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絶対に入ってはイケナイ“禁足地”を巡ってみないか? 街中にひっそりとたたずむオカルト的“立ち入り禁止の場所”を研究家が語る【事故物件ラボ】

こんな都心に⁉ マンションとビルの間にある豊島塚

吉田悠軌:
 いま「古墳っていうことですよね」っていうコメントもありましたけれど、我々は禁足地ってあまりなじみがなくて、禁足地って身近にはないでしょと思うんですけど、実は結構あるんです。それが古墳なんです。

松原タニシ:
 確かに入られない古墳もあるか。

吉田悠軌:
 古墳って基本禁足地なんですよ。でも明治以降、かつ戦後の住宅地開発が盛んになって以降、結構壊したりして。

松原タニシ:
 僕の地元は古墳を掘り起こした上に立っている地域なので。

吉田悠軌:
 関西は多いですね。大阪のほうも兵庫のほうも古墳は多いんですけど、本当は禁足地なのに掘り返しちゃったり、掘り返して調査どころか宅地開発で全部まっさらにしちゃってというパターンがあります。

松原タニシ:
 僕の地元も謎のバミューダ地帯があります。絶対に鳥が落ちる場所。それも不思議なんですよ。古墳があったところに毎回鳥が落ちているんです。

吉田悠軌:
 明治とかに世田谷とかで古墳を荒らして死んだっていう話があります。

松原タニシ:
 死んだ? 古墳を荒らしたせいでですか?

吉田悠軌:
 そう。昔話というよりは、明治に入ってちょっと経っているので多少実話怪談ぽい話なんですけれども、本当は入っちゃいけない禁足地だったのに、副葬品を荒らすような若者がいて。穴から赤い血がツーっと流れていたらしいですよ。

 掘ったふたりの若者のうち、ひとりはすぐ死んじゃった。もうひとりの若者が気が狂ったみたいな感じになっちゃって、うろうろして毎日どこかに行くらしいんですよ。

 家族が心配して世話役みたいな村の長老みたいな人に「ちょっとどうにかしてもらえませんか」「調べてもらえませんか」って言って長老も心配して、こっそりついてたと。そうしたら古墳のところに行ってすごい必死に謝っているんです。

 古墳といっても裏山みたいなもんですよ。雑木林の裏山みたいなところに入って行って、その若者が謝っていて何だろう? と思ってうしろから覗いてみたら、穴が開いていて血がドバドバと……。

松原タニシ:
 その血は何なんやろう……。

吉田悠軌:
 これは大変だということで、いま話をしたことを若者から告白されて必死に謝っていたら血がピタっと止まったらしいんですよ。

 許してもらえたと思って、長老が「ちゃんと片付けておくから。お前はもう体がボロボロだから、ちゃんと家に帰って休みなさい」と若者を帰して長老も謝って片付けたりして村に帰っていったそうなんです。すると、長老が村に帰っている途中で、その若者のお母さんが向こうから走ってくるんですよ。

 長老が片付けは一段落ついた、とお母さんに報告しようとしたら、「うちのせがれが家に帰って血を吐いて死にました」と。 というのが世田谷区の昔話みたいなものに書いてあるんです。野毛大塚古墳かな。若者の名前も出ているんです。

 どこまでの細部が本当かわからないですけれども。

松原タニシ:
 でも名前も残ってる?

吉田悠軌:
 そこの宝物品とかが東京の国立博物館のどこかにちゃんと収納されているのもわかっています。

松原タニシ:
 すごい話やな。文献というか、お話が残っているのがすごいですね。しかもここ100年の話ですもんね。

吉田悠軌:
 そうですね。そんなに昔ではない話で、子供向けの世田谷区の昔話ですが結構エグい。結構あの辺は高級住宅街になっているところとかも古墳を壊して作っているので怪談はあります。

松原タニシ:
 “古墳壊し怪談”ですね。

吉田悠軌:
 今の人たち、平成、令和に住んでいる人たちは何十年住んでいる金持ちだろうと、古墳を壊しているのは実は知らなかったりします。実は関東大震災のあとに結構壊したりしているんです。関西も結構多いですよ。

松原タニシ:
 僕は神戸なんですがニュータウン開発で、神戸はほぼ壊しています。僕の地元は本当に舞子、垂水、塩屋、須磨っていう古墳地帯をニュータウンにしているので。

吉田悠軌:
 その流れで言うと、塚というパターンもあります。

松原タニシ:
 そうか。塚と古墳はまた違うんですね。

吉田悠軌:
 塚は不慮の事故とか病死とか、あとは戦死者を祀ったりするものですね。古墳は金持ちであったり豪族であったり、偉い人が自分の権力を示すためにでかい墓を作るというのが違っていて、塚は有志の人たちが作るみたいなものです。

松原タニシ:
 “保存委員会”みたいな。

吉田悠軌:
 東京にそういう代表的な触っちゃいけない塚というのがあって、それが豊島塚。

松原タニシ:
 としまえんの豊島ですか?

