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アシアナ航空の“着陸失敗事故”はなぜ起きたのか? 新人パイロットによる「不可解な90秒の足止め」を招いた会社体質を解説

 今回紹介する、事故と災害を解説するところさんが投稿した『【ゆっくり解説】遺体を消防車が轢く!?着陸後の不可解な90秒間の機内への足止めアシアナ航空214便着陸失敗事故』では、音声読み上げソフトを使用して、サンフランシスコ国際空港で発生した着陸失敗事故を解説していきます。

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新人パイロットたちが招いた着陸失敗事故

霊夢:
 この事故は、2013年7月6日に仁川国際空港を離陸し、サンフランシスコ国際空港へ向かっていたアシアナ航空のボーイング777-200ER型機が、サンフランシスコ国際空港への着陸に失敗し、炎上した航空事故なのよ。アシアナ航空は、韓国の航空会社で1988年設立。韓国の財閥、アシアナグループの一員で、規模としては大韓航空に次いで韓国で2番目に大きいわ。

 事故機は2005年2月に初飛行し、2006年3月に引き渡されたわ。総飛行時間は36,000時間で、離着陸は5,000サイクルこなしていたの。機種はボーイング777-200Eよ。

 2013年6月2日に、仁川国際空港からサンフランシスコ国際空港に到着した際に、油漏れが見つかって約20時間の整備を受けていたわ。同機には、乗客291名および乗員16名が登場していた。乗客291名中のうち、乳児ひとりを含む12歳以下の子供は31人だったの。乗員は韓国人14人、タイ人2人よ。

魔理沙:
 日本人も乗っていたのか?

霊夢:
 日本人もひとり乗っていたわ。一番多かったのは中国の141人で、次いで韓国の77人。アメリカも64人乗っていたわ。2013年7月6日、午後4時35分に定刻の5分遅れで仁川国際空港を出発したアシアナ航空214便は、サンフランシスコ国際空港に同日午前11時15分に到着する予定だったわ。同便は11時28分、着陸に失敗し、通常の着地地点から数百フィート手前の滑走路に尾部が激突したの。

 この時の衝撃で垂直尾翼および水平尾翼が胴体から破断した。車輪も接地時の衝撃により破壊され散乱した。乗客は天井にぶつかり荷物が落下し、負傷者が発生したわ。胴体着陸となって滑走路を外れ、水平にスピンしながら滑って止まったあと、煙が立ち込めて10~20分前後で胴体内部が炎上したの。

魔理沙:
 炎上するまでにすぐ逃げることはできたんだよな?

霊夢:
 それが乗客は乗員によって、不可解な90秒間の機内への足止めを強いられたの。でも幸いにも火災が広がるまでに時間的余裕があり、脱出用シューターや空いた穴を使って多くの乗客乗員が避難することができたけれど、当日2名、12日にさらに1名が死亡したわ。

 死亡した3名のうち2名はシートベルトをしていなかったために機外に放り出されたために死亡したとされ、もうひとりは事故の衝撃でゆるんだドアで頭部を強打したために死亡したわ。操縦桿を握っていた副操縦士はボーイング777型機の飛行時間はまだ43時間で慣熟訓練中であり、訓練教官役となっていた機長も事故の20日前に教官としての資格を取得したばかりで、本便が資格取得後初の訓練教官役としての搭乗だったの。

魔理沙:
 パイロットたちに問題が?

霊夢:
 そういうことになるわ。またこの滑走路では計器着陸装置の一部の運用が、改修のために止められていたの。

魔理沙:
 事故の原因は人為的なものだったのか?

