「作曲を続けるか、経営に専念するか」ゲームサウンドクリエイター坂本英城の悩みを解決したのはCC2・松山洋の“作りつつ社長をやる”生き様だった
最近のゲーム界隈について話すトーク番組「ゲーム界隈井戸端会議」に「勇者のくせになまいきだ。」シリーズなどのゲーム楽曲を手掛ける、ゲーム楽曲制作会社ノイジークロークの代表取締役の坂本英城さんが出演しました。
8年間のフリーランス生活を送った坂本さんが会社を立ち上げた理由や、ゲーム業界の社長が集まったバーベキュー会での裏話を、番組レギュラーのVジャンプ編集のサイトーブイさん、ファミ通編集の世界三大 三代川さん、ニコニコ動画の中野さんに語りました。
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フリーランス時代はブックオフでバイトの掛け持ちも
世界三大 三代川:
若いサウンドクリエイターの方はどういうきっかけで入ってくるんですか?
坂本:
多いのはゲームメーカーに入社して、サウンド部に入ってというのですね。うちでも募集すると60倍くらいの倍率です。やりたいという人も増えているんでしょうけれども、ただあまりゲームメーカー側でサウンドクリエイターを抱えづらくなっているんです。
サイトーブイ:
外注が増えている?
坂本:
はい。何本もゲームを同時進行で作っている会社さんならありえますけれど、そうじゃない場合はその他にやることがないですからね。それでうちみたいな会社に需要があったりします。
世界三大 三代川:
新卒で来るんですか?
坂本:
新卒の採用もしますけれど、だいたい採用するときは何かピンチのときなんですよね。仕事が回らないみたいな。だから基本的には中途採用をかけることが多いですね。僕は入社して1年で辞めて、その後はフリーランスをしながら、もちろんゲーム制作会社にお世話になりましたけれど、8年くらいはフラフラとフリーでやっていました。
世界三大 三代川:
そんな急にフリーでやれるんですか。
坂本:
だから最初のうち仕事は年間1本とか2本とかでした。それだけじゃ食べていけないので、ブックオフでバイトをしていたんです。だからブックオフのことは何でも知っていますよ(笑)。
一同:
(笑)
世界三大 三代川:
査定できるんですか(笑)?
坂本:
できますよ。
「フリーランスは立ち止まったら死にますからね(笑)」
坂本:
バイトでお金を貯めて、たまにいただけるゲーム音楽の仕事で機材を増やして。
世界三大 三代川:
本当の下積みという感じですね。
坂本:
そうですね。やっぱりゲームの会社に入れなかったことが悔しかったですね。
世界三大 三代川:
作曲もしたりして、バンドマンみたいですよね。
坂本:
そうですね。一人でどこまでできるのかなって。とりあえず全力で10年くらいやったら……みたいな感じで考えていましたね。
中野:
ゲーム業界に絞っていたということですか。
坂本:
ゲーム以外はやりたくなかったわけで、あと、音楽業界は怖いというのがあって(笑)。
一同:
(笑)
坂本:
そういうのばかりじゃないというのは、後で知るんですけれど(笑)。ゲーム業界は優しい人が多いですよ。でもフリーランスでやっていると、とにかく仕事の数が多くなりますね。メーカーに勤めちゃうと、1本を長く作ることも多いと思うので。
実質的には仕事が溜まるスピードがめちゃくちゃ早いです。それはいいかなと思うんですが、めちゃくちゃ大変です。立ち止まったら死にますからね(笑)。