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今注目のボカロP・柊マグネタイトが語る作曲秘話、ニコ動のコメントサーバーお引越し情報etc… 『週刊ニコニコインフォ 第30号』レポート

 今のニコニコを伝える、今後のニコニコについてみんなで考える番組『週刊ニコニコインフォ』。
 30回目の放送では、司会に百花繚乱氏、運営から栗田穣崇氏、ピックアップゲストには柊マグネタイト氏が登場。

 2020年のボカロシーンに旋風を巻き起こした今大注目のボカロP柊マグネタイト氏が語る作曲秘話、直近で盛り上がった動画、「動画コメントサーバー」のお引越しに伴う機能の見直しや新機能追加などについて取り上げました。

左から、司会の百花繚乱氏、リモートゲストの柊マグネタイト氏、ニコニコ代表の栗田穣崇氏

ニコニコで今話題の公式生放送&ユーザー投稿動画

 番組は、ニコニコで今盛り上がっているコンテンツを紹介する『あつまれ!ニコニコ盛り盛り』からスタートとなります。

 この1週間で話題になった公式生放送としてピックアップされたのは、2月6日に放送された「バスガイドさんと行く『オンラインさっぽろ雪まつり2021』バスツアー」。

【リモート観光】バスガイドさんと行く『オンラインさっぽろ雪まつり2021』バスツアー≪さっぽろ雪まつり×札幌観光バス×ニコニコ≫」を番組中に紹介

 この放送はオンライン開催となった「さっぽろ雪まつり」とのコラボで、自宅にいながら旅行気分を味わえる「リモート観光」となっています。
 コロナ禍でも独自のオンラインバスツアーを実施している 「札幌観光バス」のバスガイドさんと雪像を見てまわるだけでなく、札幌の観光地を巡る様子を伝えました。

 コーナーで紹介したコンテンツは以下の通りです。

・ファイナルファンタジーXIV 新情報発表会
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv330080507

・小室哲哉生出演「TETSUYA KOMURO MUSIC FESTIVAL TK SONG 40 ランキング発表」
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv329855322

 「TETSUYA KOMURO MUSIC FESTIVAL TK SONG 40 ランキング発表」は、木根尚登さん、DJ KOOさんなど豪華ゲストらが 「小室哲哉」について熱く語り合うニコ生特別番組。
 これまでもニコ生では、TKサウンド特集番組を行ってきましたが、この放送では小室哲哉さん本人が生出演! TK SONGベスト40をランキング発表し盛り上がったことを紹介しました。

 続いて、先週行った「ワクワクランキングWATCHING」にランクインしていた動画から、話題のものをピックアップして紹介しました。

・【プロの音楽家たちが】「炎」演奏してみた【ヴァイオリン・チェロ・コントラバス・フルート・ピアノ】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38122728

【プロの音楽家たちが】「炎」演奏してみた【ヴァイオリン・チェロ・コントラバス・フルート・ピアノ】」を番組中に紹介

 ここでは、動画投稿者・Minichestra(ミニケストラ)さんより寄せられたメッセージも紹介しました。

 ”ミニケストラは、メンバー全員が音楽大学を卒業し、現在プロとして活動する若手音楽家たちで構成された音楽チームです。
 これまでに約300曲以上のアニメソングをカバーし、日々原曲や作品の世界観を伝えられるよう意識して演奏しています。

 今回は「鬼滅の刃」の煉獄さんの“炎”と、紅葉の“赤”を重ね、このストーリーに込められた想いを表現しました。
 現在コロナで外出しにくい状況ですが、少しでもこの動画で、皆さんに京都の美しい風景、そして日本の文化や音楽を楽しんでいただけたら嬉しいです。
(そして、鬼滅アニメ2期も楽しみにしています!)

・【定規】世界初のバーチャルモノサシストになってみた【作って演奏してみた】【くろっく】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38009001

【定規】世界初のバーチャルモノサシストになってみた【作って演奏してみた】【くろっく】」を番組中に紹介

 動画制作者「くろっく」さんによると、実物より演奏が難しいそうです。この『”MONOSIMULATOR”(通称:バーチャルモノサシ)』はWEB上でも公開されています。

・souzoucity「愛語りな一手」feat.初音ミク
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38099908

souzoucity「愛語りな一手」feat.初音ミク」を番組中に紹介

 動画制作者・souzoucityさんからは、「自分の描く楽曲が音楽と音楽を繋ぐ橋になれば幸いです」との素敵なメッセージも。

・YOASOBI / アンコール 歌ってみた【RINO】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38142499

