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【プロセカ実装曲】イントロの切ないピアノ旋律と共に、可不とミクのふたりによる、不安や悩みに寄り添い、聴き手の心を軽くしてくれる『はぐ』

 今回は、MIMIさんが11月7日に投稿した「はぐ」を紹介する。

文/小町 碧音(こまち みお)


 この楽曲はスマートフォンリズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(通称:プロセカ)で活躍する4人組アイドルユニット・MOREMORE JUMP!への書き下ろし曲。イントロの切ないピアノの旋律に、心の深層に眠る悲しみや後悔を呼び覚ますような、胸に迫る力が生きているのが、いの一番に感じる魅力だ。歌メロに入る前から、聴き手の期待を高めてくるメロディ。リフレインするピアノとストリングスのシンセアレンジで彩られた煌びやかなサウンドが印象に残る。

 楽曲に登場する主人公は<相当つらいな今日だって 泣かないように目を瞑る>とネガティブな感情をこぼしている。柔らかな可不とミクの歌声が交互に流れることで、歌声にスポットがあたり、それぞれの内心が独り言のように聴こえてくる。果たして、MVで描かれている主人公は、鏡に手を合わせているのか、誰かと手を合わせているのか。そんな疑問が残る中、<パっていつかパって 君が呼び止める>という歌詞を受けて知るのは、主人公を含めたふたりが不安を抱えながらも寂しさを分け合って生きていること。

 サビに入ると可不とミクのふたりが息を合わせるように歌うことで、不安や寂しさを乗り越えて、共に歩んでいくという強い意志が感じられるのが熱い展開だ。2番でも同様に<失敗ばかりの毎日です でも一生懸命やってんです>と変わらない日々を送る主人公にただ手を差し伸べるのは、運命共同体の‟君の声”。言いたいことがあっても、なかなか口に出せないこともある。そんなときは、少しだけ自分を認めて、前に進もうというメッセージが、<言えないだらけの感情に 少しだけのはぐをして 歩き出してみるそうやって 息をしているそれでいいよ>のサビに込められているのかもしれない。

 <生きているだけで何回も>からのクライマックスで、畳みかけるような可不とミクのボーカルとメロディ、歌詞が、相乗効果を発揮し、爆発的な盛り上がりを見せる場面も、聴き応えがある。画面を通してつながる聴き手に、一段と力強い生のメッセージがダイレクトに伝わるようだ。まさに、生きづらさを抱える聴き手の不安や悩みに寄り添い、心を軽くしてくれる楽曲になっている。歌メロのほか、美しいピアノの旋律が織りなす弾むインタールードも、MIMIさんの楽曲の持ち味のひとつ。ぜひ、その世界観を味わってみてほしい。


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