ラブホテルで他殺→「よし、壁ぶち抜いてスイートルームにしよう」大島てるが語るラブホテルの「事故物件認定 回避あるある」
絞殺事件後、外観の色だけ変わった事故物件ラブホテル
大島:
ただ、今タニシさんもお話に出したような、色を塗り替えただけと、ちょっとこっちを先に言うべきだったかもしれないんですけど、そういう物件が東京の池袋にありますので。ちょっとこの話に入る前に、「絞殺」って書かれていることを説明しますけど、絞殺と扼殺(やくさつ)って、厳密に言うと違うわけですけど、いとへんですからロープとかを指すのが絞殺で、手で首絞めたりしたら扼殺なんですけど……。
そんな細かい話をしてもしょうがないんで、便宜上、全部絞殺に統一してるんですけど、大事なことは、「刃物で刺したのではない」ってことなんですよ。そうすると、血がいきなり出るわけじゃないので、極端な話、首を絞めて、自分で110番通報して自首したなんていうケースだと、血もなければ失禁したりもしてなくて、死んじゃったばかりということで、すぐにご遺体を運び出せば大して部屋にダメージがないという。特殊清掃の必要はもちろんありません。
他方で孤独死、元々病気で亡くなったといっても、自殺でもない、殺人でもない、けれどもウジ虫がわいて、ハエがたかってるなんてケースがあるわけですから、どっちが嫌がられるか、どっちが気持ち悪いかって考えると、私は実は、この殺人事件現場のすぐに発見された、特にナイフで刺されたりしていないケースのほうが、圧倒的に軽い事故物件なんじゃないのかなとむしろ思います。
松原:
物件的には、と。
大島:
人が殺されたわけですから、大々的に報道されちゃうんで、みんなに気持ち悪がられて、客足はやっぱり遠のくわけですよ。特にこのピンクのラブホテルで殺人事件があったということが……。
松原:
わかっちゃいますもんね。
大島:
モザイクをかけてもピンクならわかりますから。それで、色を塗り替えるというのが対策としてあって、このように塗り替えるわけですよ。
一同:
(笑)
大島:
これも単純にごまかすために色を塗り替えた、ホテルの名前を変えたというパターンとは限らないんですよ。
つまりホテルが殺人事件のせいで客足が遠のいて、つぶれちゃって、身売りして、新しいオーナの元、心機一転名前も変える、色も塗り替えるというのは何にも不思議なことじゃないですから。そういうごまかそうということじゃないかもしれないわけです。ただ、外側塗り替えたり、名前を変えたりしても使う人に何のメリットもないですから、そんなとこにお金かけるんだったらもっと中にお金をかけてほしいなと思います。
ですから、ここはもう部屋番号指定でいけちゃいますよね。
ちょっと1泊事故物件、あるいは2、3時間事故物件、殺人事件現場へ行ってみたいなという人にとっては、ラブホテルが一番お手軽かなと。
松原:
事故物件ラブホテルナンパっていうのが出てきそうですね。「あのホテルの◯◯号室さ、事故物件なんだけど俺と一緒に行かない?」って。
大島:
もしかしたらそれが、ラブホテルが『大島てる』に苦情を言ってこない理由なのかな。おかげでお客さんが来てるのであれば、苦情を言う理由はないじゃないかということになるわけですから。
松原:
なるほど。まあ利益が出るんだったら、それは苦情は言わないでしょうから。
大島:
はい。苦情がないんですよ、本当に。ここからもないですし、他からもないです。
松原:
もう出しちゃってるから、逆にこれ見てる人が利用するんじゃないですか?
大島:
ただ、繰り返しになるんですけど、部屋番号が事件当時と同じかわからないですね。番号を指定して泊まろうと思ったら、数え方を変えちゃったり。
松原:
変わってる可能性もあると。
大島:
欠番になってるとか、そういうことはあり得ますのでご注意ください。
『大島てる』に載っていない関西の某ホテル
大島:
ちょっと、これに触れないわけにはいかなくて、さっき苫小牧の話しましたけど、兵庫の話です。これ、『大島てる』のサイトで見てほしいんですけども、炎のマークがない。
松原:
あ、全然ない。
大島:
ただ田舎だからなんですけど、今ご紹介したい場所がど真ん中の所なんですけど、全然ないわけですよ。ということは、事故物件じゃないわけなんですけど。
何で事故物件じゃない物件をご紹介したいかということなんですけど、ちょっとストリートビューでご覧いただきたいんですが。
大島:
「入居者募集中」と。
松原:
えっ?
大島:
普通のアパートなんですよ。ストリートビューと『大島てる』は連動してますから、こういう使い方ができるんですけど、どう思いますか。これは、ラブホテルを普通のアパートに用途を変更したんです。
松原:
すげえ!
大島:
より重要なポイントは、「電気、水道無料」って書いてあるんですよ。そして、「家具、家電付き」。
一同:
(笑)
大島:
これはメーターが1個しかないんで、無料というか、家賃に込みってことなんですよね。元々ホテルって電気、水道使っても宿泊料金変わらないじゃないですか。それの時代のままということなんですよ。屋根つきガレージっていうのはここに車停めるんですけど。
一同:
(笑)
松原:
すごい。これはすごいな。
大島:
これがある不動産サイトには、心理的瑕疵(かし)物件【※】として、「心理的瑕疵あり」と紹介されてました。なので、自殺があったとかって勘違いしちゃった人がいるんですけど、よくよく調べたら単純に元ラブホテルだったというだけで、人は死んでいないんです。
※心理的瑕疵物件
心理的な小さな傷=瑕疵がある物件を指す。事故物件よりも広義であり、例えば「窓を開けたらお墓が見える」や「暴力団の事務所が同じマンションの別の部屋にある」といったものも含まれる。
松原:
なるほど、心理的瑕疵というのは人が亡くなっただけでもなくって、近隣住民にやばい人がいるとか、環境的なものがあるとか。
大島:
窓を開けたらお墓が見えるとか。
松原:
ちょっと心の不安がある物件というのは、そう表記されますから。
大島:
ここに関しては「心理的瑕疵って具体的に何ですか?」と不動産屋さんに聞いたら、「ここは別に自殺があったとかじゃなくて、ただ元々がラブホテルだっただけですよ」と言われました。そういう意味では事故物件ではないんです。というわけで、これは泊まれる事故物件ホテルではなくて。事故物件じゃないしホテルでもないけれども、住める元ホテル(笑)。
松原:
(笑)。
大島:
ベッドとかもあると思うんで、すぐに住めると思いますけど。(コメント)「子宝に恵まれる」って。
一同:
(笑)
『「事故物件」多発地帯をご紹介!大島てる×松原タニシの『事故物件ラボ』』
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