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日本で“ゾンビウィルス”が蔓延したらどう行動するのが正解? 危機管理のプロに『ゾンビ出現時に身を守る方法』を聞いてみた

 映画やゲームなどで長きに渡り人々を恐怖させてきた「ゾンビ」。あなたはゾンビに遭遇したとき、自分の身を守れますか?

 今回は池袋ニコニコ本社に、「備え・防災アドバイザー」の高荷智也さんを講師として招き、未曾有の「ゾンビ災害」の対策を真面目に考える『道端でゾンビに遭遇したときの為のサバイバルワークショップ』を開催しました。

 「決してゾンビ災害はフィクションではない」と語る高荷さん。ゲーム実況者のコジマ店員さん茸(たけ)さんと一緒に今回は第1章「情報収集編」として「誰かに教えたくなる、日常防災にも使えるゾンビ対策」を解説します。

―ゾンビサバイバルシリーズ関連記事―

第2章「撃退編」

ゾンビが出現したらマジでどうする? 信頼できる情報筋に“生き残るための心得”を聞いてきた

第3章「感染編」

会話が困難、皮膚が腐ってる…その症状、もしかしたらゾンビかも。生きてる間に読んでおくべき、明日から使える『ゾンビの作法』

第4章「人間狩り編」

人間食べよっか。ゾンビの視点でまじめに考える「人間の正しい食べ方」


ゾンビ災害が起こるとどうなる? 命の危機を感じる三つのポイント

高荷:
 まず最初に学んでいただきたいのは、ゾンビ災害の特徴と被害のポイントです。ゾンビ災害が起きたときに、私たちの命が危なくなる三つのポイントを挙げていきます。まず一つ目は「ゾンビに攻撃されて死ぬ」ということですね。

左から高荷智也さん、コジマ店員さん、茸(たけ)さん。

コジマ店員:
 ゾンビ映画でよく見る光景です。

高荷:
 これは動物園から猛獣が逃げ出したとか、山でクマやイノシシに遭遇したとか、無差別テロに巻き込まれたというものに近いんです。こういう状況に出くわした場合、正面から立ち向かうことはしませんよね。ゾンビの場合も同じなんです。まずは逃げてください。

 二つ目は「ゾンビウイルス感染で死ぬ」ということです。これも先ほどと同じで、旅行先でエボラに感染したとか、鳥インフルエンザウイルスなどですね。

茸:
 鳥インフルエンザは実際に被害がありましたよね。

高荷:
 そうですね。実際に2006年に鳥インフルエンザパンデミックが起こり、全世界がパニックになりました。あのときは何事もなかったのですが、人類の歴史というのは、感染症対策の歴史でもあります。ゾンビウイルスもこれらと全く同じです。マスクをして、手をよく洗うというものが必要ですね。

 三つ目は社会的な混乱ということで、「インフラ・流通の停止で餓死」という、社会的混乱にも備えないといけないですね。たとえば新型インフルエンザパンデミックが起こると、外出禁止になりますよね。あとは局所的な噴火が起こると、国内でインフラが壊滅するような状態だというのも実際に指摘されています。

高荷:
 ところで、いま「コンビニが我が家の冷蔵庫」みたいな生活をしている人はいませんか。

茸:
 いるいる。

高荷:
 家に食べ物がないというのは非常に脆い生活になりますので、常に備蓄をしっかりしましょう。たとえゾンビが現れなくても、こういう一つひとつの災害は実際に起こり得るわけですから、備えておくのが重要ということになります。

ゾンビを発見したら、動画撮影をして原因と対策を知ろう

高荷:
 ここから徐々にゾンビ対策に絞っていきたいと思います。ゾンビ対策には原則というものがありまして、重要なのは「感染症対策」です。もしゾンビに襲われている人を発見したら、その人を観察して感染経路を知ることが重要です。

 具体的に説明しますと、自分の近くでゾンビに襲われている人がいたとします。逃げることも重要なのですが、襲われている動画を撮ってもらいたいです。なぜかと言うと、どういう過程で感染するのかをじっくり見てほしいんです。

高荷:
 ここから何が分かるかと言いますと、噛まれて感染した場合、原因は血液か体液、もしくは寄生虫かもしれません。戦闘中に感染した場合は返り血や唾液とかかもしれない。そして突然感染ですが、この場合は空気感染の恐れがあります。

 もう一つ重要なのは、感染からゾンビ化までの時間を計っていただきたいです。これらが情報収集の第一歩です。

茸:
 でもこれ、まず誰かが犠牲にならないといけないですよね(笑)。

コジマ店員:
 犠牲者ゼロではこの世界は生き残れないんですね(笑)。

高荷:
 そして最終的にゾンビと対峙する際に備えて、ゾンビ自体の能力を調べることも大事です。視力はあるのか、聴力はあるのか、聴覚はどうなのかという主にゾンビから避難する際の方針。

 人間と同じスピードで走れるのか、階段を上がれるのか、知能はあるのかという主にゾンビと戦闘をするための方針。昼間は行動できるのか、暗闇ではどうなのか、暑さや寒さはどうなのかという長期戦・サバイバル時の基本方針。

 そして最後はゾンビの弱点を知るということです。すなわち、人類が反撃に出るための基本方針です。弱点が分からなければ延々と戦い続けることになりますよね。これは戦っているシーンを撮影する必要がありますよね。

高荷:
 まずは「敵を知らねば何もできない」ということで、ゾンビや感染の情報を集めることが重要です。そのため、まずは肉眼で観察する、あるいはウェブやSNSで動画を見て、ゾンビの能力を知る。こういうのをみんなでまとめて、まとめサイトを早く作りましょう。

茸:
 Instagramとかでね(笑)。投稿が全部ゾンビになったりして(笑)。

コジマ店員:
 すごいインスタ映えしそう(笑)。

高荷:
 ただこれだけではありませんね。火災などの二次災害が起こるかもしれません。避難準備をしっかりすることも大切です。これらのポイントは、ゾンビ災害ということだけを考えると、「ただのフィクション」ということになるのですが、一つひとつを考えればどれも実際にあり得ないわけではないですし、実際に起こっていることです。

 つまり、普段何もしていなければ、為す術もなくやられてしまうかもしれませんし、普段の防災対策をしっかり行っておけば、ゾンビ災害にも立ち向かうことができるかもしれませんということです。

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