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「ひとり暮らしの40代が増えると日本は滅ぶ」←“社会が悪くなっているから40代一人暮らしが増えている” の間違いでは? NHKのAIの信憑性に言及

 NHKが開発したAIを使ったテレビ番組『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』において、「ひとり暮らしの40代が増えると、日本は滅ぶ」というショッキングな分析が発表され、物議を呼んでいます。

 小飼弾氏山路達也氏はニコニコ生放送で上記の話題に触れ、AIの歴史を解説し、NHKのAIの信憑性について意見を述べました。果たしてAIを用いて社会問題を解決することは可能なのでしょうか。


NHKがAIを使ったテレビ番組を放送したが……

左から小飼弾氏、山路達也氏。

山路:
 最近、NHKで人工知能に関する番組がありまして……。

小飼:
 ツイッター越しでしたが、これは見なくてもいい番組かなと(笑)。

山路:
 番組ではAIが、日本の社会の難問について5つの提言を行うみたいなことを言っているんですね。例えば一番大きな話題になっていたのが、「40代の一人暮らしがとにかくいけない」であるとか。

小飼:
 なんでここで40代が出てくるのでしょうか(笑)。

山路:
 あとは、「女性を活躍させるにはラブホテルを増やすのがいい」とか、あるいは「少子化を防いで出生率を上げるには車を買うといい」みたいな。

小飼:
 それらの提言は本当にAIが行ったというような証拠は見せたんですか。

山路:
 いや、それはNHKが開発した「ひろし」というAIというだけで、中身に関しては番組の中では……。

小飼:
 ひろし? たかしじゃなくて(笑)?

山路:
 ひろしですね。

小飼:
 そうですか、さとしでもないんだ(笑)。

NHKのAIは炎上狙いの擬似相関!?

山路:
 AIっていろんな定義はあると思うんですけれども、そもそもコンピューターは最初からAIを指向していたので、あらゆるコンピューターはAIである、と言えちゃうと思うんです。こういうものをAIと言っちゃっていいのかなってちょっと思いましたね。

小飼:
 そこが頭の痛いところですよね。AIという風に言っても、これはやっぱりAIの世代別にも言及した方がいいです。

山路:
 少なくとも番組中で言われていたのは、項目数はちょっと忘れましたけど、膨大なデータの中から……。

小飼:
 膨大? それとも、針小棒大の棒大(笑)?

山路:
 いや、何件かっていうのは番組中では言ってましたけど、それを元に相関している項目を導き出して人間では気付かないような相関関係を見つけて社会の改善に活かそうみたいな趣旨ではありましたね。

 ただツイッターなんかでも色々批判が上がっていたのは、「それは疑似相関なんじゃないか」みたいなことです。因果関係とは限らないんじゃないかっていう批判はネット上で多く見かけましたけれども。

小飼:
 「桜が咲くと新入生が増える」みたいなそういう話ですよね。

山路:
 そういうので言うと、「ニコラス・ケイジの映画の出演本数と、プールの溺死者数は相関がある」みたいな話とか、あとはスーパーマーケットの売れ行きで「おむつを買う人とビールを買う人の相関がある、おむつ売り場にビール置けば売り上げが伸びる」とかそんな話いっぱいあったじゃないですか(笑)。

小飼:
 ありますね。

山路:
 こういうものって、果たして社会問題の手がかりって得られるものなんでしょうかね。

小飼:
 かえってどれだけの人がそういうのを信じちゃうのか、ということでその社会の未熟さとかも炙り出されていく(笑)。

山路:
 (笑)。まあ、ちょっと番組に関して擁護するならば、そういう風に人間では気付かないような意外な項目を見つけて、それを議論することでヒントを見つけようみたいなことは言ってましたね。

小飼:
 その40代独身が悪いみたいな言説っていうのは、はじめにそっちがあって、そっちに都合のいいデータを逆に寄せたんじゃないかと。要するに因果を逆にさせているんじゃないかという疑念はあり得ますよね。

山路:
 「社会が悪くなっているから、40代一人暮らしが増えているのでは」ってことですよね。

小飼:
 そっちが本来の姿でしょう。

山路:
 それに関しては、番組に出ていたマツコ・デラックスさんも指摘はしてたんで、一応みんながみんなミスリーディングしようとしてるとまでは言い切れないと思います。

 けれど、表現はかなり危ういものは感じましたけどね。例えば、明らかに「40代一人暮らしが日本の最大の問題点だ」みたいに言っちゃうとか、炎上を狙いすぎている節はあります。

小飼:
 でも、異性を知らないまま30歳になると魔法使いになるんですよね(笑)。それがたった10年で日本を滅ぼせるようになるって、すごいな。この10年の間にどれほどの研鑽を積むんだ(笑)。

AIが政府の代わりをすれば、社会は良くなる?

山路:
 ただ意外な項目を見つけるっていうことは意味があるんじゃないのかな。よくAIが政府の代わりをすればもっとましな社会保障とかできるんじゃないかみたいな話はするじゃないですか。

小飼:
 実はこれ、なんでVALU【※】に入ったかっていうのと意外と関係しています。まず権威によるシステムがなんで問題があるかって言ったら、その権威者というのもまた人で、人としての誘惑にどうしても駆られちゃうので、本来全体最適になる決断ではなく、やっぱり自分の田んぼに水を流しちゃえっていう風になるわけですよね。これをAI化することによって避けられるんじゃないか。

※VALU
個人が株式にちなんだVALUを発行し、売買できるサービス。リードエンジニアに小飼弾氏が就任することが明らかになった。

小飼:
 要は権威の脱俗化、というのが一つあるんですけれど、それを本当にいつそうなるのか。そもそもそういうのを選ぶようになるのかというような、まだわかってないわけですよね。あと、どれくらいでそうなるのか。そもそもそっちの方向に人間がいくのかと。

 ですが今言ったように、偉い人がこれやっちゃダメ、これやったら懲らしめるぞではなく、好きものが好きなことをやって、それを好きな人が見に来て、わんわんやってうまくいくというのも、そういったことも実際に起こっているわけですよね。たぶん、どっちも必要で、どっちの方向も探索してみる必要があると僕は考えているんですよね。

山路:
 その権威者による既存のシステムというのは……。

小飼:
 権威者によるシステムっていうのが無くなるっていうことも、そう簡単に考えられない。要はお巡りさんが必要なくなる時代。ていうのも考え難いんだけれども、ほっとくと権威型のシステムっていうのは、法律がどんどん長くなってるじゃないですか。で、コードはもっと長くなってるんだけれども、権威で敷居を作る仕組みっていうのは、どうしても肥大化は避けえないと。

山路:
 それがAIなりとかを使うことで肥大化を防げるかもしれない。

小飼:
 肥大化だけではなくって、自己目的化をね。

山路:
 そういう人工知能を使って電子政府にいくかどうかわからないというのは、それは大前提としてですね。

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