「何食べたい?」→「何でもいいよ」と答える“カタログ男”の心境とは? 恋バナ収集ユニットが「ワガママの真意」を語る
先日、南海キャンディーズ・山里亮太さんが女優の蒼井優さんを見事に射止めたという、ビッグカップルのスピード婚が報じられ、“二人の間に一体どんな恋愛模様があったのだろう”と大きな注目を集めました。
もちろん恋愛に一元的な答えや正解があるわけではないのですが、本記事ではこの「恋愛」という永遠のテーマに挑み続ける、清田代表、森田専務、ワッコ係長の三名からなる恋バナ収集ユニット「桃山商事」が出演する、『桃山商事の恋愛よももやまばなし』というニコニコチャンネルにて語られたテーマ「外食の際の“何でもいいよ”ホントは何でもよくない?」より、恋人がふいに見せる「ワガママの真意」に、多角的な見解で迫っていきます。
※本記事はニコニコ生放送での出演者の発言を書き起こしたものであり、公開にあたり最低限の編集をしています。
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「何でもいいよ」は「言語化できていないだけ」
この回のテーマは「恋愛とワガママ」。社会学者・富永京子さんの著書『みんなの「わがまま」入門』(左右社)から着想を得たというこのテーマ、きっかけは、彼氏からいつも「何でもいいよ」と言われている女性視聴者のお悩み相談。
2人で外出する時、「何が食べたいか」という話になると、彼氏からは「何でもいいよ」とよく言われます。彼から「このお店がいい」とか「これが食べたい」とか言われることは殆ど無いです。
私が「○○がいいとか、●●がいい」と言うと、「実は俺も同じ」と合わせて来ます。
もしそう思っていたなら最初から言ってくれればいいのにとも思いますし、私の好みに一方的に合わせてくれているなら、無理しなくてもいいのになとも思ってしまいます。
森田専務:
これは、「どこでもいいよ」が一番ワガママじゃないか問題とでも言うべき問題だね。すごくよくあることな気がする。
ワッコ係長:
「いつも提案待ち」な人っていますよね。
森田専務:
提案する側は色々案を出さなきゃいけないし、「これじゃない」って言われる可能性もあるわけじゃない? だから実際は提案する方がずっと大変なんだよね。「どこでもいいよ」はそういうコストを全部提案する側に押し付けていることになる。でも、「どこでもいいよ」の方が、なんとなくワガママじゃないイメージが一般的にはある。
清田代表:
「どこでもいいよ」とか「合わせるよ」というのは、本人の「意思」がないから、ワガママとは反対に見えるのかもしれないよね。そうやって考えると、相談文にある「実は俺も同じ」って言葉は、めっちゃ都合がいいよね。
ワッコ係長:
「あったんかい!」ってなりますよね(笑)。
一同:
(笑)
清田代表:
絶対なんも考えてなかったでしょっていう。こういうふうに、提案があって「あ、それそれ!」っていう男を、俺は『カタログ男』と名付けたい。
何か決めなきゃいけない時に、相手から「この中のどれかから選んでください」と言われるのを待って、その選択肢の中から「あ~、これこれこれ!」みたいな感じで選ぶっていう。あらかじめ自分の気持ちや要望を言葉にする努力をしない人って、結構多いんじゃないかなと思っていて。
ワッコ係長:
選ぶだけでいいから楽だし、そこそこ希望通りにもなるしコスパいいところがむかつきますね。
「何でもいいよ」には歴然とした力の差が
森田専務:
俺、妻に“姫”って言われることがあるんですよ。
一同:
姫!?
森田専務:
さっきは他人事みたいに語ってしまいましたが、妻とご飯を食べるお店を決める時に、俺は結構「どこでもいいよ」と言ってしまうんだよね。彼女は美食家で、美味しいお店をたくさん知っているから、そのデータベースの中から候補を出してくれるのを待っているようなところが俺にはある。
ワッコ係長:
その感じが姫っぽいっていうことですか。
森田専務:
そうそう。俺は「どこでもいいよ」って言ってるんだけど、本当は「どこでもいい」わけではなくて、「美味しいものをそこそこの値段で食べたい」と思っている。あと、そもそも肉はあんまり食べられないとか面倒なこともあるから、妻はそれも考慮してお店の候補を出してくれるんだよね。そうやって出してもらった候補に対して「ん~ちょっと……」ってなることもあるし。
清田代表:
確かに姫だね(笑)
森田専務:
ちょっと言い訳をさせてもらうと、俺から提案しようとしていた時期もあったんだよ。でも、俺の提案するお店は彼女の基準を満たしていなかったりするわけ。やっぱり、美食度のレベルが全然違うからさ。だから「いや、ちょっと……」みたいに言われることが何度か続いて、ある時から「どこでもいいよ」スタイルになった。
ワッコ係長:
くじけた(笑)。
森田専務:
そうそう(笑)。提案しても通らないし。だから、「なんでもいいよ」というワガママを俺が言えるのは、そこに圧倒的な力の差があるからなんじゃないかなとも思う。
ワッコ係長:
確かに、明らかに詳しい人がいるのに、こっちが提案するのもちょっと恥ずかしいみたいな感じ。「そこは行ったことあるし、しかもイマイチなんだよな……」とか思われるのもつらいし。
「何でもいいよ」には見えない注釈が? 注釈がない場合は?
