電気グルーヴ・ピエール瀧氏の逮捕、狙いは“サブカル界の大物”の逮捕…? 「薬物のどこを問題とするのか」を一連の騒動から考える【久田将義×吉田豪×高野政所】
合法的にキメられる“ストロングゼロミュージック”が爆誕⁉
高野:
みんなキマりたいんですよね。
吉田:
合法でキメるかどうかですよ。
高野:
久田さんはキマりたい時はどうしていますか。
久田:
酒ですね。
吉田:
酒と盗聴と?
久田:
盗聴はやっていない(笑)。
吉田:
趣味が盗聴なんですよね。
久田:
してません(笑)。
高野:
あ、サウナがいいです。サウナは超キマります。めちゃくちゃ暑いサウナに10分とか耐えて水風呂に入って、その後外気浴をすると意識が飛びそうになるんですよ。うわ~キマってるわ~っていう。大麻を吸った俺が言うから間違いないけど、サウナはキマります。
吉田:
いろいろな人たちが「サウナ最高!」って言っているのは、要はそういうことですよ。
高野:
日本人のキマりたい欲が今サウナという形で表層化していると思います。
久田:
合法ですからね。
高野:
(コメントを見て)「サウナとカレー好きは多いよ」って書いてある(笑)。快楽状態を得たいんですよね。
吉田:
捕まらないやり方をしましょうっていうことですよね。
久田:
ストロングゼロはおすすめしないですね。
高野:
ストロングゼロはマジで危ないですよね。コンビニの平均度数が上がっているじゃないですか。
吉田:
日本がロシアになっている感があるじゃないですか。政治とかの不満も、とりあえずキツい酒を飲ませておけば「まあいいか」みたいになるような(笑)。
高野:
12%とかですもんね。9%ですげえって言っていたのに、12%が出てきて。ヒップホップやレゲエがマリファナ、テクノがコカインとかあるじゃないですか。日本は何かのジャンルにストロングゼロをくっつけたらいいのに(笑)。
吉田:
安い酒に酔ってね(笑)。
高野:
“ストロングゼロミュージック”というのが出るんじゃないかなと。
吉田:
合法の。
高野:
でも死ぬやつが多くて危ないっていう(笑)。
久田:
裏社会の話になった時に、「裏社会に流れる」みたいなことを言うコメンテーターがいるじゃないですか。それは僕も一応取材しているんですけれども、えぇ? って思うんです。
高野:
実際そんなことないですよね。
久田:
大麻はね……。
高野:
儲かっていないらしいですね。
久田:
覚醒剤は変動するけど、今はグラム1〜3万あたりですかね。えぇ~? とかって思いますよ。コカインとかはわからないですけれど。たまにそういうコメンテーターとかがいると僕はモヤモヤします。
高野:
この逮捕って日本の薬物問題を考えるにはいいきっかけになったなと思いましたね。気づかないというか、ああそうかもって思うことがいっぱいあったので。
吉田:
最近90年代鬼畜文化を振り返るような企画が多くなって、90年代の出版界で薬物が蔓延していたのと無縁じゃないと思いますよ。薬物によってある程度、常識は関係ないみたいな文化がベースにあったから、不謹慎なことも「全然問題ないでしょう」みたいな感じになっていた。
久田:
青山正明【※】さんという方を僕は尊敬しているんですけれど、逮捕後、原稿発注の際打ち合わせしたんですが、ドラッグ関係の内容への発注は警戒し過ぎな程で顔色変わるんですよね。そうとう当局が怖かったのかな、と。
※青山正明
編集者・ライター。鬼畜系ムック「危ない1号」初代編集長。
高野:
怯えちゃうというのは?
久田:
「こういう薬物の原稿を書けない」と。
吉田:
アウトローな人でもないですからね。インテリな人なので。
久田:
腹くくってやってたんじゃないの、と思っていただけにちょっとガッカリした。取材してきたヤクザや準暴力団とは違うな、と。
吉田:
それで言うと、“K子”の本を読んでいたら「私はずっとドラッグをやっているんだけれども、青山正明っていうすごいインテリな人がドラッグはいいと言っていたんだから、インテリの人がいいって言うんだからいいんですよ」みたいなことが書いてあって、怖い! って(笑)。
高野:
インテリは発言に責任がかなり生じてくるということですね(笑)。
久田:
僕は椎名誠さんにタイマンを挑んだ青山さんが好きだったんですけれどね。
▼記事化の箇所は31:15から視聴できます▼
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