『ジャスティス・リーグ』公開を受けて、DC・マーベルの歴史的な違いを解説「日本で言うとDCがコロコロで、マーベルがボンボンですね」
DCとマーベル、映画の生産体制の違い
スタッフ:
マーベルだと、「このタイミングで作品が公開されます」というのを先々まで発表しているじゃないですか。なぜそういうのをDCはやらないんですか。
堺:
やっているんだけど、うまく回っていないんです。システマティックにできていないんだと思います。逆に本当はあんなに大きい規模のものが、いろいろ作られているマーベルのほうがおかしいんですよ。
中井:
今のマーベルの作品の生み出され方を見ると、ピクサー作品のように思います。みんながなんとなく協力しながらローテーションで回してくような、仕組みでうまく作っている感じがします。
堺:
スケジュール管理がしっかりしているというのは、生産者としての管理がものすごくよくできているということ。組織の管理の仕方がちゃんとしているんだと思います。
中井:
DCがそれと同じような仕組みになっていくのか、それとも……。
添野:
個人的な意見ですがDCはマーベルの真似はしなくていいと思いますよ。
ジャスティス・リーグの多民族性が目指すもの
添野:
今回すごく大きいなと思ったのが主人公のバリー・アレンがユダヤ系だということを台詞の中でもはっきりといっていて、びっくりしました。ザ・フラッシュはマイノリティヒーローだという宣言をしてしまった。
堺:
役としてマイノリティじゃないのはバットマンだけじゃないかな。
添野:
アクアマンも元は白人男性だったんだけど、ジェイソン・モモアが演じたことで全然違うキャラクターになりましたよね。アメリカにおいて長く差別されてきたのはアフリカ系の人たちなのですが、ユダヤ系もそうなんです。だから五人の中にアフリカ系の人もユダヤ系の人も入っているというのは、大きいかなと思います。
スタッフ:
それもこれから、配信で見てもらうというスタンスのときに必要なキーワードですよね。
添野:
たとえば女性はまだ一人しかいません。もうちょっと多くてもいいと思うし、今後は増えていく可能性はあると思います。
堺:
マーベルは、いろいろあっちこっちに『スパイダーマン』や『ファンタスティック・フォー』を売っちゃったせいで、作れるものが『インクレディブル・ハルク』と『アイアンマン』しかなかった。そういうのがあって、最初から変化球でいけたというのがありますね。
中井:
最近、フォックスの映画事業をディズニーが買収するという話がありましたね。あれは買うと『ファンタスティック・フォー』の権利的なものも持っていきますというふうになるんですかね。
堺:
フォックスを買うとかハリウッド歴史的にびっくりですよね。でも実は最大の目的は配信といわれています。配信のコンテツをどれだけ持てるかかということ。今、AmazonプライムビデオやNetflixなどがありますが、2019年にディズニーが配信サービスをぶつけようとしているので、そのためにコンテンツがほしいんですね。
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