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“微笑みの国”タイの裏側に密着。ガイドブックには載らないディープすぎる一面を丸山ゴンザレス&村田らむが解説

 「タイ」といえば、“微笑みの国”という愛称でも知られ、比較的穏やかな印象のある国だが……そのディープな一面を、読者の皆様はご存知だろうか?

 今回紹介したいのは、そんなタイの“対外的なイメージの裏側”に存在する「やべえ話」たちだ。

村田らむ氏(左)、丸山ゴンザレス氏(右)

 案内人をつとめていただくのは、『禁断の現場に行ってきた!!』『ホームレス大博覧会』などの著者としても知られる“タブーなこと語り”のトップランナー・村田らむ氏@rumrumrumrum)と、人気TV番組TBS系「クレイジージャーニー」への出演でも知られるジャーナリスト・丸山ゴンザレス氏@marugon)だ。

 両氏がメインパーソナリティを務めるニコニコ公式生放送「村田らむ×丸山ゴンザレスの『やべえ話』」では、お二人の取材エピソードの中でも特に濃厚な、“地上波では決して放送できない”ようなものを中心に放送をしているのだが、今回はその記念すべき初回放送より、丸山氏によるタイ取材のエピソードをお届けしたい。

 “微笑みの国”の裏側に存在した「霊的なパワー(?)をもつ刺青の彫り師」「“男性向け”歓楽街で目撃した“ギンギン”のモノ」「人生を狂わせるドラッグ話」など……予想だにしなかったタイのリアルに触れることができるはずだ。


彫師の霊的パワー。神がかり現場に潜入

丸山:
 みなさんは刺青についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。らむさんは刺青自体はどうですか。

丸山ゴンザレス氏

村田:
 刺青かぁ……。僕は下町育ちで周りの人はみんな刺青をしていたので、とくに悪い印象もないですけれど。

村田らむ氏

丸山:
 タイでも実はそんな感じなんですよ。今回の映画『暁に祈れ』でも、刺青がバリバリに出てくるわけ。タイでは「サクヤン」と呼ばれる「護符刺青」という種類のものなんですが。 この作品の中でも主人公のビリーが大事な戦いの前に入れるんですね。

 若干のネタバレになってしまうかもしれませんが……映画の中で初めてその刺青を見た人は意味がわからないと思うんですね。タイに行けば割とよく目にする柄なんですが。ちょっとビリーの写真を出してもらってもいいですか?

 彼は背中に虎をワンポイントで入れているんですが、これによって、自分の中に虎の霊的なパワーを降ろし、己を高めて相手に挑むという意図があるんですね。あくまで“自分自身に向けて”です。なので、“誰かに打ち勝つとか”などとはニュアンスが違います。

 ビリーはワンポイントになっているからカッコよく見えますけれど、結構凝ってくると全然違う感じになります。次の写真をどうぞ。

村田:
 これは……?

丸山:
 いや、全身にいろいろな柄が入っているんですよ。

村田:
 落書きっぽい感じなんですね。

丸山:
 これが「護符刺青」(サクヤン)です。何十種類と入れていますね。これって実はタイでは廃れかかっていた、流行遅れの古臭いものとして消えかかっていた文化だったんです。けれど、2000年代初頭にアンジェリーナ・ジョリーがこのサイクンを入れたんですよ。

アンジェリーナ・ジョリーの刺青
(画像はGoogleで「アンジェリーナジョリー 刺青」と画像検索したもの)

村田:
 ああ、刺青入れていますね。

丸山:
 ハリウッドのトップ女優が入れたということで、“時代遅れ”から一転、カッコイイものに変わっちゃってたんですよ。それで復権して、現在もその人気が残っているという。

 “彫る”ときもちょっと特殊で、彫師は、彫りながら霊的なパワーを与えるとされています。

村田:
 呪術師的な役割も兼ねてるんですかね。

丸山:
 そうですね。シャーマン的な意味合いもあるんですけれど、仏教の国なので、彫師の人はお寺で修行をするんです。だからお寺までいけば、タダで彫ってくれるんですよ……ただし針は替えてくれないです。

村田:
 それはダメでしょ(笑)。

丸山:
 あと、修行中の人が入れるので下書き通りにはいきません。それでもタダで入れたい人はそこに行くんですね。普通に入れる場合は、俺が話を聞いた限りでは、ワンポイント(1図柄)で18000円ぐらいみたいです。

