということを説明させていただこうと思います。

石黒:
 まずアンドロイド、コミュー(ロボット)、タッチパネル対話。それぞれどういうものかというと、人を繋ぐデバイスロボットなわけですね。で、どれも人と関わるために作られているんですけれども、少しずつ特徴が違います。アンドロイドはもちろん人間そっくりの姿形ですから、人と関わるにはそれほど抵抗感がないかなと思います。

 コミューは後で出てきますけれども、すごく可愛い小さいロボットですね。ロボットらしいロボットです。このコミューを複数使ったり、人が操作して別の人と話すということで、人間と話すのが苦手だったり、人間そっくりのロボットと話すのが苦手な人でも、ちゃんと対話ができるという、そういうロボットになってます。

 最後はタッチパネルなんですけれども、人と人と話すときには実はどういう話題で話していいかとか、結構悩むわけですが。それが全部コンピューターで制御されるという状態ですね。直接人と人をつなぐような技術。

 この三つの形態のロボットなり、コンピューター技術を使って、もっと人と人が中に繋がっていけるような、そういう社会をつくりたいと。それを実際に街の中で実証していきたいと。

 同時にですね、ドワンゴさんの色んなメディアを使いながら、情報収集・データ収集をして、改良を加えていきたいと考えているわけです。ざっと、これまでどういう技術であったかっていう話をしていきたいと思います。


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