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マストドンの“位置づけ・問題点と評価・今後の展望”をプログラマーが考察。「技術に新しさはないが、忘れかけていたものを思い出させてくれた」

 独自のインスタンスが次々と立ち上がり、日本最大級のインスタンスを誇るMastodon(マストドン)

 管理人のドワンゴ入社などが話題になっているMastodonについて、小飼弾氏・山路達也氏が4月17日配信の『小飼弾の論弾4/17「ゲスト対談:pha氏 1億総ニート化計画 やっぱり働いたら負けだっ!」』で、「マストドンの位置づけ、問題点と評価、今後の展望」について語った。


マストドンのようなサービスはWebサービスより前に存在した

山路:
 最近、話題になっているMastodon(マストドン)について。

小飼:
 ああ、ツイッターの劣化クローンね。

山路:
 要は、ツイッターのような、マイクロブログを分散して配置してできるということですね。

小飼:
 似たようなものは、WEBが生まれる前からusenetというのがあったんです。これも分散型で、アカウントを作らなくても使えるという意味では、分散度はusenetの方が高いくらいです。

山路:
 弾さんはマストドンのアカウントは作りましたか?

小飼:
 作ってみたんですけれども、作る必要なかったんじゃないかと。今のところマストドンの実装というのは、タイムラインを追っかけるだけであれば、API叩けばいい。ツイッターと違って、APIを叩くのには何の認証も必要ないんですよ。ウェブブラウザから直に見る場合は、パブリックタイムラインのURLにアクセスした時、アカウントがない場合は、トップページにリダイレクトされちゃうんですけど。APIを直に叩く分には、特にアカウントを作らなくてもいい。僕もいくつか作りましたが「やべ! 無駄なことした」みたいな。

山路:
 でも、投稿とかをするには、当然アカウントがいるわけですよね。

小飼:
 投稿するには、アカウントが必要です。

山路:
 弾さん的にマストドンっていうのは流行りそうですか?

小飼:
 流行るのも早いけど、廃れるのも早そうな気がするけれども。

山路:
 一番の問題はどのへんだと思います?

マストドンの問題点「スタートアップのハードルが高い」

小飼:
 まずインスタンスを作る敷居が高すぎるね。

山路:
 はい。このサーバーを借りて、そこにこう色々面倒臭いソフトをインストールして、なんかやってみたいな。えっと、大学院生の方が立ち上げた「mstdn.jp」も、個人で立ち上げられた時、すごいアクセスが集中して落ちまくったという。

小飼:
 で、さくらのクラウドに引っ越して、それでユーザー数何人だといったら、世界最大になった時点で4万いくつとか。「なんだ、俺のツイッターのフォロワー数より少ないじゃないか!」と、「これじゃあ、とてもじゃないけれども、ツイッターの置き換えサービスにはならないな」と。

山路:
pixivが、マストドンのサーバーを立ち上げて、18禁な絵が流れていたもので他の国から。

小飼:
 ただ、その辺の問題の洗い直しという点では、ものすごく役に立っていると思います。ツイッターのモデルというのは、もうツイッター社の胸先三寸なんですけれども、「Pawoo」オッケーだけれども、マストドンドットクラウドだとNGという細かい実装もできるわけですよ。

山路:
 だから「エロな人はこっちの方に参加すりゃいいし、嫌な人はあっちの」という、バーチャルな国みたいですね。

小飼:
 いいところで落ち着いて欲しいなとは思うけれども。

マストドンの問題点「フレームワークの処理の重さ」

小飼:
 でも改めて見てみると、“Ruby on Rails”は重いね。

山路:
 フレームワークですか?ユーザーができる処理とかも……。

小飼:
 うん。作りやすいんだけれども、高負荷で動かすのは辛い。

山路:
 ツイッターも最初はRuby on Railsだった案が。

小飼:
 入れ替えましたからね。やっぱり、たかだか数万人くらいの負荷で落ちちゃうというのは、なんとも情けなくて、ショボいと(笑)

技術に新しさはないが忘れかけていたものを思い出させてくれたことを評価

山路:
 こういうポスト・ツイッターみたいなメディアを分散させるという方法は、今後の傾向としてあり得ますか?

小飼:
 分散が中途半端なの。分散させるのであれば、もっときっちり分散させなければいけないし。

山路:
 ユーザーひとりひとりが、サーバーを立てるレベルで?

小飼:
 そういうのも不可能じゃないんですよね。だから、そういった「僕らが忘れかけたものを思い出させてくれた」という意味ではとても評価している。技術そのものは見るべきところは、ほとんどないんだけど(笑)。

山路:
 金子勇さんが開発されたWinnyが一時期、流行っていた時代に「これからはP2Pだ!」みたいな話ありましたけど、P2Pの技術トレンドは、あまり来なかったですよね?

小飼:
 いや、滅びたかっていうと、そんなことはなくて、例えばBitTorrentというのは、いまだにちゃんと使われていますし。

山路:
 ファイル転送アプリの。

小飼:
 はい。ちゃんとした目的でも使われています。僕はOSのイメージファイルみたいな大きなものというのは、なるべくBitTorrentで落とすようにしています。

山路:
 SkypeもはじめはP2Pだったと思いましたけど、今は特にP2Pというわけではない。

小飼:
 Skypeはマイクロソフトが買いましたしね。

山路:
 「P2Pは、思ったほど使われてないのかな?」みたいに思ったんですけど。

小飼:
 まず、P2Pかどうかというのは、コンテンツにアクセスしたい人たちには、まったく関係がない話で。技術者にとってのP2Pは、「どうやったら、上手く動くのか? どういう場合に上手くいかないのか?」というのが、非常に面白いです。だけど、面白いと思うのは、僕がエンジニアだからで、コンテンツを配りたい。あるいは、コンテンツを入手したいという人たちにとって、あまり関係がない話です。

山路:
 マストドンはとりあえず流行らないにしろ、もしかしたら新しいサービスのきっかけには今後なるかもしれない。

小飼:
 かもしれない。

■小飼弾氏のブロマガ『404ch Not Found』はこちらから。

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