ラブドール収集家にインタビューしたら“パワーワード祭り”だった「冬は温めないと冷たくて抱けない」「フェラーリだと思って欲しい」【語り:八潮秘宝館 館長】
どこで購入できるの? 修理費はどれくらい?
――人形を買うときは、店舗に買いに行くのか、それともネット通販が多いですか。
兵頭:
いろいろなんですが、新製品が出たときはショールームに見に行きます。
――ショールームがあるんですか?
兵頭:
御徒町にあります。まずショールームにどんなものか見に行きます。お金の支払はそこで払えるしネット経由でも払えます。あとは買ったら自分の場合は葛飾区にある工場に直接取りに行きます。宅急便だとお金がかかるのと、どう考えても自分で取りに行くほうが手っ取り早いです。宅急便で来ると品名に「健康器具」って書いてあるんです。さすがに「ラブドール」とは書いてないですね。
――健康器具っていう配慮がさすがですね(笑)。修理費はいくらくらいかかるんですか。
兵頭:
ケースバイケースですけれど、2万くらいですかね。
――新しいのを買ったほうが早いとかじゃなくて。
兵頭:
だってオリエント工業製だと何十万円としますからね。ただ今、中国製の安いやつが出てきています。中国製はメーカー修理ができないので、自分で何とかするか、放置ですね。その代わり安いんですけれどね。
――使い心地に差はあるんですかね。
兵頭:
まだ買っていないのですが、仲間のユーザーから聞いた話では、やっぱり品質は悪いです。明らかに耐久性は低い。ただ、安いです。10万円とかでありますからね。
AIも搭載! 中国製格安ドールの出現に国内メーカーが総崩れ
――ドール愛好会のオフ会とかありますか。
兵頭:
もちろんありますよ。ただ昔に比べてオフ会はだいぶ下火になっています。
――どういう集まりというか、どういう方々がいらっしゃるんですか。
兵頭:
だいたいみんなサラリーマンですよ。年代は30代から50代ですね。ある程度お金がないとできない趣味ですから。お金がかかる趣味なんですけど、仮に1体だとしたら60万円とか。車と比べたら安いもんじゃないですか。たとえば普通車を買わずに軽自動車にして、その差額で人形を買ったとしたら、どうでしょう。
――確かに乗り物としては。
兵頭:
乗り物ですね(笑)。いつもする例え話では、これをスポーツカー、フェラーリだと思って欲しいんですよ。フェラーリって、空気抵抗の関係もあるんでしょうけれど、あれは絶対に女性のボディラインを意識していますよね。それが共通しているのと、高速でぶっ飛ばす快感とセックスの快感ってほぼ同じだと思っています。
「アメリカの人形はリアルすぎて怖い」という意見がユーザーから来ていますね。
――日本人が作ったほうが……。
兵頭:
日本人の感性に合う。アメリカやヨーロッパの人形はいわゆる日本人の言う「萌え」とか「かわいい」という概念がないんですよ。かわいいという概念のない国の人形はかわいくないんですよ。アメリカやヨーロッパの人形の造形って、日本人から見ると不気味の谷に入っちゃっているんですよね。日本の人形はその谷をクリアするために「かわいい」というところで補っているんだと思うんです。
しゃべる機能は自分はいらないんですけれど、欲しい人はいると思います。たぶん次のステップはそこだと思います。まだ製品化されていないんですけれど、プロトタイプはあるんですよ。買ったあとのメンテナンスはどうするのかとか、そういう問題はあると思います。
――洗ったりできない可能性もある。
兵頭:
そういう作りの子たちとはプレイはできないでしょうね。しゃべる専門になるでしょうね。風呂にも連れていけないので、掃除も大変でしょうね。
――AI搭載して使えたらいいんですけれどね。
兵頭:
AIを入れてしゃべるというのは、アメリカと中国がもうやっていますね。日本でもしゃべるのはいるんですけれど、それはAIが入っているのではなくて、最初からプログラムされている子ですね。そういう意味で日本は遅れているんですよ。正直言うと、ラブドールという世界で言うと、国内メーカーは中国のメーカーの前に総崩れですね。価格の安さでは敵わないですね。