清田代表:
さっき専務が言っていたように、「何でもいいよ」って言ってるけど、実は見えない※印が付いているっていうのはありがちだよね。「※ただし予算はこれくらいで、だいたいこちらの好みも踏まえてくれて、場所もそんな遠くなくて」みたいな但し書きが、「何でもいいよ」の下によく見ると書いてあるという。
ワッコ係長:
それって、相手の好みがある程度わかってる場合じゃないですか。Pairs【※】とかで会った人だと、好みが全然わからないから難しいんですよ。
※Pairs
ペアーズ。恋愛・婚活マッチングアプリ。
最初の約束で、ごはん食べるところを予約するターンになるじゃないですか。
自分はある程度のお店に行きたくても、相手は美味しいものを食べたいとか思ってないかもしれないし、例えばパクチーが食べられるかどうかとかもわからないじゃないですか。
清田代表:
相当難しいよね。そんなに細かいやり取りもできないだろうしね。「パクチー食べられますか?」「禁煙の店じゃなくてもいいですか?」みたいな細部は、あまり詰められないよね。結果的に、「ここだったら誰でも大丈夫だろう」っていう、ユニバーサルデザインみたいなお店になってしまいそう(笑)。
恋人にみせるワガママという心地よさ
森田専務:
食事では俺がワガママになる一方で、妻がワガママになることもあるんだよね。具体的には山登りに行く時なんだけど、もう、100%ワガママみたいな人になる。
清田代表:
森田妻とは俺も友達だけど、しっかりした人で、ワガママは全然言わなそうなイメージがある。
森田専務:
普段はそうなんだけどね……。例えば、山頂を目指して登っている時に、当初思ってたよりもキツイ登りが続いて妻が明らかにキツそうにしていたら、「この先もキツそうだから、 山頂はやめて別のルートにしない?」みたいなことを提案するんだけど、妻は大抵そこで「絶対行く!」って言うんだよね。でも、そう豪語した5分後くらいに、ブーブー不満を言い出すわけ(笑)。
ワッコ係長:
「疲れた~」とか、「もうやだ~」みたいな?
森田専務:
そうそう。「こんなにキツいなんて聞いてない」みたいなことを言い出すわけ。こちらからしたら、さっき言ったんだけど……っていう。で、俺が後ろから妻を押したり、手を引っ張ったりとか、「あと少しで山頂だよ」みたいなことを言いながら登っていく。結構、ケア感が強い。
清田代表:
そんなにつらいなら、無理して山に行かなくてもいいじゃないかって思わなくもないけど……。
森田専務:
いや、妻はその「ケアされてる感じ」も含めて山が楽しいらしいんだよね。普段言えないワガママを安心して言えるのがいいみたい。
ワッコ係長:
山に行くと無敵になれるみたいな(笑)。
森田専務:
山の経験も体力も俺の方があるから、妻からしたら、「なんとかして」って言うだけで、なんでもしてくれる感覚があるみたい。そんなの普段の生活では絶対にないから、気持ちいいようです。
ワッコ係長:
お店選びの時は専務が姫で、山ではおくさんが姫なんですね。
森田専務:
そうそう。
清田代表:
確かに、ワガママも開放した瞬間、気持ちいいかもしれないですね。ここの関係では言って良し。今この状況ならなんでも良しみたいな。そういう状態になった時、快感がある気がする。
森田専務:
確かに、お店選びの時にで妻から「姫」扱いされてる時、ちょっとした気持ち良さはあるんだよね。
恋人のワガママをどう捉えるべきか? 放送中には「わかる!」「「何でもいい」とかは相手に労力を割かせてるよね」といった共感の声や「どこまで付き合ってくれるか、試してるのでは?」といったコメントが寄せられました。
そんな「桃山商事」の次回放送は6月30日(日)20時から開始されます。ぜひ、視聴してみてください。
「桃山商事」清田代表の単行本
『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』7月11日発売予定
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