2000万円なくても大丈夫!? 老後のサバイバル術をお金のプロに聞いてみた。副業・節約・投資…結局どれが一番いいの?【話者:山田真哉・風呂内亜矢】
年金が減る可能性とその対策は?
──今回の報告書もそうなんですけど、マクロ経済スライドが適用されて、今後給与水準は調整される可能性があることが記載されています。
結局は年金をどんどん減らしていく可能性もあるし、これまで「年金100年安心です」と言われていて、いわゆる現役世代の収入の50%を保証する制度だったと思うんですけど、それが50%を切ったりしてくるのではないかという不安を持ってる人も中にはいるのかなと思うんですけれども、そこはどう対策していけばいいでしょうか?
山田:
一番いいのはGPIF、年金を運用しているところがもっと海外に投資していって、頑張って運用しろよっていうのがあるんだけども、でもやっぱり国がやってるからには、そんなリスクあるとこに投資ができませんと。国会も賛成しませんと。だから国の年金資産は動かせないから、個人で海外に投資してよっていう話だと僕は理解してるんですよ。
それは当然どんなものにもリスクはありますけれども、国を頼んなっていう話になっちゃうっていうことですよね。あとどこかで止まりますからね、この話っていうのは。要は若者が減ってるっていわれるけど、減り止まっては当然いるので。これがいつかっていうとこでしょうね。ただこの国が作った『ヨハネの黙示録』をゆっくり読むと、とにかく日本はだめだって話らしいんで。
一同:
(笑)
山田:
だからまだ若い人は海外に移住したほうがいいんじゃない? 何だかんだ英語力はあったほうがいいしねっていうぐらいまで考えたほうがいいんですよ。文句を言うぐらいなら海外に住む努力のほうがいいんじゃないの? って。もう極論ですけどね。
ただ海外も年金制度が安心かっていうと、そうでもないからねっていうことなんで。年金制度がしっかりしてる国って、実はそんなないっていうね。
──そうですよね。日本は結構制度としてはちゃんとしてるほうではあるってことですよね。
風呂内:
そうですね。積立金とかも多いほうなので、一応100年は現行の思ってる水準で払えるでしょうと見立てが立つのも、積立金が結構あるからっていうところはありますよね。できる限りは自分で何とか頑張るけれども、最後どうしても無理になったら、本当に社会保障の名のもとに年金をいただくと。
それをできるだけ遅らせることができたら、今の制度のままであれば、増額。例えばひと月遅らせると0.7%増えると、5年遅らせると42%受給年金が増額しますから、できるだけもらう期間を後ろに延ばして自分で賄って、最後に増えた年金をいただくというような流れが多くの人が取りやすい。移住はもしかしたら難しい人もいるかもしれないので。
山田:
(コメントを見て)「今まではよかった」って書いてる方がいらした。まさにそのとおりで、歴史がずっと右肩上がりの国なんてあるわけなくて、当然株価もそうですけど、国も国力が上がったり下がったりするわけで。日本は恐らく下がるだろうっていう話を正直に突きつけたのが今回の話っていうことですよ。
だから歴史的に見ると、日本っていうのはこれから下降曲線ですよっていうところは、まず理解して納得したうえで、個人で防衛はどこまでできる? って話だと思うんですよ。ずっと好調なんてそれは無理だよ。
風呂内:
そうですね。もうしっかり成長しましたと。今後どう維持していくというか、閉じていく。閉じていくのか、維持していくのかっていうフェーズに入ってるっていうことですね。
山田:
そうですね。ただ個々の頑張りが結局は国力なので。そこでみんながもうあきらめて国に頼って、「じゃあ生活保護ね」っていうふうにいくのか、それとも個々がいろいろ頑張るのかっていうのは、これからの僕ら自身の話ですし。ぶっちゃけベーシックインカムっていうのも本当に考えてもいいかなっていうのも僕も思ってますし。
「生活保護でよくない?」とかになっちゃうんですけど、うちの妹が市役所で働いてて、生活保護課で働いてたんですよ。
やっぱりいっぱいいるって話で。それもすごい頑張ったんだけど病気でっていう人もいれば、何で? っていう人もいれば、いろいろいるわけで。やっぱりそういう現場を見てると、そこでうぬうぬ言うぐらいなら、もう全員ベーシックインカムでよくね? っていうのは、現場を聞いてると思っちゃったりするんですよね。
──今回の報告書の2000万円が足りなくなろうであろうっていうモデルケースが、奥様はもう完全に専業主婦で働いていなかったっていう想定だったと思うんですけれども、今の結構世代の方って、共働きもかなり多いと思うんですね。
そうなった場合は、今後もらえる年金も要は2倍というか、2倍まではいかないまでも、お互いもらえるわけですよね。 そうなってくると、少しは楽になってくる可能性もあるっていうことですよね。
山田:
そうですね。そもそもモデルケースがひとつ? というのがツッコミとしてあって、ちゃんと「最近多様化してまっせ」ってこの報告書にも書いてあるんです。
──(笑)
山田:
だけどそこはマスコミが伝えないわけですよ。いろいろあるから、国も「これ」って言えないから、「自分らで考えて」っていうのが今の状況だと思うんですよね。
風呂内:
自分がもらえる年金の計算の仕方がいまひとつわからない人が多いようで、ねんきん定期便っていうのは自分の誕生月に届いてると思うんですけど、そのねんきん定期便をインターネットで見られるような、ねんきんネットというシステムがあります。
それを使うと今まで自分が積んできた実績でもらえる年金、そのままの生活を続けた場合にもらえる年金額、今は会社員だけど自営業になったらいくらもらえるか、みたいなシミュレーションもできるようになってるので、ぜひねんきんネットもアクセスしてみていただきたいですね。
山田:
まあ、結構絶望しますけどね。
一同:
(笑)
──最後にまたもう一回アンケートをとります。今回のふたりの話を聞いて、老後資金への不安、老後生活への不安が少しは和らいだかなと。これを聞いて安心してほしいなというふうに思いますが、皆さんはどう思ったのかと。
山田:
全くなくなった6%。これはこれですごいですね。2、少しはなくなった24%、まだ不安はなくならない62%、わからない8%。
僕、人生って不安がなくなったら終わりだと思うんですよ。人生って常に不安の中にちょっとした喜びがうれしいのが人生じゃないですか。大富豪になっても不安は不安だろうし。心配性の人はどっちにしろ、どこまでいっても不安はなくならないんで。
あんまりマスコミの報道を鵜呑みにして、本当に2000万ないとだめなのかっていうと、実はそうでもないし、そもそも支出を減らしたらいいっていう話にもなるし。特に今見てる方が30代、40代が多かったんですけど、時間が一番財産ですからね。時間があれば、副業もできるし、起業もできるし。だってYouTuberなんてたかだか5年とかの歴史の話ですし。
投資なんて30年あればめっちゃ増えますから。不安すぎる必要もないし楽観する必要もない。まあ、普通でいけって話ですね。
風呂内:
今日ライフプランニングシートをご紹介したんですけど、ああいう先の計算をするっていうことは、「お化け屋敷に電気をつけるようなものだ」と言った人がいるんですね。いい例えだなと思ったんですけど、お化け屋敷って、電気がないところでひゅっとコンニャクとかが来て顔にぺちゃっと当たるから、「何、今の!? 気持ち悪い!」ってなるわけですよね。
でも電気がついてて向こうからコンニャクが来てるって思ったら、顔に当たるのが嫌なことには変わりないんですけど心構えができるわけですね。
▼記事化の箇所は40:10から視聴できます▼
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