【森友問題】なぜ文書改ざん疑惑は起きてしまったのか? 調査プロジェクトチーム座長「答弁の辻褄合わせをしようと役所の前例踏襲が根付いている」
危機対応ができていれば浮かぶ瀬もあったかもしれないが……
山本:
加計問題もどう思いますか。柳瀬唯夫前首相秘書官は個人的にそんなに親しいわけじゃないけれども、優秀な官僚じゃないですか。だけど予算委員長をやっていて、総理官邸に愛媛県の職員と今治市の職員が来たというときに、相手には記録があるわけですよ。
もちろん出す義務はないんだけど、柳瀬さんが国会の答弁で、「自分の記憶している限りではない」と。これもすごくおかしいと思って。小泉進次郎さんが言ったのと同じでしょう。「自分の記憶している限りでは」というこの表現自体が疑われるじゃない。
やはりすごくシンプルに言って、国会で委員会で、みんなが嘘だと思っていることを前首相秘書官が言うということは、よくないと思いませんか。これはダメだよね。
柴山:
BSの番組で、ちょうどその番組に出演する直前に、齋藤農林水産大臣が愛媛県の関係文書が、実はこちらにもありましたと。これまではその文書の出所ですとか、あるいは保管状況とかはよくわからなかったんです。
要するに県のほうが役所を回ったことの証拠として、物証が出てきたわけですから、その番組の中で私は記憶にないと言っている柳瀬さんが間違ってるとは断言しませんでした。ただ分が悪くなってきているということは言ったんですね。
だから森友の問題もそうなんですけれども、一度ボタンの掛け違いをすると、一度した答弁の辻褄合わせをしようと、ずっと間違ったボタンを掛け続けるっていうのが、この役所のレッドテープといいますか、前例踏襲というか、そういうところに根付いてしまっているのかなと思います。
だからいざという時に、それが通用しなくなったときに、どうしようも辻褄が合わなくなって改ざんだとか、口裏合わせに走らざるを得ないというところに繋がっていくと思うんですね。
それは危機管理の在り方として、おそらく役所がトレーニングをしていないせいだと思いますし、それに比べるとクリントンさんだとか、一時スキャンダルが出た橋下徹元大阪府知事が、率直に認めたじゃないですか。
山本:
ある意味見事な危機対応ですね。
柴山:
どちらのほうが傷が浅いかということになるんですよね。小野寺防衛大臣だって、一度疑惑が出たときに議員辞職をしたと。その後見事にカムバックしたわけじゃないですか。要するに、しっかりとした危機対応をすれば、その後もう一度やらせたらどうだという声が出てくるんです。
安倍さんだって、一度辞めたけれど見事にカムバックした。だから危機対応がしっかりできれば、浮かぶ瀬も将来出てくるかもしれない。それをずっと長く引っ張ってしまうと、そういう芽を潰してしまうし、政治に対する信頼がどんどん失われていってしまうということの教訓ですよね。
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