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114万人が食糧不足 アフリカの島国「マダガスカル」の今とは?世界平均の1割を下回るGDP、固有種が絶滅危機、医療砂漠……“動物の楽園”というイメージとかけ離れた現状をご紹介

 今回紹介するのは、ゆっくり!世界の国解説! さんさんが投稿した『【マダガスカル 徹底解説!!】 不思議の島マダガスカルってどんなとこ!? #ゆっくり解説 #マダガスカル』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、アフリカの島国である「マダガスカル」の現状について解説します。

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マダガスカルが直面する飢餓と貧困

魔理沙:
 今回はアフリカの国から、マダガスカルについて解説する。まずはマダガスカルの概要から見ていこう。マダガスカル共和国、通称マダガスカルはアフリカ大陸の東、西インド洋に位置する共和制国家だ。アフリカ大陸からは、400kmほど離れている島国だ。  

 マダガスカル島の面積は約59万km平方メートルで、日本のおよそ1.6倍。世界で4番目に大きい島だ。大陸から分離したのが今からおよそ9000万年前と推測されている。非常に長い間、外界との往来がない孤立した状態が続いたため、マダガスカルの動植物は、他の大陸とは全く異なる独自の生態系で変化を遂げている。

 島内の動植物の実に9割が、この辺のでしか見られない固有種だ。そのため、マダガスカルは特に自然学者の間で「大陸のミニチュア」とか、「第8の大陸」「自然学者にとっての約束の地」と呼ばれるんだ。  

 中央の高原地帯はちょうどいい過ごしやし気候で、首都のアンタナナリボもここに位置している。マダガスカルの政治経済の中心で、人口は周辺部も含めると400万人を超える都市だ。国全体の人口はおよそ2770万人で、日本のおよそ1/4だ。民族はアフリカ大陸系と東南アジア系の混血が9割以上の大多数を占めている。

霊夢:
 東南アジア? なんで?

魔理沙:
 実はこの地に最初にやってきたのは、現在のインドネシアあたりの人らしい。紀元前350年前から紀元後550年の間と推測されており、稲作技術とともにカヌーでやってきたようだ。その後、10世紀ころまでにアフリカ大陸からも人がやってきて混血が進んだようだ。

 言語はマレー・ポリネシア語派に属するマダガスカル語と、植民地時代に定着したフランス語がともに公用語となっている。次はマダガスカルの経済について見ていく。GDPは140億ドルで世界129位。ひとり当たりのGDPは510ドルと、世界平均の1割を下回る水準だ。

霊夢:
 経済的にはかなりギリギリだね。

魔理沙:
 国民の実に8割が1日2ドル未満で生活することを強いられている状態だ。国連が定める区分では、開発途上国の中でも特に開発が遅れている「後開発途上国」に位置づけられる。独立後も輸出・輸入ともにフランスに強く依存した経済となっており、フランスの影響力が未だに強いと言える。  

 では次はそんなマダガスカルの歴史を簡単に見ていこう。今からおよそ2億万年前、地球には「パンゲア」という大陸が存在していたと考えられている。このパンゲア大陸は、現在のユーラシア大陸のみならず、アフリカ、南北アメリカ、インド、オーストラリア、南極がひとつになっていた超巨大大陸だ。

 これがおよそ1億3000万年前には、地球内部のプレートの動きによって分裂しだす。9000万年前には、マダガスカル島は周辺の大陸と完全に切り離された。それ以降は他の大陸とほとんど交流がない孤立した状態がずっと続くことになる。他では見られない固有種がマダガスカルで多く見られるのは、この間に独自の生態系を発展させたからだ。

 次は、この国が現在直面している問題について解説しよう。ざっと見ただけでも、食糧不足問題、環境破壊問題、医療不十分問題、インフラ未整備問題、政治不安定問題と数多い。

 今回は食糧不足問題と環境破壊問題について見ていくことにしよう。2021年現在、マダガスカルで起きているのは食糧不足という表現ではおさまらない、深刻な食糧危機と呼べるものだ。

 マダガスカルでは、ここ数十年で数年単位の干ばつが断続的に起き続けている。農作物の生産高が激減、現在マダガスカル南部では、約114万人が食糧不足に陥っており、そのうち約1万4000人が最悪レベルの栄養状態であると報告されている。

霊夢:
 なんとかならないの?国連は何してるの?

