「JASRACはしょぼいホームページをどうにかするべき」なぜ決済APIを導入せずに無駄な事務処理に人件費を割くのか
京都大学の山極寿一総長が、入学式の式辞でボブ・ディラン(Bob Dylan)氏の、「風に吹かれて」の歌詞を引用し、ホームページに式辞を掲載したことについて、日本音楽著作権協会(JASRAC)が京大に、歌詞の使用料が必要になる可能性を伝えていた。
上記の話題をうけ、プログラマーの小飼弾氏とライターの山路達也氏が議論。JASRACの問題点について語った。
ウェブサイトがしょぼいJASRACに憤っている
小飼:
JASRACに行き着くところまで行って欲しい。どういうことかというと、みなさんが楽曲を脳内再生していても、JASRACが飛んでくるというね。
山路:
それはむしろ未来ですよね。
小飼:
未来です。今、ニコ動にJASRACの信託下にある楽曲を使った動画をアップロードすると、確か自動で判定されて、それでJASRACの方に、あがりが行くとなっていますよね。
だから、みなさんの脳にも、JASRACメーターが埋め込まれる。はい(笑)
山路:
そこまで技術を持っているんだったら、そもそも、JASRACの問題って起こってないような気もするんですけどね。
小飼:
たぶん、みなさん、なんでこんなにJASRACに憤っているかと言ったら、JASRACのウェブサイトがしょぼいからです。
山路:
ほお、ウェブサイトがしょぼい。デザインとか?
小飼:
例えばある楽曲が、これが本当にJASRACに信託されているかどうかという判定するAPIとか、JASRACが用意しています?
山路:
聞いたことないですね。
小飼:
それって本来は、JASRACが用意するべきものですよね? でも今そういったものは、ニコ動なりYouTubeなり、場を提供している方が自腹を切って用意しているんですよね? それって本来JASRACの仕事じゃありません?
山路:
そうですよね。良く考えて見たら最近その流行っている動画配信サービスのNetflixにしても、例えば書籍でいったらKindle Unlimitedみたいなものって、読み放題でいくらっていうやつですけども、コンテンツプロバイダーに対してお金を払うというのは、少なくともきちんとこれだけ読まれたとか、利用されたかという情報をきちんと提示しているから、一応コンテンツプロバイダーが安心して使えるということなんですよね。
ちゃんと仕事してないの。それにつきる。
小飼:
そうそう。だからちゃんと仕事してないの。それにつきる。だからそういった事務っていうのは、すごく煩雑なものですし、面倒くさいものです。そういった面倒くさいことを、一切合切やってくれるっていうのがJASRACの存在意義ですよね? 仕事してないじゃん。
山路:
ちょっと前に聞いた、今はどうかわかりませんけど、5円くらいの振込でも、いちいち手紙でくるみたいな話しを聞いたことがあって。
小飼:
そうそう。ボトムラインとして決済APIは必要ですよね。あなたの楽曲はこれだけ使われたので、このお金を払いますというのは。なんでJASRACアカウントを普通の人は作れないの?
山路:
確かに、そういう紙とか無駄な事務処理のところで結構、金をとられているんじゃないかみたいな疑いが、人件費とかかかってそう。
小飼:
そう! なんでみなさん、JASRACにムカつくかといったら、そんなに仕事をしてないの!
山路:
なるほどね。だけど、お金をとられるみたいな。
小飼:
そうそう! だから3円でもきちんと払っています! だからあなたも、自分の楽曲をJASRACに登録して守りましょう、みたいなことは言ってないじゃん! なんも言ってないじゃん!
山路:
そうですね。確かに。とにかくJASRACは、ちゃんと仕事しろ! ということで、はい。
小飼:
Amazonは、ちゃんと仕事しているもん。そこは。
山路:
確かに。すごく強いプラットフォーマーですけど、そこは確かにいろいろやっていますよね。
小飼:
ちゃんと仕事したから、パフォームを確保できたともいえるわけで。