日本のITオワタ!? 教育現場がPCを遠ざけた結果、デジタル機材利用率が「世界最低クラス」に
OECD(経済協力開発機構)による、生徒の学習到達度調査『PISA』【※】の結果が、昨年末に発表された。日本は読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーの全てで上位に入る好成績を収めたが、教育における、デジタル機器の利用環境に関しては、世界最低クラスという結果があらわになった。
※PISAとは。OECD(経済協力開発機構)加盟国を中心に、3年ごとに実施される15歳児の学習到達度調査のこと。主に読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーなどを測定する。
1月9日放送の『小飼弾のニコ論弾時評』では、この話題に対して「そもそもコンピューターを遠ざけている」と小飼弾氏・山路達也氏が番組内で、日本の子供たちが置かれているデジタル環境の貧弱さについて言及した。
デジタル環境の貧弱さが浮き彫りに
山路:
『PISA』世界共通の学力テストですけど、それを行って見えてきたのが、日本の子供たちが置かれているデジタル環境の貧弱さという、「家庭で宿題をするのにパソコンを使ってますか」みたいな質問で、世界で最低クラスだったそうです。家で稼働するコンピューターがありますか、とかそういう質問なんかでも。
小飼:
そもそも教室がコンピューターを遠ざけてるしね。大学に行ってはじめて「パソコン必須です」「持ってない人は生協で買ってね」とか。
山路:
中学高校での教師から見たパソコンって、良くないものみたいな風に扱われてますよね。
小飼:
教育機関って大抵、教育者割引があるんですけれども、Appleですら、大学生からなんですよね。実は、面白いことにPTA役員の親とかも使えたりするんですけど(笑)。
山路:
豆知識ですね(笑)。
小飼:
でもいずれにしても、小・中学生割引っていうのは無いんですよね。なんでやらないんだろうなあ。
山路:
(コメントで)「渡したらニコ生とか始めるし」ってありますけど。
小飼:
親に言われるまでもなく、長女はニコ厨ですけど何か?
一同:
(笑)
SNSの事故は親の責任。教育機関の責任ではない。
山路:
PISAでの結果を見ると、ソーシャルで動画とかを共有したりとか、そういうことをするっていうのが世界的に見ても日本の子供は少ないらしいんですよね。
小飼:
やってるとソーシャルいじめなんじゃないかなんて。それこそ、クレーマーのみなさんが頑張ったおかげじゃないですかね。
山路:
クレーマーの? それこそコンピューターでゲームやってるんじゃないかとか、SNSいじめやってるんじゃないかみたいなことを、教育機関が真に受けて禁止にしていった結果がこうなんじゃないかって。
小飼:
私立はそこのところ、レギュレーションに富んでいて、長女の行ってる学校というのは、SNS禁止とか言ったんですけども、僕は学校にクレームを出しました。「それは僕が決めることであって、あなた達が決めることではない」と。生徒手帳にそういう項目がありましたけれど、その場でビリっと破きました。あの時は。
山路:
(笑)。で、どうなりました?
小飼:
もし「SNSで事故ってもそれは僕の責任だからね」っていう、念書を出して、サインもして、それはもう正しくクレームを出しましたよ。逆に、次女がやってるところは、それをやれやれなんですよ。実は、日本の学校にもすごいグラデーションがあるなっていうのがわかりました。
が、地元の公立中学というのは、PCもろくに置いてないような(笑)。
一同:
(笑)。
Windowsを推しちゃったのが悪い
小飼:
(コメントで)アメリカの陰謀?それはないから(笑)。逆にアメリカはレギュレーションがもっとありすぎて、一番貧困なところというのは、そもそも教師がいなかったりというのだってあるわけだし。アメリカの陰謀説というのは、とりあえず置いておいて。
山路:
昔TRON【※】とかが、出てきた時にアメリカの陰謀で潰されたというのがまことしやかに語られてたりはしますね。どの程度まで本当かは知りませんが。
※東京大学の坂村健氏が提唱した、身の回りのあらゆる場所にコンピューターや情報機器を遍在させ、相互に有機的に連携する「ユビキタスコンピューティング」の構築を目指すプロジェクト。
小飼:
TRONにクレームというか、それは日本が折れちゃったのがいけない。こと外交に関しては、外交というのはそれこそクレーム合戦なんですよ。
山路:
それがまあ、今の日本のデジタル環境に影響しているかもしれないですね。だから、エクセル方眼紙が流行ってしまったというのは、その影響かもしれない。
小飼:
だから、TRONを潰したことが悪いんじゃないんです。Windowsを推しちゃったのが悪いんです。