【北朝鮮の車窓から】盗聴・監視は当たり前、旅客1人にお付3人の安心安全(?)な北朝鮮の旅に行ったら色々ぶっ飛んでた
宿泊施設~羊角島(ヤンガクト)国際ホテル~
ニポポ:
この写真が羊角島国際ホテルです。「羊の角の島」って書くんですが、川の中州に建てられているホテルなんです。平壌ホテルとか高麗ホテルとかだといわゆる、おもてなしみたいな感じなんですが、この羊角島ホテルは要監視対象人物が泊まるホテルなんですよ(笑)。逃げ場がない。島につながる道も1本しかない。そんな刑務所みたいなホテルに宿泊することになりました。
ニポポ:
でもロビーはきれいでした。共産主義っぽいゴージャスさがあったりしますね。ここでもいろいろ注意事項とか結構脅される。「日本には、郷に入っては郷に従えという言葉がありますね……言っていること、わかりますよね」みたいなことを言われまして。この国ではこの国の言うことに従えというようなことを散々伝えられました。
そしてチェックインを向こうの方がやるんですが、その間ずっとお説教されているんです(笑)。北朝鮮は怖い、というのもあって荷物を最小限で行ったんです。なので、どこにでも持っていけるように荷物を最小限にしていたんですが、とにかくチェックインしたら「荷物を預けろ」と言うんですよ(笑)。「荷物をとにかく部屋に置け」、「いやいや持って行きます」、「荷物を置け」みたい問答を3回やりましたね(笑)。
もう仕方ない、これは置けということなんだ、と思って荷物を置きに上にあがりました。続いて見ていただく写真はホテルのエレベーターの写真です。
ニポポ:
43階まであるんですけれども……エレベーターのボタンを数えていきましょう。1、2、3、4……ろ、6!? そうなんです、5階がない! 5階がどうなっているかという話なんですが、各階を監視している集中管理センターになっているんですって。これは北朝鮮旅行者の中では結構有名な話らしいです。
アメリカ系の韓国人の方がたまたま5階が開いた時に入ってみたんですって。そうしたら「鬼畜米英に1000万倍の仕打ちを!」と書いてあるスローガンが掲げてあって、監視用のモニターがいっぱい並んでいたっていう、恐ろしいエピソードがあるんです(笑)。そんなこんなで、5階はこちらからは開けられないんですね。
宿泊部屋には仕掛けがいっぱい!
ニポポ:
部屋に入ると、両サイドにどこか入っていけそうな扉がある。さすがに嘘だと思ったんですが、でも各扉の両サイドにあるからおかしいなと思って。
ニポポ:
『名探偵コナン』で学んだ、ゴミくずを挟んでおくと扉を開けた時に落ちるというやつを試してみたら……落ちるんだ。ホントなんだよ(笑)! 漫画みたい(笑)! まさか僕も『名探偵コナン』が、こんなところで役に立つとは思いませんでした(笑)。
ちなみに北朝鮮に探索機とか測定機とか、通信ができるものを持って行っちゃったら捕まるんですよ。でも僕、一応ダミーでいろいろ隠して持って行ったんです。みなさんご存知の盗聴発見器を持って行った。盗聴発見器は日本国内で反応しない。なぜかと言うと、盗聴がされていないから(笑)。
例えばコンセントに盗聴器が仕掛けられていたら、コンセントに近づけばどんどん反応が強くなるというものです。日本で一度も鳴ったことがないから、壊れてるのかなと思ってスイッチをつけてみたら急に鳴りはじめて「おいおい! 目覚ましが鳴っちゃった!」 みたいにごまかした(笑)。それくらい盗聴監視というのは当たり前なんですよ。