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安倍晋三氏が官房副長官時代に行ったメディアへの圧力疑惑――元NHK職員が当時を語る

 2001年1月30日にNHKが放送した、シリーズ「戦争をどう裁くか」番組内で日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷に関する扱いをめぐって、放送後数年経って朝日新聞が当時内閣官房長官だった安倍晋三氏をはじめ政治家による圧力があったと報道した「NHK番組改編問題」

 この問題について、ミュージシャンでジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏、インターネット放送局ビデオニュース・ドットコム代表の神保哲生氏、NHKを退局し、現在社会学者で、武蔵大学社会学部教授の永田浩三氏が解説を行いました。

左からモーリー・ロバートソン氏、神保哲生氏、永田浩三氏。

※本記事は、2015年9月に配信した「メディアの公平性ってなんだ!?メディア帝王とジャーナリズム」の内容の一部を再構成したものです。

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安倍氏のNHKへの圧力疑惑

モーリー:
 永田さんもかつて自民党の政権時代にドキュメンタリーに対する抑止と闘った?

永田:
 正確に言うと、闘ったというより負けたっていうことですね。2000年の12月に取材した番組が2001年の1月30日に放送予定だったわけですけれども。

モーリー:
 慰安婦にまつわるものでしたっけね。

永田:
 そうですね。番組では日本軍の元慰安婦の被害女性が一堂に会して証言をして、当時の国際法に基づいて裁くという民間法廷を取り上げたものです。この番組が放送前日に劇的に変わってしまったという事件ですね。

 私はそのときのプロデューサーだったんです。その当時の永田町の内閣官房副長官が安倍晋三さんです。安倍さんは1993年に初めて当選して、当時当選3回か4回かそれぐらいのときだったと思います。まだ閣僚一歩手前ぐらいの安倍さんがNHKの番組に色々と意見を言って、それを聞いてきたNHKの幹部が「あれを変えろ、これを変えろ」というふうに指示を出してきたんです。

モーリー:
 ちょっと聞きたいのは、安倍さんが直接「番組をこういうふうにしろ」ということよりも、漠然と遺憾とか懸念を伝えたところ、NHK側の幹部が中に入って、その人の采配で「あれを変えろ、これを変えろ」ということになったので、もしかすると、その人が過剰に反応した可能性もあるのでは?

永田:
 そこはブラックボックスなので、あり得るんですよ。

モーリー:
 ブラックボックスですよね。

放送直前に安倍氏とNHK幹部が会ったことは事実

永田:
 だから、事実として言えることは、放送直前に安倍さんとそのNHK幹部が会ったということは確かです。それから、安倍さんが「公正中立にやれ」っていうふうに言ったことも確かでしょう。安倍さんもそれを認めていますから。「勘繰れ」って言ったのも、たぶん言ったんだと思います。

安倍晋三氏。画像はWikipediaより。

モーリー:
 阿吽の呼吸で、「何を言おうとしているかはわかるよね」と。

永田:
 そう、「私が言っていることは、つまり、何を意味しているかはお前、察しろ」と。

モーリー:
 確か……その戦争法廷は、私の記憶が正しければ、昭和天皇は有罪みたいなことを、最終的に結論を出したんですよね。一般の女性たちが集まった民間の団体が、畏れ多くも日本の天皇に対して勝手に「裕仁、有罪」とやってしまうと「ちょっとこれはNHKで流すのは野放しにできないんじゃない?」ということを考える保守の人もいると思うんですが。

永田:
 当然そういう考えを持つ人はいていいんですよ。昭和天皇は日本軍の最高責任者だったわけですから、日本軍が行った女性に対しての人権侵害を裁いているわけですよ。例えばある会社で何か事件が起きたときに、社長の責任が問われるのは当然でしょう。

 だから、それと同じことですよ。つまり、日本軍の責任を問うことは、天皇の責任を問うこととイコールのことです。だから、法的にはそんな過激なことではなくて、日本軍・日本政府の責任を問うた場合には、昭和天皇の責任も問うということだったわけです。

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