ゼーット!の水木一郎は、二代目“うたのおにいさん”だった!? 「未だにアニソンが好きな人はびっくりしますね」
NHKのうたのおにいさんも経験。曲によって歌い方を全部変えていた
中村:
それで違う形でご自身が。
水木:
おかあさんといっしょのうたのおにいさん。
中村:
アニソンの人ではなく、うたのおにいさんに。
吉田:
ここで初めてアニキ的要素が出てきましたね。
水木:
面白いのは、子供たちはうたのおにいさんを見ているからわかるけれど、『マジンガーZ』を歌っている人とは思わない。
吉田:
このときは言ってなかったんですか。
水木:
言ってないです。だってNHKで番組名言えないじゃないですか。『ちょんまげマーチ』とか。
「ちょんまげちょんまげちょんまげマーチ、ござるでござるでござるでござる、ぼくのあたまにちょんまげがあったら、あさのあいさつ、オハヨウでござる!」
中村:
うわ~! 懐かしい!
吉田:
家にテープあった!
中村:
私も!
水木:
だから変な話、営業のときに『マジンガーZ』とおかあさんといっしょの両方のテープを持っていくわけ。きょうのお客さんは子供が多いなら、おかあさんといっしょの曲を多くしよう。ちょっと高校生が多いな、じゃあ『マジンガーZ』にしようってやっていたんです。
未だにアニソンが好きな人は、「おかあさんといっしょをやっていたの!?」ってびっくりしますね。
中村:
そして70年代にたくさんの賞を獲得されました。
水木:
事務所と自宅に置いてありますけれど、1枚目はすごく嬉しかった。2枚目、3枚目も嬉しかった。そのうち毎年どんどん貰ううちに、嬉しいんだけど……ダメだよね人間って。貰うことに慣れてしまって。
最初の頃は大切にしてる。今は探せばあるよ。冗談だけど、それくらい賞をたくさん貰っちゃったということですね。
中村:
ここらへんで転換期などあったんですか。歌い方が変わったりとか、主人公的な歌を70年代に入って歌われるようになるじゃないですか。
水木:
『原始少年リュウが行く』も『ルパン三世愛のテーマ』も『マジンガーZ』も『バビル2世』も、全部歌い方を変えています。
中村:
キャラソンの元祖ですよね。
吉田:
ネットもない時代ですから、わざわざ調べて「同じ人だ!」とたどり着くのも難しい時代で。
水木:
そう。たとえば『がんばれ!!ロボコン』なんかは、がんばれロボコン、デンガラガッタ、デンガラガッタ~みたいな声を出したりとか、 『キャプテンハーロック』だったら、宇宙の海は~って歌ったりとか、いろいろな声を出して。
中村:
ちょんまげマーチは?
水木:
さっきやったじゃん!
一同:
(笑)
水木:
あれも全然違う声でしょう。
中村:
全然違う人みたい。すごい!
トータルセールスが700万枚を突破! 雄叫びブームが到来した80年代
吉田:
そして1980年代に入ります。この辺から僕はほとんど音源を持っています。
中村:
私、ここで生まれました。80年代になって。
吉田:
この頃の水木先生はこんな感じですよ。
中村:
先生になって。
水木:
後輩を育ててデビューさせようかと思って。何人か育ちましたけれど。まだ続けていますけれどね。
吉田:
ちなみにお弟子さんにはどんな方が。
水木:
コーラスグループのアップルパイとか、松原剛志くんという戦隊モノの歌を歌っています。彼は優等生。
(画像は公式Twitterより)
吉田:
この頃になると水木さんのトータルセールスが700万を超えているぞみたいな。
中村:
ギネス級になってもいいんじゃないかというふうになったり。あとは役もやられたり。
水木:
そうですね。自分が歌うと「出演どうだ?」って言われるので「じゃ是非」と言って。これ、海外で放送するんですよ。『時空戦士スピルバン』はフランスでも放送されていて、ある日、フランス人が俺のところにわ~! ってきて、「なんで知っているの」って聞いたら「フランスで放送していましたから」って。
中村:
そして雄叫びブームというのがやってきます。
水木:
雄叫びという言葉も、最初は擬音と言っていたんですけれど、「もう雄叫びにしよう」と。CDにも……。
中村:
「雄叫び」という文言を使って。
水木:
そう。いろいろな雄叫びの歌を入れて。『超人バロム・1』が意外と人気になって、ほとんど擬音。ほとんど雄叫び。マッハロットでブロロロロー!
中村:
びっくりした(笑)!
吉田:
他の人もやっていましたけれど、とりあえず雄叫びといえば水木一郎じゃないかとなりました。
中村:
濃い80年代(笑)!
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