“ポプテ酷評”のハライチ岩井が選ぶ冬アニメ1位は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』上位には「恋雨」「よりもい」等がランクイン
お笑い芸人ハライチ 岩井勇気氏がお届けする、本音でアニメを語る番組『ハライチ岩井勇気のアニ番』。
放送終了してなお、大きなブームをおこしているアニメ『ポプテピピック』について、岩井氏が酷評を展開する様子をニコニコニュースオリジナルではご紹介しました。
今回の記事では、『ポプテピ』のブームに対して疑問を投げかける岩井氏がラジオパーソナリティーの二ノ宮市丸氏をゲストに迎え、2018年総合冬アニメランキングを発表する様子をご紹介します。
『ポプテピ』を批判する岩井氏は果たして、どのような見方でランキングTOP3作品である『恋は雨上がりのように』『宇宙よりも遠い場所』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』をピックアップしたのでしょうか。
※本記事には『恋は雨上がりのように』『宇宙よりも遠い場所』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のネタバレを一部含みます。ご了承の上で御覧ください。
「ポプテピはアニメじゃない」アニメ大好き芸人・ハライチ岩井が『ポプテピピック』大絶賛の風潮に反論
『ポプテピピック』須藤Pが語る制作秘話。「オンエア前は社内で見向きもされなかった」「毎週、“電話かかってこないで”と祈ってやっと解放される(笑)」
『恋は雨上がりのように』
二ノ宮:
店長がうらやましい。
岩井:
うらやましいですよ。でも、店長うらやましいって思っちゃいけないと、俺は思っています。
九条ちひろ先生もまたいいですよね。あの回、よかったですね。
二ノ宮:
優しいですね、あの先生も。
岩井:
10年連絡来なくて。俺だったら、今さら売れたからって連絡してきてって思うけれど、それもまた、同じサークルの仲間として「俺の作品読んだか?」「どうだった?」っていう、いまだに店長からの評価を気にしているっていう。
「俺たちは大人じゃないのか」みたいなあのセリフとかも、めちゃくちゃよかったですね。
二ノ宮:
大人じゃないから、別にね。相手が「好きだ」って言っているんだから、付き合っちゃえばいいじゃんみたいな、そこに一歩踏み出せないっていう、全部自分で立ち止まっちゃう。
岩井:
それでも「俺なんか」みたいな、女子高生と付き合うなんかと思っていても、ちょっとだけ浮かれているところが、九条ちひろ先生がタクシーで帰るときに「女子高生の描写がちょっとダメだ」って言ったときに、店長はやっぱり嬉しんだなって(笑)。
二ノ宮:
一瞬、マウントを取ろうとした(笑)「俺、女子高生知ってるけど」みたいな(笑)。
岩井:
そうそう(笑)。
二ノ宮:
実写もやるんですよね。内容的には実写で問題ないですけれどね。
岩井:
45歳の設定なんですよね。でも、いまの45歳って枯れてないですよね。
二ノ宮:
ギラギラですね(笑)。
岩井:
そこがね。あの平田広明さんの店長の感じを出せるかなって。
二ノ宮:
実写だとちょっと悪いっていうことではないんですけれど、実写だとちょっと生生しくなっちゃう気がするんですよね。アニメだといい意味で生生しくない。リアルの悪いところがいい感じに削がれているから、純粋な心の動きを感じられるじゃないですか。
──実写にはなるんですよね。
二ノ宮:
なるんですけれど、店長が大泉洋さん。
二ノ宮・岩井:
……。
──なんですか、この空気は(笑)。
岩井:
大泉洋さんっていくつくらいだろう。45歳くらいかな。
──でも、まぁ大泉洋さんだったら……。
岩井:
でもやっぱり、全然45歳なら女子高生に手を出すよね。
──アニメだから、すごくいろいろなものが阻害されているから、本当に純愛を楽しめると思う。
二ノ宮:
そうなんです。
