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【無色透名祭Ⅱ参加曲】激烈なバンドサウンドに心奪われる!キタニタツヤも高く評価、隠れた無名の才能による秀作「暴奏」

 2023年11月に開催された投稿祭「無色透名祭Ⅱ」。
 参加者は全員匿名で新曲を発表し、リスナーは新たな音楽との出会いや作り手を予想して楽しむなど、多彩な参加方法ができる投稿祭として、シーン内でも話題となったイベントだ。

 今回はそんな「無色透名祭Ⅱ」投稿作のひとつともなる楽曲、「暴奏」をご紹介。

取材・文/曽我美なつめ


 エネルギッシュで疾走感のあるバンドサウンドとテクニカルな変拍子で、大勢のリスナーに鮮烈なインパクトを制作した本作。

 イベント中に複数名の人気ボカロPが“良曲”として話題にした事でも注目を集め、制作者であるボカロP・うみくまの確かなクリエイティブ力を感じさせる1曲ともなっている。

 やはり一聴して最初に興味を惹かれるのは、冒頭からトップスピードで畳みかける攻撃的なイントロフレーズだろう。約4800曲もの投稿作の中で、リスナーの心を掴むための構造がしっかり意識されていることが伺える。

 そこからの楽曲展開もハイテンポの4拍子から気づけば5拍子へと遷移し、一瞬の3拍子のインタールードを挟んだ後、怒涛の疾走感を携えてサビの4拍子へと戻る。
 一瞬でも気を抜けば置いて行かれそうなスピード感。そしてVOCALOIDを使用した電子音楽の強みを大いに生す、音数の詰まった勢いのあるバンドミュージック。
 それもまた、「暴奏」というタイトルに相応しいサウンド感と言っても過言ではないに違いない。

 重ねて投稿祭のルールとして敷かれた厳しい制限の中でも、楽曲の持つ攻撃性やテンポ感の魅力を最大限生かそうと、工夫の凝らされたリリック映像も注目のポイントだ。
 難解な表現の多用された硬派な歌詞も、その世界観に興味を惹かれるリスナーはきっと少なくないはず。
激しいサウンドと相まって、より楽曲そのものの重厚感を印象づける要素ともなっている。

 実際にイベント開催中も、SNSでは楽曲を高く評価するリスナーの投稿があちこちで見受けられていた。
中には楽曲への感想や、良曲として知人へ勧める声が英語や韓国語で綴られたポストも散見されており、作品が幅広い視聴層に支持されていたことが伺える。

 今作への高い評価を公表している人々の中には、現在シーンの第一線で活躍するボカロPの一人である青栗鼠や、こんにちは谷田さんことキタニタツヤの姿も。
確かな実力を持つクリエイターたちにも鮮烈な印象を残したその音。まだ楽曲未視聴だという方はぜひ一度聴いてみて、その魅力をぜひ自身の耳で体感してみて欲しい。


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