ゾンビが出現したらマジでどうする? 信頼できる情報筋に“生き残るための心得”を聞いてきた
未曾有の「ゾンビ災害」の対策を真面目に考える『道端でゾンビに遭遇したときの為のサバイバルワークショップ』。前回の記事では第一回「情報収集編」として講師の高荷智也さんから「ゾンビが現れたら動画を撮影、情報収集し速やかにまとめサイトを作成しましょう」とアドバイスがありました。
今回は第二回「撃退編」として、高荷さんがゾンビに遭遇した場合に日常生活の中にある武器でどのように対処するのかを、ゲーム実況者のコジマ店員さん、茸(たけ)さんに実践形式で講義しました。
ゾンビに遭遇したときのサバイバルシリーズ
第1章「情報収集編」
日本で“ゾンビウィルス”が蔓延したらどう行動するのが正解? 危機管理のプロに『ゾンビ出現時に身を守る方法』を聞いてみた
第3章「感染編」
会話が困難、皮膚が腐ってる…その症状、もしかしたらゾンビかも。生きてる間に読んでおくべき、明日から使える『ゾンビの作法』
ゾンビ災害に本当に役立つ備えは
高荷:
まずはゾンビマトリクスで分析をしていただきたいと思います。あまり強くはないんだけど、そこそこ自我を残しているのが「ロメロ型ゾンビ」です。
コジマ店員:
名前があるんですね。
高荷:
もう一つが最近流行りの高機動型ゾンビです。走るやつですね。絶望的な感じはしますが、走り回るゾンビはものすごくエネルギーを使っているはずなので、頑張って走り続ければエネルギーが尽きるはずなんです。そういうところも観察していただけたらと思います。
コジマ店員:
ちなみにロメロ型の名前の由来って何ですか?
高荷:
これはジョージ・A・ロメロ監督ですね。先日お亡くなりになられた、「ゾンビ映画の父」と呼ばれている方ですね。そして戦えるし、知能も高いゾンビが出てくるとこれは人類の危機になったりしますね。逆に戦わないし、あまり頭もよくなければ友達になれるかもしれませんね。
こういうところはいろいろと分析をしてほしいです。
コジマ店員:
どうして頭がよくないと仲良くなれるんですか?
高荷:
ペット的なおつきあいができるかもしれないですね。
コジマ店員:
しつけができればいですね。
高荷:
ゾンビで死ぬ場合の分類ですが、わかりやすく言うと「ゾンビの攻撃で死ぬ」という場合。次に「ゾンビウイルスに感染して死ぬ」。最後に「社会的混乱でインフラがマヒして餓死」ですね。きょうはインフラとかの話になると真面目になりすぎて面白くないので、みんなが大好きな「対ゾンビ戦」にしぼって話していきたいと思います。
「対ゾンビ市街戦」2択クイズ――避難か籠城か?集団行動か単独行動か?戦闘か逃亡か?
