「ついにきたか」インドの新車販売台数がドイツを抜き世界4位浮上。天下分け目の自動車産業に評論家も熱視線
インドの2017年の新車販売台数がドイツを抜き世界4位に浮上。世界の自動車市場で新興国が台頭しています。
この話題を受けて、政治評論家の竹田恒泰さんが自身の「竹田恒泰チャンネル」において、同じく急速に発展した中国を引き合いに、一人っ子政策がなく急激な人口減がない点を挙げ、「中国とビジネスをやろうという視点をインドに向けるとよくなる」とコメントしました。
インドの新車販売台数が世界4位に浮上
竹田:
インドに関する話題です。ちょっとショックというか、ついにきたかなという感じなのですが、インドの経済は非常に伸びていると言われています。ただ、眉唾もので相当時間はかかりそうだなと前から言われているように、10年後は中国を抜くとか、そこまでは至らないんじゃないか。中には5年で抜くんじゃないかと言う方もいましたけれど。眉唾ものとは言え、やっぱりインドの経済は着実に発展している様子です。
と言いますのは、インドでの車市場、ドイツを抜いて世界4位になったということですね。1位中国、2位アメリカ、3位が日本、4位ドイツだったんですね。ところがインドがドイツを抜いて世界4位です。新車の販売台数が世界4位。こういうところを見ると、インド経済はまだまだだと言われながらも着実に経済の規模を拡大しているのが時間の問題ですね。新車販売の台数で言えば、すぐに日本もアメリカも抜いて2位なんてところにつくかもしれないです。
新車販売が401万台という数字ですけれど、中古車も入れたらインドも広いですし人口も多いですから、すごいことになっているなと思います。
(新聞を読む)世界の自動車市場で新興国が台頭している。インドの2017年の新車販売台数は401万台となり、ドイツを抜き世界4位に浮上した。20年にも日本を抜くとみられる。世界最大の中国市場では17年、電気自動車(EV)などの販売が約5割伸びた。新興国の自動車市場は台数増加だけでなく技術革新でも世界の主戦場となりつつある。
インド自動車工業会(SIAM)が11日発表した17年12月の販売は前年同月比4%増の32万2074台だった。17年通年は前年比10%増の約401万台となり過去最高を更新。
インドの人口は世界2位の約13億4000万人。中国の人口も将来的には抜いていくだろうと言われています。
(新聞を読む)英IHSマークイットの予想ではインド市場は20年にも日本を抜き世界3位に浮上する。インドの自動車市場は10年で2倍になった。背景には経済成長に伴う所得の拡大がある。世界銀行によるとインドの16年の1人あたりのGDPは約1700ドルで07年(約1020ドル)に比べ7割増えた。
つまり19万円とか20万円弱です。1人1年間働いて20万円をつくりだすわけですよね。日本から比べたら全然違いますけれども(笑)。その中に給料も入っているわけですからね。1年働いて20万円つくりだしているということは、いくらもらえるのかな。半分以下? どうなのかな。ちょっとわからないですが、1人あたりの所得は日本に比べたら低いですけれどね。でも人口が13億人もいますから、全部足すと結構なボリュームになるということですね。
ですから新車を買える家というのは稀有だと思います。でも分母が大きいですから、金持ちを数えたって、そこそこの数が出てきちゃう。インドのこれから、要は成長して、世界の大きな市場は中国だと言われていますけれど、中国にこだわらなくていいですよ。インドもきますから。だったらインドとがっちりやっちゃっていいですよ。中国は一人っ子政策をしていましたから、将来的には猛烈な勢いで人口減が起きます。インドはそれがないですから。
これから中国のようになる大きな市場がインドやブラジルなど、他の国もあるので、あまり中国に固執する必要はないんです。その分、インドとじっくりやればいい。
首都ニューデリーで渋滞が慢性化。今後の成長の課題はインフラ整備
竹田:
さらに読んでいきましょう。
(新聞を読む)中国で車の需要が爆発的に伸びたのは1人あたりGDPが3000ドルを超えてから。インドは3000ドルに満たないものの、農村部を中心に増えているはじめて車を買う層が全体の約3割を占めるとされる。全体の8割を占める乗用車では、最大手マルチ・スズキが前年比15%増の160万台超となりシェアは49.6%と前年より2.6ポイント高まった。インドでは14年のモディ政権発足以来、16年度まで実質GDPは7%台の高成長が続いた。
中国の成長率もよくわからないです。インドだって眉唾だと言われます。しかしこれこそが実態なんです。新車の販売台数ってごまかせるもんじゃないですから。GDP全体の伸び率が何%なんて言うと、国家統計をしている部署がさじ加減で変えることができるかもしれません。僕は新車台数とか輸出入関係とか、発電の総量とか実際の測れるものに関しては、そんなにごまかせない。そういうのを見ることによって、インドの成長度合いが見えてくる。
その象徴的な数字の1つがインドの新車市場ということになります。中国は1人あたりのGDPが3000ドルを超えてから爆発的に車が売れるようになったということは、まだインドは夜明けなわけです。今、1700ドル。これから2000、3000となったときに同じように爆発的に売れるようになる。中国を恐らく超える市場になると考えられるわけです。さらに読んでいきましょう。
(新聞を読む)ただ道路の整備が追いつかず首都ニューデリーなどでは渋滞が慢性化している。今後の成長にはインフラの整備が課題になる。
そうですね。いくら所得が増えても始終渋滞ばかりだったら車を買おうという人が減るかもしれないですよね。そこでボリュームがドンときて、お金持ちがみんな車を走らせるようになる。そして渋滞。それをどう解消していけるのか、いけないのか。インドも大きな問題を抱えていますけれど、何でも成長すればいいというものではないので、適切な成長の速度というものがありますからね。
私の目には、まだまだインドにはじっくりと時間をかけていったほうがいいんじゃないかという気がしますが、目先こういう数字が動いていて、インドの経済力は着実に上がってきているということです。ですから、なんとかして中国とビジネスをやろうという視点をちょっとインドに向けると日本はもっとよくなるんじゃないかなと思います。インドとは領土問題は抱えてませんしね。敵の敵は味方というように、敵の中国の敵がインドなわけですよ。
ですから日本とインドが連携するということは中国からすれば歯がゆい形になるわけですね。そういうことで、日本はインドとの友好を深めていく、中国よりもっと重視しなければいけないですね。