YOASOBI / アンコール 歌ってみた【RINO】」を番組中に紹介

 「RINOリノ」さんの高い歌唱力と独特な世界観が魅力的な作品。

・【声真似】ばいKINGまん
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37988180

【声真似】ばいKINGまん」を番組中に紹介

 「けいぴゃん」さんの圧倒的な声真似スキルと、ハードな楽曲「KING」という奇跡のにコラボに笑いが広がりました。

・【ブリ出汁茶漬け】「茜ちゃんが美味いと思うまで」RTA ??:??:?? WR
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38076217

【ブリ出汁茶漬け】「茜ちゃんが美味いと思うまで」RTA ??:??:?? WR」を番組中に紹介

 動画投稿者・シャルさんによると、動画のブリは4kgの超特大ブリだったそうで、「そのおかげでブリ料理動画を10本も投稿することができました」とのこと。

今大注目のボカロP・柊マグネタイト氏がゲスト出演!

 今週のゲストコーナーには、2020年のボカロシーンに旋風を巻き起こした今大注目のボカロP柊マグネタイト氏がリモートで登場しました。
 柊マグネタイト氏は初の顔出し出演となったそうです。

──ニコニコを知ったきっかけを教えてください。

柊マグネタイト氏(以下、柊):
 父親が新しいもの好きで、14年くらい前に「コメントが流れて面白いぞ!」って教えてくれました。

──自分の投稿した動画で思い入れの強い作品は?

柊:
 『終焉逃避行』です。この曲はボカコレ【※】第一回目に出したので思い入れがあります。
 当時はボカコレがどんなものかもわからない状況でしたが、とりあえず出してみました(笑)。

※ボカコレ
『The VOCALOID Collection(ボカコレ)』のこと。ボカロ文化をきっかけに生まれたインターネット等で活動するクリエイターやユーザー、企業などボカロに関わる全ての方が参加できる祭典。

栗田:
 あの時は「こんなルーキーおるか!?」ってかなり話題になりましたね。

終焉逃避行 / 初音ミク」を番組中に紹介

──自分が投稿したもの以外で印象に残っている動画は?

柊:
 『エイリアンエイリアンを平沢進っぽくアレンジ』が大好きです!
 平沢進さんにハマりはじめていて、ニコニコで盛り上がっている「平沢進」タグをよく見ているんですけど、ふささんが投稿しているこの動画が凄く平沢進さんの特徴を掴んでて感激しています!
 最初は「面白いな~!」という目線だったんですが、だんだん感激にかわっていきました。

【歌ってみた】エイリアンエイリアンを平沢進っぽくアレンジ【聖馬蹄形惑星の大詐欺師】」を番組中に紹介

──柊さんが「平沢進」タグをチェックされていることに驚きですが、歌ってみたは結構チェックされている感じですか?

柊:
 そうですね。チェックしています。

──柊さんの楽曲の歌ってみたもご覧になりますか?

柊:
 はい。もう全部見てます!

──はじめてご自身の曲で歌ってみた動画が投稿されているのを見た時はどんなお気持ちでしたか?

柊:
 歌っている方によって表情がかなり違うので、「これ、自分の曲なんだ~」と不思議な気持ちになりました。
 自分の曲が歌われているという実感もあまりなくて、そろそろ湧いてくるんじゃないかと思っています(笑)。

──ボーカロイドと出会ったきっかけは?

柊:
 最初に出会ったのは父親が読んでいた音楽雑誌ですね。当時は鏡音リン・レンが発売されるくらいの頃で、その雑誌で特集されていたのを目にしたのがきっかけです。

──そうなると、初めて触ったボーカロイドは鏡音リン・レンですか?

柊:
 買ったのは初音ミクだったので、最初に触れたのは初音ミクになります。

──ボカロの魅力ってどのようなものでしょう?

柊:
 無名の活動者でも「ボカロ曲」という枠の中に入れてもらえるので、色々な人に聞いてもらえるチャンスがあるところです。

──柊さんは元々音楽活動をされていたんですか?

柊:
 そうですね。最初は1人で音楽を作り始めたんですが、その後バンドで活動をしたりしていました。バンドをやる前、作曲をしていた時期の方が長いです。
 そこから学校の軽音部に入ってバンドを始めましたが、あんまり演奏したくなくて、作曲ばかりしていました(笑)。

──音楽や作曲の勉強は以前からされていたんですか?