吉田悠軌:
 そうです。豊島氏という一族があの辺を治めていたんですよ。家康より全然前の話ですね。太田道灌という江戸城を作った人と豊島氏が戦ったのが江古田・沼袋原の戦い。

松原タニシ:
 家康より前の東京の話で、それこそ太田道灌の時代の話なんか、なかなか知らないですしね。

吉田悠軌:
 中野のほうだったり沼袋のほうだったり江古田のほうだったりというのは、激しい戦いがあって、結構死んでいるんです。

松原タニシ:
 当時は中心地じゃないから、地方の戦いっていう感じですよね。

吉田悠軌:
 そうです。豊島塚というのが結構な人数が埋められているんですよ。だけど壊されているところもあれば、ちゃんと保存されているところもあるんですけれど、明治以降で戦後に多く破壊されちゃったんで、祟りがあったっていうのは逸話として残っているんですね。

 やはり地元の冊子みたいなものに書いてあって、これはもしかして見たことある人がいるかもしれないですけれど、「こんなところに禁足地」みたいなところにあって、お地蔵様の画像いいですか。

 変わったところにあるんですよ。マンションとビルの間にお地蔵さんがあって、ガッツリ駐輪場がある。

松原タニシ:
 これが豊島塚ですか。

吉田悠軌:
 豊島塚です。豊島塚っていうのはジャンルの名前なので……。

松原タニシ:
 豊島氏の塚があると。

吉田悠軌:
 はい。これは沼袋の駅から北のほうにメインロードを歩いて行くと左手にあるので、 わりかし見ている人は多いと思います。普通に東京都民だったら用があって通る道沿いです。

松原タニシ:
 だからまあお地蔵さんかな~くらいに思っている人がいると。

吉田悠軌:
 これはマンション建てる時から宅地開発して、豊島塚を掘り返したら ものすごい数の人骨が出てきて祟りが結構あった。

 地域資料なので実話怪談本みたいにすごい詳しく書いてあるわけじゃないんですけれど、祟りがあって人が死んだりしたんで、みんな恐れて地蔵を建立した。だからマンションの敷地の駐輪場にあるんですよ。

松原タニシ:
 おもしろいな。そう考えたら東京は人口が多いですから、人が住んでいるところがいっぱいあって、いろいろ掘り返したり建てたりしてるわけやから、いろいろあってもおかしくないですよね。

吉田悠軌:
 この駐輪場があるマンションの斜め真向かいの公園にも、豊島塚の総本山みたいなものが 公園の本当に端っこにひっそり建っているので、豊島塚好きとしてはマストです。

松原タニシ:
 興味湧いたな。おもしろいな。

大島てる:
 石神井公園に身投げしたんですよね。

松原タニシ:
 詳しいですね。

吉田悠軌:
 あそこもお姫様が身投げしてお姫様の霊が出るって心霊スポットになっていますが、史実ではないらしいですけれどね。お殿様がそこで敗れたのは歴史的事実なんですけど、お姫様が身投げしたのは確か明治か大正に入って作られたフィクションから生まれた伝説らしいですね。

 禁足地というのが、わりと事故物件ともなんとなくジャンルとして似通っているところがあって、法律で入っちゃだめというわけじゃないんだけれど、どういう根拠で入っちゃだめなのっていうのも宗教的なものでしかないですね。

 でもとにかく入っちゃだめとなっているから入らないというふうになっていて。禁足地として日本で厳しいのは沖縄のフボー御嶽(うたき)。

松原タニシ:
 それは聞いたことないな。

吉田悠軌:
 沖縄って入っちゃいけないところが結構多いですね。

松原タニシ:
 基本は神聖な場所で、ユタの修行の場でもあったということですか?

吉田悠軌:
 一番大きい斎場御嶽(せーふぁうたき)は世界遺産になりました。

松原タニシ:
 わりと観光地ですよね。

吉田悠軌:
 そうなんです。誰でも入られるようになって。本当は男子禁制だったりしたのが、世界遺産きっかけかその前かは定かではないですけれども、それあたりから入られるようになりました。

大島てる:
 私は沖縄で入っちゃいけないところというと、米軍基地ですよね。

松原タニシ:
 まあ、それも禁足地っちゃ禁足地ですが……。


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