本日公開『レディ・プレイヤー1』を100倍楽しむ方法を評論家がレクチャー。「デロリアン」「AKIRAバイク」80’s映画ネタがてんこもり
スティーブン・スピルバーグ監督の新作映画『レディ・プレイヤー1』が4月20日から全国公開されます。本作は近未来を舞台に、VR(バーチャル・リアリティ)で巻き起こる冒険を描いたもので、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『機動戦士ガンダム』など様々な作品からキャラクターが登場することでも話題となっています。
映画解説者の中井圭さん、女優の岡村いずみさん、放送作家の鈴木裕史さんが出演する映画情報番組「シネマのミカタ」では本作品をピックアップし、中井さんが簡単なあらすじをわかりやすく解説。イメージに通ずるものがある作品として、細田守監督の『サマーウォーズ』を挙げ、本作を“スピルバーグ版『サマーウォーズ』”だと語りました。
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舞台は2045年。VRの世界でどんな姿にもなれる
岡村:
これはみなさんの期待度がすごく高いみたいですけれど。
中井:
スピルバーグさんという人は本当に幅が広いなと僕はいつも思うわけですよ。
鈴木:
いま、日本に来ているのは、きっとこれの宣伝で来ているんだよね。
中井:
そうですね。元々はアーネスト・クラインという作家がいるのですが、その人の小説の『ゲームウォーズ』という原作がありまして、それをスピルバーグが映画にしたのが、この作品です。設定は2045年。その世界はVRが普及しているわけですよ。VRとはバーチャル・リアリティ、つまり仮想現実なんですけども。
その世界にオアシスというバーチャル・リアリティがあるんですけども、みんなその世界にどっぷりハマっているわけです。 本当にみんなやっていて、VRの世界なのでその中に入っちゃうと、自分はアバターの姿なんですね。なので、何にでもなれるわけですよ。自分の好きなものになれる。
自分のキャラクター設定して、その世界の中でいろいろなミッションをクリアしたりとか、生活をしたりとかするわけですよ。そんな中、オアシスはものすごい力を誇っているんだけども、オアシスを開発した創設者のジェームズ・ハリデーさんという人が亡くなってしまうんですよ。そして遺言を残すんですね。
その遺言は何かと言うと、「俺が死んだら三つの謎をオアシスに残す。三つの謎を解いたやつには、オアシスの運営権と俺の遺産をやる。」と。
岡村:
すげえ。
鈴木:
そこまでゲーム感覚なのな。
岡村:
遺産いくらあるんや。
中井:
40兆円とか、なんかそんな感じ。
岡村:
(パンフレットを見て)56兆円だって。ヤバイ。
中井:
そういう状況なんです。そうなるとみなさん、どっぷりハマっていますから「それ欲しい」と参加者は思うし、ライバル企業みたいなものがあって、そこさえ抑えてしまえばVRのオアシスを使った利権とかをいろいろ使って、さらに自分の会社が儲かるっていうことがわかっているので、そこにプレイヤーを何百人と送り込むわけです。
そんな中、17歳の青年の主人公がいるんですけども、その人がいわゆるゲーム仲間と一緒に、オンラインだから実際には会ったことはないんだけど、バーチャルの仲間とその三つの謎を解きにいくというのが、この『レディ・プレイヤー1』。これは見たらわかるのですが、ものすごいVR世界が繰り広げられているので、IMAX3Dなどの劇場がいいと思います。
岡村:
めっちゃ没頭しちゃう。
中井:
かなり序盤からぶっ飛ばしていて、アクションシーンがすごいです。わけがわからないことになっています。
初見では見きれない! デロリアン、チャッキー、ガンダム……さまざまなキャラクターが登場!
中井:
ほとんどVRのシーンなんですよ。まずVRのなので、何にでもなれるのがポイントという話をしましたけれども、いわゆる80年代のキャラクターとかアニメとかゲームとか漫画とか、映画のキャラクターだったりっていうものにもなれるわけですね。
なので、予告編にも出ていましたが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン。主人公の男の子がカーチェイスをするんですけど、そのシーンはデロリアンに乗り込んで、デロリアンで走るんですよ。
岡村:
ポスターが既に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』っぽい。
中井:
僕らが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を1、2、3と見ている中で、デロリアンが走っているじゃないですか。それよりも、より躍動してデロリアンが走っています(笑)。本家よりもデロリアンが躍動しています(笑)。
鈴木:
技術がだいぶ進化したからな。
中井:
そうです。
岡村:
それは夢があるな。
中井:
逆に僕からしたら嬉しいんですよ。今この時代にデロリアンが走っているっていうのが。
岡村:
確かに。
中井:
新しいデロリアンの絵が見られるのも。本当にいろいろなキャラクターが出てきます。ちょっとだけ言うとですね、ブラッド・バード監督の『アイアン・ジャイアント』とか、チャッキー【※】もいますね。
※チャッキー
ホラー映画『チャイルド・プレイ』シリーズに登場するキャラクター。
岡村:
チャッキーって何だっけ。
中井:
殺し屋人形のチャッキーですよ。
岡村・鈴木:
あぁ~!
中井:
あとは『ストリートファイター』から春麗(チュン・リー)とかね。
岡村:
ガンダムもいる。何でもありだ。
中井:
日本に対するリスペクトもすごく強いので、三船敏郎とかね(笑)。
鈴木:
なるほど(笑)。
中井:
まさに大友克洋さんの『AKIRA』の金田正太郎のバイクが出ていたりとか、一回見ただけでは全部追いきれないです。
鈴木:
細かいところまで作り込まれているんだな。
中井:
いろいろなキャラクターが画面の端まで出ているんですよ。いっぱい出まくっているので、うわ~っていう。
岡村:
小ネタ探しが楽しそう。
中井:
『キングコング』とかいろいろ出ているんですよ。ですので、何回も見て発見が楽しいっていうのがあります。