霊夢:
 事故の原因はパイロットの不適切な操縦であるとされているわ。アメリカ運輸安全委員会は調査の結果、操縦士が機器の操作を誤り、着陸に必要な高度とスピードを保てず、またそのことに気づくのが遅れたため、着陸のやり直しができなかったとして、事故の原因は操縦士の人為的なミスであると断定したの。

 FAAは安全基準として、航空機を製造する際には全乗客乗員が90秒以内に脱出できる構造にすることを求めており、脱出訓練もこの安全基準をベースにしているの。

魔理沙:
 でもさっき、すぐ脱出できなかったって……。

霊夢:
 よく覚えていたわね。事故直後に同機が滑走路上で停止した状態であるにもかかわらず、当初乗客は乗務員から機内にとどまるよう指示されており、着陸失敗から90秒後にあらためて避難指示が出されていたわ。飛行機事故時の機内から脱出の際には、他の乗客の脱出の邪魔になったり脱出シュートが破損しないように、脱出時間を短縮するために、乗客には出口で荷物を放棄させるのが原則なの。

 しかし今回の事故で撮影された写真に、脱出した乗客が手荷物を抱えているものが散見され、乗務員の指導不足が指摘されているわ。

魔理沙:
 なるほど。パイロット達だけでなく、乗務員全体が未熟だったんだな。

霊夢:
 NTSBの発表によると、ボイスレコーダーには地面に衝突する7秒前に低速であると訴え、同4秒前に失速警報、同1.5秒前に着陸復航の指示が録音されていたわ。後部座席にいた交代要員の副操縦士は、地面衝突54秒前に下降率が大きすぎると判断し、下降率と何度か叫んで指摘したというの。

 アシアナ航空のユン・ヨンドゥ社長は7日の記者会見で、「機体やエンジンに異常はないと把握している」と述べるとともに、事故機と管制官が応急車両の配置などに関して緊急交信をしたと報じられている点に関し、交信したのは着陸後と認識していると説明したわ。着陸にあたってはベルトを締めるように求める案内放送が流れる一方、異常を伝える特別な放送はなかったというの。

 また同社長は、機長は飛行時間1万時間以上の熟練者で、副操縦士も9000時間以上であり、航空規則に厳格に適合していると強調し、着陸前に機体の異常信号もなかったと記者会見で述べたわ。

魔理沙:
 うーん、でも結局経験不足だったということも分かっているしな。ちょっと会社全体の体質を疑ってしまうよな。

霊夢:
 その後、事故機に搭乗していた韓国人の母親と8歳の少年、搭乗はしていなかったが、8歳の少年の父親の計3名が7月18日までにアシアナ航空に損害賠償を求める裁判を起こした。損害額は5億円に上ると原告側は主張しているの。さらに事故機に搭乗していた乗客80人は2014年1月19日までに機器に欠陥があったとして、ボーイング社に損害賠償を求め、集団訴訟を起こしたわ。

 事故当時、中国人乗客が「何も持たずに脱出せよ」という安全対策指示を無視してスーツケースを持ち出していた画像が出回り、SNS上を中心に批判を招いたの。

 そして2014年2月25日、アメリカ合衆国運輸省は、家族からの問い合わせ専用の電話番号を公表するのが事故から約18時間後と遅れたうえ、家族への連絡についても200人余りの乗客については事故から2日後までかかり、うち数人の家族には5日後まで連絡がなかったなど、航空会社の事故対応として乗客の家族への支援などを義務付けた米国法に違反すると判断し、アシアナ航空に50万ドルの罰金を課したわ。

 航空会社の事故対応として乗客の家族への支援などを義務付けた米国法に違反すると判断し、アシアナ航空に50万ドルの罰金を課したわ。罰金のうち最大10万ドルは、今回の失敗を繰り返さないための対策として航空業界全体で実施する会議や研修の費用にあてられるわ。その後の対応もちょっとよろしくないものが多かったわね。

魔理沙:
 今後はこんな事故が起こらないようにしてほしいよな。

 人為的なミスで発生してしまった着陸失敗事故。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画を視聴してみてください。


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【ゆっくり解説】遺体を消防車が轢く!?着陸後の不可解な90秒間の機内への足止めアシアナ航空214便着陸失敗事故

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