魔理沙:
 もちろん国際機関も支援に乗り出している。しかし食糧援助を必要とする人の数が多すぎて、在庫が少なくなってきている。さらに今回の新型コロナウイルスにより、支援物資が届きにくい状況が重なってしまった。数十万もの人が食糧援助のみで命をつないでおり、事態は一刻を争う状況なんだ。

霊夢:
 本当に深刻だ……。

魔理沙:
 次に環境破壊問題について見ていく。豊かで独特の生態系を持つマダガスカルの熱帯雨林だが、近代以降は急激にその面積を減らしている。その原因は貧困であるとも言える。

霊夢:
 環境破壊の原因が貧困?

魔理沙:
 先程も説明した通り、マダガスカルは後発開発途上国に位置づけられる貧困国だ。そして、そんなマダガスカルにとって輸出できる材木は貴重な収入源となる。日々暮らしていくためのお金を得るために、仕方なく伐採が行われているんだよ。

 輸出目的の伐採だけではない。作物を育てるための十分な肥料を買うことができないため、森林を焼いて田畑とする焼き畑農業畑も行われている。このような無計画な伐採と無理な焼き畑により、マダガスカルの森林はみるみる面積を減らし、現在ではすでに原生林の9割が失われたとも言われている。

 このままのペースで森林が失われ続ければ、キツネザルなどのマダガスカルでしか見られない固有種が、あと25年ほどで絶滅してしまうと言われている。  

 その他の問題についても簡単に見ていこう。まずは医療不十分問題。村には病院がないので、村に住む人は都市の病院に3日以上かけて移動しなければならないという問題がある。

 また、患者が治療を受けるための十分なお金がない場合が多いし、そもそも都市の病院でさえ十分な医療設備がそろっていない場合も多い。

 続いてインフラ未整備問題。首都アンタナナリボや港湾の都市はともかく、地方の村では上下水道や、まともな道路も整備されていない場所がほとんどだ。これは先ほど述べたように、地方の村に住む人が都市の病院に行くハードルを高めたり、また外国から入ってきた支援物資を本当に必要としている場所まで運ぶのを阻んでいる。

霊夢:
 インフラ未整備問題もまた食糧問題や医療問題とつながっているのか。

魔理沙:
 ああ。ついでに言うと政治問題にもつながっている。地方と都市の生活水準格差が大きいという問題ももちろんだが、そのことが政治的な分断を起こしているんだよ。  

 マダガスカルでは独立後も政治がほとんど安定してこなかった。富を分配して貧困をなくすことは政治の主たる役目だが、残念ながらうまく機能していないのが現状だ。

 2009年から2010年の政治不安の際には、観光客数が普段の半分になり、観光業を主な柱とするこの国の経済を疲弊させてしまった。これもまた貧困問題や環境破壊問題につながっていくわけだ。

霊夢:
 こうしてみるといろんな問題が相互に関係しあっているんだね。

魔理沙:
 ああ、これらの問題は一つひとつが個別に存在してるわけではなく、お互いに関係しあっている。だからこそ解決が難しいとも言える。

霊夢:
 日本は何か支援していないの?

魔理沙:
 もちろんしている。2021年2月、日本政府は40万ドルの無償資金を協力することを決定、また給水車を提供し、2万4800人の子供を含む8万6800人に清潔な水と衛生サービスを提供することを決定した。

 ちなみにこれは2021年に決定した分で、日本は過去に何度も食料や水の支援を行っている。

霊夢:
 早く状況を改善してほしいよ。何か個人レベルでできることってないの?

魔理沙:
 国連食糧農業機関や国連世界食糧計画、あるいは国連児童基金のホームページから寄付して活動を支援することができる。もしくはマダガスカルに旅行することだって支援になるだろう。

 支援活動は何も医療や土木の知識がある人だけしかできないわけではない。もちろんそれも素晴らしいが、旅行することで現地にお金を落として、経済に貢献することだって立派な支援になると思う。

 マダガスカルといえば、雄大な自然で、人間と動物がともにのびのびと暮らしているイメージでしたが、現実は世界の中でも最も貧しい国の一つであることがわかりました。少しでも事態が改善することを祈ります。解説をノーカットで聞きたい方はぜひ動画を視聴してみてください。


▼動画はこちらから視聴できます▼

【マダガスカル 徹底解説!!】 不思議の島マダガスカルってどんなとこ!? #ゆっくり解説 #マダガスカル

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