村田:
 まあまあですね。

丸山:
 そこそこ取りますよね。だからそれが嫌だなっていう人は、お寺に行ってタダでやってもらう(笑)。この取材をしていて面白いなと思ったのは、その修行している人たちの中で「俺、この霊的パワーを使えば金儲けられるじゃん」と思いたった人たちが辞めて独立して、個人で開業しているというところですね。

村田:
 こうやってタトゥースタジオを作ってるわけですね。

丸山:
 スタジオというよりも、もっと霊的な感じなんです。ここでは、針はちゃんと替えてくれます(笑)。
 ここでちょっと、この彫師さんが霊的なパワーを見せてくれた映像があるので、ご覧ください。

丸山:
 これは心のチャンネルが切り替えやすい人を呼んでくださったんですね。

村田:
 なるほど、大〇〇法みたいな。

丸山:
 はい?……って、そういうことじゃなくて、精霊が憑依してトランス状態になりやすいという方を、彫師の方が呼んでくれたんですよ。

村田:
 お調子者っていうことじゃなくて(笑)?

丸山:
 じゃなくて(笑)。……でもそれが否めないのが、僕らがカメラを回してる後ろで、この人の奥さんがずっと爆笑していたという。

村田:
 (笑)。

丸山:
 まあでもインチキとかそういうことじゃなくて、“そういうもん”なんでしょう。己の内側にあるものが高まっていくので、本人が「そうだ」と言えばそうなんですよ。

 だから『暁に祈れ』でも、主人公は「試合/相手に勝つため」じゃなくて、「自分自身」に打ち勝って、その結果試合にも勝つぞという動機で彫ったものだと思って見ると面白いと思います。

村田:
 なるほどね。

丸山:
 ちなみにさっきの彫師の人は首のない虎を入れるのがすごい上手いことで知られてるらしいです。

村田:
 首のない虎。それはなにか意味があるんですか?

丸山:
 首が落ちても生きているすごい生命力、という意味だそうです。

タイの詐欺&階級社会事情

丸山:
 お寺がらみで、タイで本当によくある詐欺の話何ですけど、いきなり「どこ行くの? きょうはお寺休みだよ」「ちょっといいところがあるから連れて行くよ」と観光客に声をかけて、「ボートに乗ろう」とか「お土産物屋に連れて行く」とか言って宝石屋に連れて行かれる、みたいな典型的な詐欺があるんですけど……お寺は休みにならないですからね(笑)。

村田:
 そりゃそうだ(笑)。

丸山:
 引っかかる人はかわいそうだし、被害にあった人には申し訳ないんですが、日本のことを思い浮かべてほしいわけです。お寺は休みになりませんよっていう。

村田:
 開いていない宗教施設はだいたい、ちょっとヤバげなところでしょうね。

丸山:
 お休みがあるようなところはヤバいでしょうね。

村田:
 信濃町にあるようなやつ(笑)。いくら“微笑みの国”と名高いタイでも、知らない人には人ついて行くなということですね。

丸山:
 タイ人の笑顔は嘘ですからね(笑)。タイ人ってめっちゃプライドが高いですから、外国人のことを基本に見下しています。見下しているから笑ってくれるんですよ。

村田:
 フンッて笑うということ?

丸山:
 そう。口角がクイッとなっている微笑み風なだけで、基本は見下していますから。

村田:
 微笑みの国じゃなんですね。

丸山:
 微笑んでいないですね、タイキックの国です。ないしは肘を入れてきます。

村田:
 怖いなあ(笑)。

丸山:
 タイ人という存在を優しくてゆるくて笑顔な国民性だと思っている方が多いかもしれないですけど、実は階級社会なんですよ。僕ら旅行者が出会う一般市民はさておき、タイの中間層より上のエリート層って、本当に貧乏人を人と思っていないですから。

 あのニュース知ってます? とある大富豪の娘か息子が警察官を轢き殺して、そのまま引きずって自分の屋敷に入って行って、やがて屋敷は警官に囲まれるんですが、そこへ「私がやりました」って免許を持っていなさそうなみすぼらしいおじいちゃんが出てきたっていう。

村田:
 ああ、なるほどね。

丸山:
 ということがあったりするくらいの階級社会なんですよ。これでも世界的なニュースになったからみんな知っていますよね。

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