「北朝鮮の若い人は合コンして楽しんでる」元・朝鮮総連の職員に人民の暮らしについて色々と聞いてみた

北朝鮮最近のトレンドは？

ニポポ：
　人民の最近のトレンドってどんな感じですか。

安：
　トレンドはファッションが、ファストファッション化しているっていうか……。今まではカチッとした重厚な人民服の延長みたいな服が一般的だったんですけど、だんだん中国のファストファッションぽい、安いけどデザインにこだわっているものを好んで着てる感じですね。

ニポポ：
　なるほど、ファッションを楽しんでるんですね。食はどうなんです？

安：
　食は日本食も結構入ってきていますね。かつ丼とかは昔からあったんですけど、本当にまずくて食べられなかったですね。でも、改良が進んでいるのか知らないですけれど、必ずメニューには日本食があって。

ニポポ：
　日本食ってありなんだ。いわゆる看板掲げてイルボン（日本人）の店みたいな。

安：
　そうですね。今、料理人の藤本健二さん【※】が寿司屋をやっているって聞きましたけど。

ニポポ：
　こっちでバンドをやったり、なんかしてうだつが上がんないより、向こう行った方が儲かるというか、いい暮らしができる、なんてこともあるのかもしれないよね。

安：
　日本で食い詰めた人が向こうで忠誠を誓って、何かやらせてもらうっていうのはちょっとありかもしれないですね。

ニポポ：
　意外と経済が豊かだからね。今、17年ぶりの好景気っていう。

安：
　実際そんなに甘くないし、朝鮮語できないときついとは思いますけどね。

「若い人は合コンしたりしてますよ」北朝鮮の合コンシステム

ニポポ：
　北朝鮮って娯楽はどんなものがあるんですか。僕が行った時は酒飲んだりするって聞いたんですけど、若い人は何やってるのかなって。

安：
　そうですね、娯楽は……合コンとか一応あるし。

ニポポ：
　ちょっと待って合コン!? どんな人が集まるの？

安：
　紹介制で、自分の友達を連れてきてっていう感じ、日本と変わらないですね。合コンの成り立ちというか、経緯は日本と同じです。娯楽自体があんまりないので、ゲーセンとか遊園地とか、若者の間だけで流行っている手拍子のゲームとかあるじゃないですか？ そういうのとか……あと歌がやっぱり娯楽としては強いかなっていう感じですね。

ニポポ：
　かわいくなってきたね、一気にね。

安：
　インスタ女子じゃないですけど、やっぱ写真が大好きなんで、ちょっとインスタちっくに自撮りとかを貯めたり。

ニポポ：
　「ピョンスタ」(コメント)（笑）。それ流行りそうだね。

安：
　インスタもちろん使えないけど、きれいなメイクをして、きれいな服を着て、渾身の1枚を撮ったり。

ニポポ：
　女の子はかわんないんだね。

安：
　あとは動画制作をやってる人とかいましたね。

北朝鮮にYouTuberがいたら、絶対面白い

ニポポ：
　ちなみになんですけど、作った動画は発表の場はある？

安：
　どうだろう？ 仲間内で発表とかするのかもしれないけど、もちろんネットがない国なので、なんかにダウンロードして見せ合ったりするのかもしれないですけど、とりあえず私の知り合いとかは、動画作成が趣味で、もうとにかくあらゆるものを撮って編集してってやってましたね。

ニポポ：
　なるほどなあ。

安：
　北朝鮮にYouTuberがいたら結構面白いと思うんですよ。

ニポポ：
　面白そう、絶対。

安：
　センスがね、なんか日本でネットが流行り始めた時のセンスっていうか……。

ニポポ：
　ああ！ 黎明期の。

安：
　そうそう。

ニポポ：
　いいね、今の時代にあえてそういうのをね。

安：
　これは、バレたら怒られると思うんですけど、韓流の時代劇とかあるじゃないですか、そこに自分の顔をはめて楽しむみたいな。

ニポポ：
　雑コラだ！

安：
　それをやってました。

ニポポ：
　なるほどね、向こうで放映されてる大河ドラマみたいなやつのね。

安：
　その元画像をどっから手に入れたかわかんないですけど。とにかく自分の顔に合わせて楽しんでる。

ニポポ：
　面白いですねえ、向こうの文化に触れるっていうのは。

安：
　そうですね。まあ、パソコンを持っている人限定なんですけど、まあそれは仕方ないかなと。

ニポポ：
　パソコンショップみたいなものも、あったり？

安：
　ありますね。中国から流れてきているのを買うと言ってました。

ニポポ：
　やっぱりそうなんだ。政府は黙認みたいな感じ？

安：
　そう言っていましたね。あんまり語りたがらないっていうか、副業のこともあんまりツッコまれたくない。自分たちが危なくなるから言わないですね。こっちもむやみに聞かないというのがマナーになっています。

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