柊:
 そうですね。音楽を聴き始めるようになったころから、分析も一緒にしていました。
 「音楽は最初から作るもの」という感覚でした。

──作曲環境は昔からあったんですか?

柊:
 ピアノを習わされそうになったことがありまして、でも練習曲って面白くないじゃないですか。「なんで人が作った曲を弾かなくちゃいけないんだろう」という感覚になってしまって……。
 そこからしばらくしてニンテンドー3DSに『KORGのM01D』という作曲できるゲームソフトが出まして、それを使ってタッチペンで作曲していました。

──DSのソフトでどのくらい作曲されたんですか?

柊:
 もう覚えてないですね! 一番多い時は1日で10曲くらい作っていたので。

──ずっと楽器を習ってらっしゃるのですか?

柊:
 いえ、実は楽器はできないんです(笑)。今も弾けないです。

──楽器が出来なくてもこれだけ素晴らし曲が作れるんですね!

柊:
 ずっとギターは弾けるようになりたいと思っているので、練習しようとは思っています。一応、そこに置いてあるんですけど(笑)。

一同:
 (笑)

──ボカロ曲を投稿しようと思ったきっかけは?

柊:
 きっかけはなくて、「とりあえず上げてみよう!」と思ったタイミングで投稿していました。

──ここで前回ゲストの「えんり」さんからの質問です! 「曲を作る時は、まず先に何が思いつくんでしょうか? メロディなのか、コードなのか、気になります!!」

柊:
 これは難しくて、メロディーとコードが同時に浮かぶこともあれば、歌詞とメロディーが浮かんでくることもあります。バラバラなんですよ。
 バラバラに思いついたものを打ち込んでは、「違うな」と思うものを削ったりしています。

──どんな時に曲を思いつくんですか?

柊:
 人と会っているときも思いついたりします。でもそんな時はなかなかメモも出来ません。
 メモしたものも後から見てみてもイマイチわからなかったり、思いついていたものを打ち込もうと机に向かったら、また新しい曲を思いついてしまったりと……。
 思いついたものを途中から作るより、最初から作ってしまった方が早かったりもするので。

──初投稿の曲『或世界消失』について教えてください。『或世界消失』がご自身のボカロ曲1作目ですか?

柊:
 何曲か作ってボカロを乗せてみていた時期があるので、厳密には1作目ではないです。

──となりますと、ボカロ曲は他にもあるということですか?

柊:
 ちゃんと完成しているのはそんなに多くは無いです。おそらく10曲くらいですかね。

栗田:
 アルバム出来ますね!

柊:
 そうですね。後々他の曲も入れてアルバムが作れたらいいですね。

──凄いペースで楽曲を作られていますが、歌詞やフレーズで悩むことはありますか?

柊:
 ないです。でも作業に飽きちゃったりすることはあるので、そんな時は散歩に行ったり気分転換します。

──『或世界消失』は11分超えの大作ですが、この長さを超える曲も生まれそうですか?

柊:
 可能性はあると思います。長い曲を作ろうと思ってもエンコード時間の問題もあるので、2時間くらいが限界なんじゃないかと思います。

 例えば24時間の曲を作ったらエンコードに3日くらいかかってしまうので(笑)。

──一曲あたりどのくらいの制作時間がかかっていますか?

柊:
 作曲だけであれば、その曲の時間だけです。5分の曲なら作曲に5分。3分の曲なら作曲に3分といった具合に。
 編曲や調整も含めてであれば、30分~4時間くらいかかります。

──ボーカロイドコレクションの時に、これから作る新しい曲のベースを少し聞かせていただきましたが、その後、制作のほうはいかがでしょうか?

柊:
 あのデモでお聞かせした曲ですね。あれはまだ手が付けられていないです。

──どんどんアイデアが生まれて他の曲をつくってるわけですもんね!

栗田:
 僕、柊さんの『旧約汎化街』が凄く好きなんです。そして、仏教ファンでもあるんですが、『旧約汎化街』には仏教のイメージが入っているんじゃないかと気になっているんですが、実際のところいかがでしょう。

柊:
 凄くイメージして作っています! 感じ取ってもらえて凄く嬉しいです!

栗田:
 歌詞の中に「愛別離苦」という四苦八苦(人生の避けられない8つの苦しみ)の一つが入っていたり、フレーズもちょっとお経っぽいメロディーラインなので凄く気に入って聞かせて頂いています。

柊:
 そこも凄く意識して作っているところなので嬉しいです。

──そういった音楽とは別の世界の勉強ってどうやってされているんですか? 本を読んだり?