高荷:
実践編で例に出すゾンビについてわかっていることを紹介します。こんなゾンビが現れたときに、初期の行動についてみなさんに考えてもらいたいと思います。早速ですがクイズです。ゾンビ災害に有効な備えは二つのうち、どちらでしょうか。1「トゲ肩パッドとバギー」、2「聖水と十字架」
茸:
僕はどちらかと言うと、トゲ肩パッドとバギーを選択したら、その武器に見合った人もついてきてくれると思うんですよ。
コジマ店員:
わかってないな~、やっぱりミーハーだよ。まずは形からだよ。カッコよくないと。
高荷:
ではこちらのクイズの答えは1「トゲ肩パッドとバギー」です。なぜこちらが必要なのかと言いますと、ゾンビをやっつければいいというものではないのです。複合型災害ということで、社会的混乱に対する準備も必要になってきます。対ゾンビ用の兵器だけではなく、幅広い災害に備えるための準備が必要です。
高荷:
自宅に籠城するときに適する場所はどちらでしょうか。1「2F以上の部屋」、2「地下室」
コジマ店員:
でも2階とかだと風で木材とかが入ってきそう。
茸:
僕は地下じゃないかと思います。二次災害で火事があったりすると、地下室だと火が回ってこないから。
コジマ店員:
酸素なくなるよ。
茸:
あ、死ぬわ。
高荷:
では正解です。正解は1「2F以上の部屋」です。重要なのは情報収集をどう続けるかということと、脱出のタイミングをはかるということです。地下では情報収集ができません。ゾンビを肉眼で見ることができませんので、かならず目視できる場所を確保するのがポイントです。
次のクイズです。ニュースで「ゾンビ発生」の第一報が流れました。まず何をしますか。1「避難所へ移動」、2「自宅に籠もる」
コジマ店員:
避難所とかだと食料もあるし。自衛隊とかもいたら警備してくれるじゃん。あながち避難所って危ないように見えるけど安全かもしれない。
茸:
自宅だと襲われる可能性もありますよね。
高荷:
さぁ、正解を見てみましょう。正解は2「自宅に籠もる」です。感染症の問題です。ゾンビ災害でもありますが、感染症でもありますので避難所、病院など人に集まるところに行くのは、ゾンビになりに行くようなものです。ですから感染症という視点でNGです。
次のクイズです。ゾンビを避けた集団生活、つまり家族と捉えていただいていいのですが、どこで眠りますか。1「みんな一緒に」、2「バラバラの部屋」
コジマ店員:
2は絶対に死ぬやつ!
高荷:
名探偵がいるとダメなパターンですね(笑)。
茸:
みんなで寝ていて……。
コジマ店員:
そのうちの1人が感染したら……。
高荷:
正解はこちらです、2「バラバラの部屋」。ゾンビウイルスの感染対策は必要です。感染症の対策の基本は隔離なんです。もしゾンビウイルスに感染して、半日後とか1日後とかに発症する、しかも発症するまでに撒き散らしているという場合は、みんな一緒にいると一網打尽になってしまいます。
ゾンビウイルスだけではなくて新型インフルエンザと同じような考え方です。では次のクイズです。たとえば廊下を曲がったときに「ゾンビがいた!」という状況ですね。ゾンビと鉢合わせしたときの大原則はどちらでしょうか。1「先手必勝」、2「戦略的撤退」
茸:
先手必勝したいな~!
コジマ店員:
ホラーゲーム好きとしたら一回くらいはやってみたいじゃん。
茸:
でも実際はビビっちゃうんだろうな。
コジマ店員:
逃げるのは心が許さないかも。
高荷:
ではこの場合の正解は2「戦略的撤退」です。ゾンビと戦うのは最終手段です。いかに逃げるかということを考えていただきたいです。戦闘はゾンビを回避できないときの手段。しかも複数人のパーティを組んでいるときでないといけません。
一対一は、元軍人とか、傭兵とか、格闘家でない限りは危険すぎますのでやめてください。次のクイズです。公園でゾンビに遭遇しました。目の前の防災倉庫から有効なアイテムを一つ選んでください。1「チェーンソー」、2「薪割り斧」
コジマ店員:
斧は『ウォーキング・デッド』でよく使ってる。でもボス戦に弱いんだよね。
茸:
『デッドライジング』でもそうだった。むしろこれを両方掛け合わせたい。
コジマ店員:
腰に斧で、チェーンソー持ちたいけどね。まず首を切りたい。
高荷:
正解は2の「薪割り斧」です。まず騒音の出る武器はダメですね。音が出た瞬間にわらわらとゾンビが来ますのでNGです。
それとメンテナンスができるかどうか、燃料調達ができるかどうかとなりますので、対ゾンビ戦においてはメンテナンスフリーのシンプルなものを武器として使ってほしいというのがポイントになります。
茸:
斧なら刃こぼれで切れなくなっても殴れるもんね。