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『スター・ウォーズ EP7/フォースの覚醒』良かったところを評論家がまとめてみた。「冒頭40分の展開はスピーディーで本当に面白い!」

 毎週日曜日の夜8時から放送中の『岡田斗司夫ゼミ』。12月の放送では、金曜ロードSHOW!の3週連続「スター・ウォーズ特集」を受けて、放送日時を変更し『スター・ウォーズ』の世界をより深く解説します。

 12月15日金曜日の放送回では『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』を解剖。新シリーズ第1作目となるこの作品について、「上手くまとめている」と評する岡田斗司夫氏。悪役であるカイロ・レンのキャラクターや、主人公であるレイとフィンの関係性について語りました。

岡田斗司夫氏。

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続編として合格点の『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』

岡田:
 “エイブラムス版スターウォーズ”とも言える『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』(以下『フォースの覚醒』)は、いかに上手くまとめるのかというところに注力しています。例えば、冒頭に惑星ジャクーに攻め込んできたストームトルーパーをポー・ダメロンが狙撃する、というシーンひとつを見ても、とにかく上手い。

 なんでもないように見えるシーンだけれども、ストームトルーパーの白いスーツに周囲の火事の照り返しが入っていたりとか、火の粉がいっぱい飛んでいたりして、画面の中にちょっとした緊張感を与えている。退屈しない画面作りに関しては、エイブラムスはメチャクチャ上手い。

画像はスター・ウォーズ公式サイトより。

岡田:
 特に、冒頭40分の展開というのは、本当にスピーディーで面白い。余計なキャラクターも出てこず、相変わらずメインのキャラクターは少ないんですが、フィンとレイに感情移入して彼らを追いかけているだけで、お話は成立しているんです。

 この時点では、まだ悪役のカイロ・レンが、何を望み、何を考えているのかよくわからないままで、謎を残している。その上、予告編を見ていた人は、ハン・ソロとレイア姫が出るというのを知っているから、「いつ、どういうふうに出てくるんだろう?」と、さらにドキドキする感じが加わるわけですね。

 冒頭の40分を見る限り、『フォースの覚醒』は、『スター・ウォーズ』の30年ぶりの続編として合格点というか、100点満点でいえば95点くらいの出来なんじゃないでしょうか?

上手いゆえに個性が見えないエイブラムス

岡田:
 昔のキャラクターに頼ることなく、“新しいスター・ウォーズの世界”というのをきれいな段取りで見せていくという上手さ。それこそがエイブラムス監督が重宝される理由でもあるんですけど、逆に言ってしまえば、この小器用さがエイブラムス独自のタッチがない原因でもあるんですよね。

 ジョージ・ルーカスにしても、ジェームズ・キャメロンにしても、良いSF映画を撮る人は、やっぱりその人らしさというのがあるものなんですよ。例えば、キャメロンだったら「やたらとヘリコプターみたいなメカを出す」とか、ルーカスだったら「独特なギャグのタイミング」とか、お互いに文法上の癖みたいなものが明らかにある。

ジェームス・キャメロン監督作『アバター』に登場するガンシップ――画像はアバター公式Facebookより

ダース・ベイダーとは一味違うカイロ・レン

岡田:
 コメントで、「新3部作は敵が怖くない」とあったんですけど、事実そうなんですよね。結局、描こうとしているものが多いから、敵の内輪揉めみたいなものや、対話のシーンが、結構いっぱい出て来るんです。

 その分、敵側にも感情移入を出来るようになっているんだけど、かつての帝国軍にあったような圧倒的な悪さというか、怖さみたいなものがないんですね。

画像はスター・ウォーズ公式サイトより。

岡田:
 ダース・ベイダーに比べて、今回のカイロ・レンのマスクはダサいと言われていますが、具体的にどこがダサいのかと言うと、硬質なものと柔らかいものの組み合わせのバランスが悪いところなんです。

 ダース・ベイダーは、ツヤツヤなサテン地のようなマントに、硬質のヘルメットという組み合わせだったんですけど、カイロ・レンはフード付きのマント、それもファブリックな質感を強調したデザインなものだから、どうしても安っぽい感じがしちゃうんですよ。

 ただ、惑星ジャクーでの戦闘シーンで、ダメロンが撃ったレーザービームを、フォースの力で空中で止める、といった描写は良いイメージで、なかなか見応えがあります。やっぱりエイブラムス監督だから、どうしても「上手いなあ」という感想の方が勝っちゃうんですよね(笑)。

岡田:
 カイロ・レンというと、ほかにも部下から任務失敗の報告を聞いて、激昂して周りのコンピューターに当たり散らすシーンが有名ですね。これがダース・ベイダーと比べて、いまいち悪役として人気が出ない理由であって、こういうところから余裕がない感じがしてしまうんです。

 たしかに『スター・ウォーズ』っぽくはない。ただ、キレてライトセーバーで周りを斬りまくる、というのは、“ジョジョ的なキャラクター”としては悪くないと思うんです。この描写は、わりと否定的に言われることが多いんですけども、僕は、キャラクターとしてちょっと面白いと思ったんですね。

 というのも、ダース・ベイダータイプの悪役像は、もうやり尽くされているから、同じ方法で怖さとかカッコよさとかを表現するのは、ちょっとしんどいんです

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