柊:
 本を読むことは結構していますね。
 一時期、BOOKOFFの100円コーナーに行って、目をつぶって何冊かかごに入れてそのまま買ってました。やっぱり選んで買ってしまうと、興味があるものしか選ばないことになってしまうので。

栗田:
 それでなんですね。牽衣頓足(けんいとんそく・つらい別れを惜しむことの形容)とか普通に生きていたらわからないですからね。

──活動のモチベーションはどのようなものですか?

柊:
 単純なんですけど、新しいソフトや、新しいプラグインを買ったりすると制作のモチベーションは上がりますね。

──ご家族は音楽活動をご存じなんですか?

柊:
 はい。昔から工作したり、分解したり、変なものをいじって遊んだりしているので、音楽活動も「また変な事してるな」くらいで受け入れられています。

栗田:
 柊さんはすでに3曲のボカロ曲を投稿されていますが、1~3曲目と繋がりを感じます。これって今後も繋げていくご予定などあるのでしょうか?

柊:
 繋げていく予定はあります。これまで発表しているものも繋げています。

──今後挑戦してみたいことなどありますか?

柊:
 友達からK-POPやフューチャーコアというジャンルなど、今まで自分が知らなかったジャンルの曲を教えてもらう機会があったので、そこから「この音いいな」「このフレーズいいな」と思うこともありました。
 そこで得たものを今後の曲に活かしていきたい、自分の中で今まで挑戦していないジャンルに挑戦してみたい、新たなジャンルを作ってみたいという思いはあります。

──今後、コラボしたい相手はいますか?

柊:
 コラボは恐れ多いのでいませんが、憧れているのはナユタン星人さんです!
 活動については平沢進さんに憧れています。

──ニコニコに動画を投稿するうえで不便だなと感じるところはありますでしょうか?

柊:
 今のところは全然ないです。スムーズに投稿させて頂いています。

──ニコニコがどんな場所になれば、柊さんが「毎日行きたい」と思える場所になりそうですか。

柊:
 新しく音楽を作り始めた人や全然無名な方が活躍するきっかけになる場所であると嬉しいです。
 私も初投稿の時はもちろん無名で、たぶんニコニコじゃなかったら聞いてもらえなかったと思います。YouTubeだけに投稿していたら聞いてもらえなかったと思います。
 ニコニコにはこれからも新人や、活動は長いけど注目されていなかった人たちが見てもらえるきっかけになる場所であって欲しいなと思っています。

動画コメントサーバーのお引越し情報からFooさんの手紙まで!

 続いてのコーナーは、「niconicoの未来に向かって、ユーザーのみなさんとフィーチャリングして、共に歩んでいこう!」という「niconico future feature」です。

 今回は、予定されている動画コメントサーバーのお引越しがなぜ必要なのか、そのために行われる機能の見直し、機能整理について取り上げました。
 また、ニコニコ動画の削除動画で活躍する「ふえのおにいさん」、Fooさんこと株式会社ドワンゴ専務取締役CCO 横澤大輔氏より寄せられたメッセージも紹介しました。

【Fooさんよりのメッセージ】

もうあれから14年も経つんですね。
みなさんがワクワクして動画のリンクを押したとき、動画が削除されてしまって、残念な気持ちになったり、ちょっとイライラしたり。
そんな気持ちに癒しを与えられないかと、ふと笛を吹いてみました。

あれは「ド」が出せなかったんじゃないんです。
「ド」が、出なかったんです。

しかし、これだけ笛を吹いてきてしまうと、「ド」が出るようになり、上手くなったとすら言われるようになりました。
上手くなってしまうと、ただの普通の笛吹きです。

自分が普通だと思ったら、勇気を出して変化しなければ未来はないと思うんです。

これからはまたみなさんに、Fooさんから新たなワクワクと癒しを作れるように頑張ります。
これからもニコニコ動画をよろしくお願いします。

ふえのおにいさんFooさんより

 また、コーナーの最後には、動画コメントサーバーのお引越しに伴う、機能の改善や新機能の提供、そして改修スケジュールについて紹介しました。

(了)

番組インフォ

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 次回の週ニコは「月刊生主ハンター」を予定! 『週刊ニコニコインフォ 第31号』の番組の予約はコチラから。

 番組ではユーザーのみなさんからも「取り上げて欲しいこと」を募集しています。
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