「ポプテピはアニメじゃない」アニメ大好き芸人・ハライチ岩井が『ポプテピピック』大絶賛の風潮に反論
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「シュールをやりにいったら、ネタとか劇とかできない」
二ノ宮:
同じセリフで同じ絵に声をあてるって、声優さん同士だと割とシビアと言うか、戦々恐々っていう感じで、実力が出ちゃいますからね。
──それで言うと実力もわかるけれど、実は声優さんたちも守られていて、これが『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のヴァイオレット・エヴァーガーデン役を何人かで交代でやっていたら、完全に実力の差が出ていると思うけれど、たかが『ポプテピピック』だからっていうところでの、ちゃんと役者さんも守られている。
二ノ宮:
しかも、筋書きがしっかりしているコントとかではなくて、ただの理不尽。シュールっていう、よくわからないオチなしのやつ。
岩井:
シュールをやりにいっちゃいけないんですよ。シュールをやりにいったら、ネタとか劇とかできない。
たとえば舞台があります、何時に劇場に集合してくださいって言って、みんなでそこの劇場に行かずに、蕎麦屋で蕎麦を食べている。これがシュールです。そこに行って、演劇をやっている時点でシュールじゃない。
二ノ宮:
なるほどね。枠にはまってる。
岩井:
枠にはまっちゃいけないんです。
二ノ宮:
本人の中に意図と納得できるものがあってやっていて、周りにそれがシュールに見えているというのはいいけれどっていうことだよね。
岩井:
そうそう。
二ノ宮:
だから「シュールなことをやります」って言ってやっても、もう何でもよくなるじゃんってこと。
岩井:
むしろ「シュールなことをやります」って言って、めちゃめちゃ真面目なことをやっているほうがシュール。そういうことです。
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