いよいよ公開『デッドプール2』下世話、ゴシップetc…評論家も大興奮な作品の魅力についてコメント「DCディスと風刺を容赦なくぶっ込んでくる」
『アベンジャーズ』のサノス役が今作でも敵役に! イジリが最後まで見逃せない!
中井:
完全に映画の中の世界を二段階くらい乗り越えてメタ的にこの映画を作っているんですよね。なので僕はこのユーモアの撮り方はどっちかと言うと、イメージですけれど『シュレック』のようないじり方をしているなと思うんですね。
ドリームワークスのアニメーションとディズニーのアニメーションというのは当時二強だったんですけれども、どっちかと言うとディズニーはユニバーサルなものを作っていて、ドリームワークスは今の時代を取り込んだような下世話ネタというか、ゴシップネタを入れたりパロディを入れたりしているんですね。
そういうアプローチを追求していてユーモアに転換しているというのが、『デッドプール2』の面白さかなと思います。
鈴木:
それをDCにやらせないでマーベルの中でやる懐の広さと言うか(笑)。
中井:
どっちかと言うとDCでは無理で、DCの世界観には合わないのであれなんですけれども。
鈴木:
マーベルはメニューが何でもあるよね。すごいよね。幅が広いよね。
中井:
そういう意味ではこの映画は面白いんですけれど、実はある程度映画を見ていないとわからない部分もちょいちょいある。
三原:
いじりが?
中井:
ケーブルっていう敵キャラクターが出てくるのですが、ジョシュ・ブローリンが演じているんですよ。ジョシュ・ブローリンって何をやっている人かと言うと、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のサノスを演じているんですね。
三原:
え~!
中井:
だからサノスを演じている役者がケーブルを演じているんですよ。それでこの映画の中でサノスをいじるっていう。
(画像は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイトより)
ジョシュ・ブローリンがどちらも演じているので、いじったりとかそういう映画またぎいじりとか、そういうことをしているんですね。なので、ある程度映画を見ている人の方がこの映画は笑えるよと。
三原:
「サノスイキってる」って言っていたやつか。
中井:
そうそう。そういういじりをバンバン入れてくる。
三原:
ファンにはたまらない?
中井:
そうだし、ライアン・レイノルズはこの映画の脚本も書いているんですよ。だから自分いじりが半端ないんですよ。自分をいじることっていくらでもできるんですね。なのでそのあたりもかなりぶっこんできていて、最後の最後まで見逃せないです。エンドクレジットまで見逃せないですね。
三原:
え~!
中井:
いじりネタが最高に面白いんですよ。
三原:
そうなんだ(笑)!
中井:
最高にいじっていますから。めちゃくちゃ笑いましたね。なので見てほしいと思うんですけれど、ちなみに監督がデヴィッド・リーチで、『アトミック・ブロンド』であったり『ジョン・ウィック』の共同監督だったりっていう、アクションが結構得意なんですね。
この映画はアクションがすごく気合いが入っているのと、あと1作目がヒットしたから1作目よりもお金をバンバン使っているので。
鈴木:
予算増えたんだ。
中井:
だいぶ増えたから、派手になっています。そして日本人キャストの忽那汐里さんが出ています。
(画像は公式予告編YouTubeより)
三原:
どのくらい出ているんですか?
中井:
ちょろっとですね。あるキャラクターの彼女役なんですけれども、そのへんも注目してほしいなと思っております。
映画『孤狼の血』アウトロー刑事を演じる役所広司の演技を評論家らが語る。「『シャブ極道』のキレッキレの役所さんが帰ってきてくれた」
「勧善懲悪ヒーローモノは子供しか観ない」『デッドプール』にみる、アンチヒーローの魅力を映画評論家が徹底解説