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世界中のユニークでクセが強めな条例を紹介「りんごを食べる日を定める」「フライドチキンをナイフとフォークで食べてはいけない」

 今回紹介する、かやさんが投稿した『ちょっとヤバめの条例』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、世界中の少し風変わりな条例について解説していきます。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

豚カツ屋に醤油とすりおろしにんにくの設置を義務とする条例を作れ (過激派)


ホントにあるの!? クセ強めの「おもしろ条例」を紹介

結月ゆかり:
 本日はちょっと変わった条例の解説をしましょう。まずは、「りんごを食べる日を定める条例」です。

紲星あかり:
 青森県だ。

結月ゆかり:
 その通り。青森県の中でも最もリンゴ生産量が多い弘前市は、リンゴに対する愛情が爆発し、条例をも成立させます。この条例は弘前産リンゴの地元消費拡大を図るために、毎月5日を「リンゴを食べる日」と定めたものです。青森県は他にもリンゴに関する条例を施行しており、「りんご県外出荷規格条例・施行規程」「りんごまるかじり条例」などがあります。

紲星あかり:
 リンゴの食べ方まで条例で口を出すのか!

結月ゆかり:
 いいえ、この条例はリンゴ生産における深刻な事情から生まれたものなのです。ことの起こりは2002年8月、発がん性のある無登録農薬を板柳町の農家が知らずにリンゴ栽培に使っていた事件が発覚したのです。当時、無登録農薬の使用が明らかになったため、青森のリンゴは消費者に嫌われ、その被害額は莫大なものとなりました。そこで施行されたのがこの条例。

 「安心して思いっきり皮から丸かじりできる安全なりんごを届けたい」という信念のもと、消費者が安心して 美味しいりんごを食べることのできるシステム整備を目的としているわけです。そういえば静岡にも「静岡市めざせ茶どころ日本一条例」というのがありますね。

紲星あかり:
 この条例は平成21年4月に施行されたもので、静岡市のお茶に関する伝統、文化、産業を守り、静岡市を日本一の茶どころとするための条例なんだよ。

結月ゆかり:
 次は山口県光市から「おっぱい都市宣言」です。この宣言のはじまりは、昭和51年にさかのぼります。当時は粉ミルク全盛の時代でしたが、光市では母乳栄養の重要性に着目し、広く市民へ周知を図ってきたのです。その結果、母乳栄養率の高い地域として県内外から注目を集めることになり、平成6年にはおっぱい祭りを開催、おっぱい育児をさらに推進したのです。

 そして平成7年には子育て支援に関わる団体や、市民グループの陳情を受け、おっぱい都市宣言が決議されたのです。次は海外に目を向けてみましょう。アメリカジョージア州では、フライドチキンをナイフとフォークで食べることを禁じられているのです。

 ジョージア州は世界最大級規模の養鶏都市であり、「フライドチキンは手を油まみれにして食べるべきで、ナイフやフォークでお上品に食べるものではない」として1961年にこの条例を制定。ただ、この条例は養鶏が盛んなことを宣伝するためのちょっとしたジョークなので、実際はフォークやナイフでフライドチキンを食べても逮捕されることはありません。  

 次はアメリカアリゾナ州のモハビ郡の条例をご紹介。石鹸を盗んだら、その石鹸を使い切るまで自分の体を洗わなければいけない

紲星あかり:
 一体何が目的なの?

結月ゆかり:
 「石鹸泥棒は公衆の面前で石鹸を使い切るまで裸で身体を洗い続ける」というものですから、おそらくは「見せしめ」として作られたものでしょう。モハビ郡では家の外にシャワーを設置しているケースが多く、石鹸も外に置かれているため、「ちょっと失敬」感覚で盗まれることがあったのかもしれません。

 お次はネブラスカ州の条例をご紹介。「ドーナツの穴を販売してはならない」というものです。ネブラスカ州のリーハイという町で施行されたこの条例、どうやら詐欺防止が目的のようです。たとえば「ドーナツ1ドル」と表記されていても、小さく(穴は別途1ドル)と書かれていたのかもしれませんね。この条例はそれを禁止するために施行されたのかもしれませんね。

 さてお次は、アメリカユタ州ソルトレイクシティでは、高度約600mより高いところを飛ばなければならないというのが、高度規制における原則論となっています。ただし、「クリスマスイブの日に限り、空を飛ぶトナカイとそれらが引いている貨物については、高度規制の適用から外す」というのがあるのです。イブの夜も約600m以下に高度を下げることを禁じられては、サンタが子供たちにプレゼントを運ぶことができませんからね。

 お次は日本に戻りまして、和歌山県みなべ町の条例のご紹介。その名も「梅干しでおにぎり条例」です。この条例は2014年10月1日に施行されたもので、内容は町と梅生産者、事業者、町民が連携し、町発祥の南高梅を使ったおにぎりや梅製品の普及促進に協力するよう求めたものです。

 みなべ町は日本屈指の梅どころで、その生産量は全国の約25%を占めます。しかし町の消費量は減少の一途を辿っていたのです。需要が伸び悩んでいたことにテコ入れしようと施行したというわけですね。

 ちなみに条例の内容は、「町は梅干しでおにぎりを奨励し、生産者や事業者と連携して梅干しなど梅製品の普及促進に必要な措置をとる」「町民は梅干しでおにぎりや梅製品の普及促進に協力し、自身の健康増進に努める」などが盛り込まれており、罰則規定はありません。

 町は条例制定を受け、イベントなどで「梅干しのおにぎり」を振る舞うなどして、特産品の梅をアピールしているわけですね。お次はちょっとポエムチックな条例をご紹介。熊本県人吉市の条例「子どもたちのポケットに夢がいっぱい、そんな笑顔を忘れない古都人吉応援団条例」です。

 一見ワケの分からない条例ですが、内容は「ふるさと納税」制度について定めたものとなっています。この条例がポエムチックなのは条例前文なので、抜粋してご紹介いたしましょう。

紲星あかり:
 うーん、YouTubeの失恋ソング動画のコメント欄にある乙女の恋詩には勝らないけど、これもなかなかの出来だね。そもそも人吉市は、なんでこんなポエムを条例の前文に入れたの?

結月ゆかり:
 全国の地方自治体は独自色を出す取り組みが流行っているようで、条例にポエムを入れることでオリジナリティを付加しようという狙いがあったものと思われます。


 地方自治体もいろいろな狙いを込めて、条例を作っているようです。とても強い地元愛を感じられました。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画を視聴してみてください。

▼動画はこちらから視聴できます▼

ちょっとヤバめの条例

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