──岩井くんがなにかの番組で言っていた、アニメであってBLの話をしていたけれど、「純愛こそ二次元である」みたいな。ストレートなんですよ。ただ、ストレートすぎるからこそ、見るほうも邪言を取り除いて見ないと。
岩井:
そうなんだよね。
──見るほうも、ちょっと心構えが必要だと思います。実写のときは邪念があってもいい。
「いいな~広瀬すず、俺も付き合いてぇ」とか40歳が思ってもいいんだ(笑)。
二ノ宮・岩井:
そうそう。
岩井:
やっぱり純粋に見たいんですよね。あとは、オープニングがめちゃくちゃよかったです。
──オープニングの傘を持って飛んでいるところ。
岩井:
傘を持って飛ぶっていうのが……。
二ノ宮:
いいじゃないですか(笑)。
岩井:
最後、店長が半分のハートを持って、あきらちゃんが半分のハートを持ってくっつけて、ハートが完成するっていう。
オープニングで傘を使ったことを結構やっているんですけれど、サビ前で店長が傘でゴルフのスイングをするんですけれど、「見てた? エヘヘ」みたいな表情をするのがめちゃくちゃいいんですよ。
──確かにね(笑)。これをノイタミナのスタッフに話したところ、めちゃくちゃ喜んでいました。「そこを見てくれたのか!?」と(笑)。
岩井:
最高ですよ。
二ノ宮:
店長のダサい感じ。
岩井:
あれで店長の人となりがわかるんですよね。
二ノ宮:
ちょっとダメな感じ。誰もが認めるいい男という感じではないっていう。
岩井:
そういうことなんですよね。
『宇宙よりも遠い場所』
岩井:
私の3位が『宇宙よりも遠い場所』。
二ノ宮:
僕は1位ですね。
岩井:
めちゃくちゃよかったです。1話前の回がよかったんだよな。日向ちゃんの回がめっちゃ良かった。日向ちゃんって、あっけらかんとしていて明るい感じの女の子だったんだけど、それでもなぜ学校と部活を辞めたのかは、明らかにされていなかった。
友達に裏切られて辞めていって、それを報瀬ちゃんに見られていて。報瀬ちゃんはまっすぐだから「なんなのそれ?」って。いざ、テレビ電話が繋がったときに、報瀬がめちゃくちゃ言ってね。
「傷つけたっていうモヤモヤを、あんたたちはずっと持って生きていく」って。「それが私の友達を傷つけた代償だよ」って。「ざけんな」っていう報瀬ちゃんの、あの感じがいいんだよね。スカッとします。
それではじめて日向ちゃんが泣くんですよ。全体的に面白かったですね。
二ノ宮:
最終回も泣きますよ。パソコンが出てきて。雪の中で動かないだろうって思うんですけれど(笑)。メールを受信するところでボロボロきちゃって。
岩井:
あそこで堰を切ったように「お母さん」って言うんですよね、報瀬ちゃんが。
二ノ宮:
死体が見つかったわけでもないし、どうなったかはわからないのですが、恐らく死んだであろうという事実だけがあって。実際、自分の送ったメールがここに来るっていうことは、届いてないから死んだんだっていうのを、ようやく受け止める瞬間じゃないですか。
悲しいし、夢から醒めた瞬間で次に進めるからよかったねっていうのもあるけれど、あのシーンは天才だなって(笑)。
岩井:
(笑)。
あれ、よかったですね。その声を聞いて、扉の前の三人も号泣。全体的に本当によかった。日向ちゃんがいいのかな。日向ちゃんのチケットを無くした回。めっちゃ良かった。
二ノ宮:
あれはよかったですね(笑)。全然いらない話ではないですね。
岩井:
そう。パスポートを無くして、行きたかったんだけど迷惑をかけるのは悪いから、行ってきてよってあっけらかんとしているのが、すごい心に刺さる。
二ノ宮:
あの子、いい子なんだよな。
岩井:
報瀬ちゃんのバッグに入ってたんだよ。
──「将来スナックやってそう」っていうコメントが(笑)
二ノ宮・岩井:
(笑)。
岩井:
ダークホースでしたね。
二ノ宮:
全然こんな感じになるとは思ってませんでした。
岩井:
南極に行くアニメがこんなに面白くなるとは。
二ノ宮:
確かに(笑)。