安倍首相は平昌五輪に行くべきか？ 行かざるべきか？――自民党議員が警鐘「間違ったメッセージを韓国政府に送ることはよくない」
2月9日から開かれる平昌冬季五輪に、安倍晋三首相らが訪れることが発表されました。現地では個別の首脳会談も行われる予定です。
このニュースを受け、自民党参議院議員の山本一太氏が番組ホストを務める「山本一太の直滑降ストリーム」では、山本氏が「（慰安婦合意の破棄について）何も対抗措置も取っていない。これで行くと、まるで国内に反対がないと思われる」と総理の出席に反対する立場から見解を述べました。
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安倍総理の平昌冬季五輪出席は韓国側にどう映るか
山本：
安倍総理の平昌冬季五輪出席について、私はブログでも賛成できないというふうに書きました。総理は国内にいろんな意見があっても、結局平昌五輪に行くということを決断されました。深謀遠慮や戦略があるということで、もちろん総理が決断したからには、それを支持したいなとは思うんですが、ユーザーのみなさんにアンケートをとりたいです。
安倍総理が平昌五輪に行くことは決まっているんですけども、行くべきだと思う人は1、行くべきではないと思う人は2でお願いします。
ユーザーのみなさんは結構厳しい。行くべきではないが8割。
私は日韓関係を重視するグループに入ってます。私は日韓関係は大事だと思っています。慰安婦合意をめぐる韓国側の対応は全く理解不能と思っています。全く間違ってると思いますが、それでも何とか日韓の関係をきっちりしておかないと、特に北朝鮮問題はこれだけ深刻になってる中では、日米韓の連携維持は極めて重要だと思ってるんですね。
私は、なぜブログでもみんなが声を上げる前におそらく総理は行くんじゃないかということを前提に「賛成できない」と書いたのか。理由はいくつかあるんですけども、あまりそのとき、平昌五輪について意見を言う人がいなかった。その中でも与党の幹事長が二人とも、「行くべきだ」という意見を言った。
これはこれで一つの考え方だと思うのですが、これでもし総理が平昌五輪に行くと、特に今回は何も対抗措置も取っていない。これで行くと、まるで国内に反対がないと思われるみたいじゃないかと。つまり結局は、韓国側の実質的な慰安婦合意破棄というのは日本側は仕方ないと思ってるんじゃないかと、そういうふうに映ること、そういう間違ったメッセージを韓国政府や韓国国民のみなさんに送ることはよくないと思ったんです。
「参加するにしても、はっきりとしたメッセージを韓国側に伝えていただきたい」
山本：
もう一つあります。私の欧米のジャーナリストの友人たちが言うには、「このまま総理が行くと言って、スムーズにいくんだね」と。「あなたは反対しているけれど、あまり反対の声も聞こえてないね」と。
つまり日本側は「韓国側が実質的な破棄、再交渉はしない」って言ってるけど、有名無実化であると。こういう状況だったらもう日本側もしょうがないと思ってるんじゃないかというふうに感じると、欧米のジャーナリストの友人たちが言っていたんです。
日韓合意の大きな意義の一つは、国際社会の中で不可逆的にこの問題を取り上げないとなったところなんです。国際社会にどう映るかというのは、十分に我々は考えなきゃいけないところであって、総理が行くにしても、反対を押し切って決断したというメッセージがないといけないという気持ちが、私には非常に強くあります。
それからもう一つ。もちろん平昌五輪で首脳会談を通じて文在寅大統領に「慰安婦合意の破棄は受け入れない」、日韓合意に基づいて日本政府が拠出した10億円についても「韓国側が肩代わりするのはおかしい」と言ってもらってもいいんです。
だからと言って、文在寅政権のみなさん、政策は変わりません。変わる目処がない。そういう中でメリット、デメリットをよく考えたときに、今回は行かないというメッセージを送ってもいいんじゃないかというのが、私の考え方です。
ちなみに最新の世論調査だと、慰安婦合意に関する韓国側の対応についておかしいと思う人が8割以上います。日本側が慰安婦合意の再交渉はもちろん認められないと突っぱねていることに対して評価する声も7割以上です。でも総理は行くべきか、行くべきではないかという調査については、6割の人が行くべきだと答えているんですね。
ここは国民の多くの人は穏健な保守かもしれませんが、総理が行くにしても、はっきりとしたメッセージを韓国側に伝えていただきたいなと思っています。
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