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おいしさ50000点の美食は危険地帯でしか味わえない!? 『鍋に弾丸を受けながら』は圧倒的な情報量で魅せるカオスなグルメリポート漫画

 ニコニコ漫画「コミックNewtype」にて掲載中の『鍋に弾丸を受けながら』でつづられるのは、“治安の悪い場所の料理は美味い”がテーマのノンフィクショングルメリポートです。

 漫画界にこれほど強烈なグルメ作品が……いや、地球上にこれほど食欲をそそる美食が存在したなんて!!

 生々しくもスパイシーな食レポの数々は、まさに事実は小説より奇なりといったところ。読んでいるこちらも思わずよだれ&冷や汗が止まらなくなってしまいます……!

ニコニコ漫画『鍋に弾丸を受けながら 』エピソード一覧

原作:青木潤太朗(@aokijuntarou
作画:森山慎(@sin_moriyama

知られざる“マフィアの拷問焼き”

 時は2018年3月、本作の原作者であるジュンタローこと青木潤太朗氏はメキシコにおりました。

 そこで彼が目にしていたのは、“マフィアの拷問焼き”……という名の現地の伝統的な料理!

 曰く、マキシカンマフィアの伝統的な処刑法がモチーフであり、焚き火の中に服を着たまま身投げをさせるのがこの手法のミソなのだとか。

 服を着たまま身を焦がされれば裸よりも長く苦しむことになり、高い服を着ていればより苦しみが長く続く。

 そんな空気が凍るようなことを笑顔で語るのは、現地ガイド兼ボディーガードのメンドーサ。隣りには通訳のピエロの姿も。

 ……いや、笑顔で話していますが話題が物騒すぎる!! えっ……この後、本当に焼いたりしませんよね……? この漫画、大丈夫なんですか!?

 恐ろしいほどの異国情緒にさらされるなか、ジュンタローは出国間際の友人との会話を回想します。

 焼肉をつつきながら友人Kが口にしたのは、「治安の悪い場所の料理は美味い」という本作のキーワードともいえる言葉。

 それを聞いたジュンタローは、「たしかに……」とこれまでの釣り旅行での経験をもとにうなずきます。

 アマゾナスで飲んだ、緑色のオレンジで作るオレンジジュース。ザンビアで食べた、砂糖がかかっていると勘違いするほど甘いアボカドなどなど。

 これらはどれも現地でしか味わえないモノ。日本のように安全な場所で、70~90点のグルメを堪能することもまた素晴らしいことですが……。

 それこそ50000点を超えるような飛び抜けた美食にありつこうと思ったら、危険なエリアに足を運ぶしかない。そんなことを言って友人Kは怪しげに笑うのでした。

ロモアールトラボは全体が“ステーキの赤いとこ”

 友人Kとの会話から戻り、場面はふたたびメキシコ某所に。

 焚き火の熱が衣服と肉を焦がすなか、ジュンタローは現地民たちと他愛のない談笑を交わします。

 そろそろ読者の皆さんも違和感を持ち始めているころかと思いますが、なぜかこの漫画、登場人物が美少女ばかり。

 ……というのも、ジュンタローの脳は長年にわたる二次元の過剰摂取ですでに壊れてしまっており。

 彼の見る景色には、デフォルトで美少女フィルターがかかりっぱなし。だからノンフィクションの触れ込みも嘘ではないのです。オーケー?

 そうこうしているうちに、“マフィアの拷問焼き”ことロモアールトラボが完成!

 荒々しい調理風景とは裏腹、出てきた肉にはしっとりと火が通り、断面は美しい桜色となっていました。

 それを手づかみで失礼したジュンタローは驚愕! この肉、全部がまさに“ステーキの赤いとこ”ではありませんか!?

 ローストビーフともまた違う肉の強いうま味が脳天を直撃し、「これがロモアールトラボ……!」とうっとり。

 シンプルだからこそおいそれと真似できない。危険地帯で味わえる50000点グルメとは、こういうものなのか……!

異国情緒を台無しにするジュンタロー

 圧倒的なまでの解像度の高さで、世界各国の危険地帯&グルメのリアルを伝える本作(美少女フィルターは置いておいて)。

 食文化は人間なしには生まれないというわけで、そこに暮らす人々の生き様を克明に描いているところも大きな魅力です。

 現地の酒を味わうさなか、ガイドのメンドーサはおもむろに目の前のダム湖を指さします。

 ジュンタローたちがいまいる場所は“第二サンマルコス村”。湖底に沈んだいまはなき“第一サンマルコス村”には、彼の母校があったそうな。

 “第一”、“第二”ともにメキシカンマフィアとは切っても切れない歴史を持つゆえに、ロモアールトラボを味わうには相応しい場所だったということでしょう。

 移転した現・サンマルコス村を差し置いて、この荒廃した“第二”に集う人々がいまもいるという事実に、さまざまな感情がこみ上げてきます。

 ジュンタローも彼方から昇る朝日を眺めながら、「それにしてもサンマルコス村って名前の村は言った世界中に何百個あるんだろうか」と……。

 ……って、せっかくの異国情緒が台無しやないかい! この、なんだかよくわからないけど唯一無二の淀んだ空気感こそ本作の一番の魅力なのではないでしょうか。

 ちなみに本作、意外にも(というと失礼かもしれませんが)、毎回挟まる料理解説コーナーもかなりの充実ぶり!

 今回紹介した第1話を見ただけでもわかる通り、いろいろと情報量の多い作品になっていますので、興味を持った方はぜひ続くエピソードをチェックしてみてください。

(画像はニコニコ漫画『鍋に弾丸を受けながら』より)

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