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エレクトロとウイスパーボイスが交差する1曲『N嫌』うに茶が歌い描き、ボカロP伊根が書き下ろした作品

 2024年3月に開催された、「歌ってみた Collection 〜2024 Spring〜」。
 様々な部門が設置される本イベントだが、直近では特定のボカロP曲の歌唱を参加条件とし、優勝者にはそのボカロPからの書き下ろし曲が与えられる“ボカロP部門”も、熱い戦いが繰り広げられる場として注目を呼んでいる。

 特定のボカロPファンの歌い手にとっては喉から手が出るほど欲しい褒賞に加え、部門ランキング1位が優勝者でないという点も参加の醍醐味である本部門。
 本稿で紹介するのは、そんな歌コレ2024春の伊根部門にて優勝を勝ち取った歌い手・うに茶への書き下ろし楽曲「N嫌」である。

文/曽我美なつめ


 先述の経緯で、歌い手・うに茶へボカロP・伊根が書き下ろした本曲。
 元より洒脱なエレクトロとバンドサウンドの融合を魅力していた伊根だが、直近作では少しずつエレクトロミュージックのサウンド比率も高まっている。
 クセになりそうな浮遊感のある独特なミックスも、大勢のリスナーの心を掴んでいることだろう。

 そんな最新の伊根サウンドの良さが、今回の「N嫌」には存分に発揮されている印象だ。
 音と音の隙間が心地よい楽曲冒頭から、エッジの効いたビートとベースライン。それらのサウンド、うに茶の軽やかでハスキーなウイスパーボイスが、非常にインパクトのあるコントラストを生み出している。

 どこか掴み所のない曲展開も、リスナーの意識を大いに惹き込むポイントのひとつ。
 その中で随所に韻の踏まれた歌詞を、透明感のある歌声が紡いでいく。展開が広がっていくにつれポップに、かつキャッチーな音楽へと楽曲が変貌を遂げる様も、聴いていく中での楽しみのひとつとなっている。

 また本曲に関しては、音楽のみならず映像もチェックすべきポイントだ。
 イラストを手がけたのは、なんと歌唱を担当するうに茶本人。彼女もまたもとよりイラストを得意としており、これまで自身で投稿してきた歌ってみた動画についても、自らの描いたオリジナルイラストをたびたび用いている。

 モードでポップながらもやや退廃的なムードの映像は、キュートなタッチで描かれた彼女のイラストをアクセントとし、楽曲にあわせてスタイリッシュな展開を見せる。
 音楽の素晴らしさはさることながら、映像と楽しむことで作品の魅力が120%伝わるような、そんな楽曲でもあると言えるだろう。ぜひあわせてチェックしてみては。

■楽曲配信情報

N嫌 DL先こちら

■information

「歌ってみたCollection」 公式サイト

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