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「ミサイルは北朝鮮の領土で撃ち落とせる事が理想」——小野寺防衛大臣が、ミサイル防衛について語る

 参議院の山本一太議員が司会を務める『山本一太の直滑降ストリーム』に、小野寺五典防衛大臣がゲストとして登場しました。

 8月に二度目の防衛大臣に就任して以来、「安全保障から目が離せない状況」だと話す小野寺大臣は、北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぐ現状をどのように見ているのでしょうか。

 「アメリカの軍事的行動の可能性は?」「新しいミサイル防衛システムとは?」「北朝鮮の核保有を認めないといけないのか?」など、気になる北朝鮮問題を小野寺大臣に詳しく伺いました。

左から山本一太議員、小野寺五典防衛大臣。

安全保障環境は前回就任時より格段に厳しい

山本:
 きょうはお忙しい中、駆けつけていただきましてありがとうございます。今回は三回目の出演ですが、最初の出演は第二次安倍政権の閣僚のときでした。

 第二次政権時1年10カ月。小野寺大臣の評価がすごく高かった。特にアメリカからの評価が高くて、トモダチ作戦【※】で海兵隊が気仙沼で一生懸命頑張っているところをご覧になっていて、海兵隊とのつながりもすごく深いですよね。

※トモダチ作戦
2011年(平成23年)3月11日、日本で発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震とそれを原因とする災害)に対して行う災害救助・救援および復興支援を活動内容。

小野寺:
 被災者の一人として、助けていただいた立場ですから、防衛大臣になったあと感謝を伝える中で関係が深くなっていったと思います。マティス国防長官ももともと海兵隊の司令官ですから。そういう意味ではケミストリーが合うと言いますか。

山本:
 有識者の方が小野寺大臣のことを「一生に一度の防衛大臣だ」と書いていました。そのくらい活躍をしたと書いてありました。読まれましたか?

小野寺:
 いえいえ。

山本:
 そこに書いてあったのは、小野寺さんは週末はとにかく自衛隊の基地を回って、隊員だけではなく隊員の家族とも話をしたということで、非常に自衛隊員からも人気があったと書いてありました。特に日米同盟を強化するのに、これだけ貢献した防衛大臣はいないと。

小野寺:
 それは歴代の防衛大臣が、それぞれの立場で日米同盟をしっかり守ってきたことと、友好国としっかりした環境を作ってきた積み重ねだと思います。

山本:
 1年10カ月、一人も閣僚が変わらずにやって退任のあいさつのときに泣いていましたよね。

 でもあれは泣き虫だからじゃなくて、現場の人達はもちろん小野寺大臣の周りに人の輪ができていて、そういう思い出がものすごくあったんだなと思ったんですよ。

小野寺:
 実は秘書官が文才がありまして、秘書官が書いた退任あいさつを読んでいるうちに、思わずその文面にほろっときてしまったんです(笑)。

山本:
 そんな小野寺大臣ですが、アメリカを研究している研究者が「小野寺大臣は就任二度目ということで、アメリカ側からも重鎮だと思われている」と仰っていました。別の有識者からも「アメリカの関係者から小野寺大臣はすごく信頼が厚い」ということを聞きました。

 そこで少し答えにくいとは思いますが、最初に防衛大臣をやったときと今回ではどんな違いがありますか。

小野寺:
 安全保障環境が前回よりも格段に厳しくなってきています。特に北朝鮮の驚異が高まっていますので、前回よりも緊張感を持って前に進まないといけません。

小野寺:
 ですから大臣に任命された8月3日以降、地元に帰れていないんです。そういった意味では、今は安全保障問題から目が離せない状況です。

対北朝鮮のアメリカの動向をどう見ているか

山本:
 何と言っても今の最大の懸案は北朝鮮問題だと思います。当番組で視聴者の方に「小野寺大臣に北朝鮮の驚異に対して特にやってほしいことは?」というアンケートを行った結果、「敵地攻撃能力の保有」という回答が7割でした。

 この回答について、北朝鮮の核保有、ミサイル開発の現状をどう見ますか。

小野寺:
 少なくとも核実験の推定出力を見れば、CTBT【※】の数値で広島に落ちた原爆の10倍以上の能力がある。あくまでも実験ということですが、でもこれだけの出力を出せるということは驚異だと思います。

※CTBT
包括的核実験禁止条約のこと。

 兵器としてどの程度実用化しているかというものは、慎重に分析する必要があると思います。

山本:
 トランプ政権が軍事的な行動をとる選択肢はあるのかということで、個人的にはあり得るんじゃないかと思うのですが、大臣はどう思われますか。

小野寺:
 トランプ大統領がずっと「すべての選択肢はテーブルにある」と言っています。当然、軍当局からもトランプ大統領に選択肢の説明をしていると思います。ですからすべての選択肢があるということは、対話から最終的な厳しいシナリオまで、すべてがトランプ大統領の頭の中にあるということだと思います。

山本:
 米軍の攻撃能力はかなり高いということで、マティス国防長官が核実験の直後にホワイトハウスで「北朝鮮殲滅するということは考えてないけれど、しかし軍事的なあらゆる選択肢がある」と言うようなことを言いましたが、これはどう見ますか。

小野寺:
 これはトランプ大統領が「すべての選択肢はテーブルにある」と仰っていたので、その言葉に尽きると思います。

山本:
 先日、オバマ政権のときに国連大使をやっていたスーザン・ライスさんが「北朝鮮の核保有を認めざるを得ないのではないか」という話をされていたのですが、大臣はどう思いますか。

小野寺:
 核保有容認は認めてはいけないです。ICBMはアメリカまで届くものは開発されていないけれど、日本まで届く弾道ミサイルはたくさんあります。そういう意味では、もしそれが兵力化されれば、この段階でも日本の驚異になっている。

 我々はそれを認めるわけにはいかない。その一貫したスタンスで国際的な場で発言していくことになると思います。

山本:
 トランプ政権のキーパーソンはマティス国防長官だと思うのですが、北朝鮮が東アジアに核保有国を作ろうとしているということについて、核保有容認は断固許さないというような、マティス国防長官からの強い決意は感じますか。

小野寺:
 マティス国防長官も私も一致した考えですし、そこは日米は揺らいではいけないと思います。まず交渉にあたっては、国際社会からの経済的な制裁。これで圧力をかけていく中で、北朝鮮の動向を観察する。国際社会の圧力を率先してアメリカはやっています。

 あとは北朝鮮が貿易をやっている国、外貨を獲得している国に、抜け道がないように河野外務大臣も各国を周っています。また私の方でも国連の常任理事国に電話会談等で日本への応援、支援をお願いするという行動を毎日やっています。

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