けもフレ声優にN高のせんせーがガチ講義。かばんちゃんは「動物界・脊索動物門・哺乳綱・霊長目・ヒト科・ヒト属・ヒト」
アニメ番組『けものフレンズ』の声優と共に、動物の生態や魅力について、毎回ゲストを迎えて学んでいく番組『「けものフレンズ」 presents どうぶつ図鑑』が放送されました。
今回は、N予備校生物科講師の森田亮一朗さんをゲストに招き、番組MCのじゅん☆じゅんさん、『けものフレンズ』のジェンツ―ペンギン役の田村響華さん、フンボルトペンギン役の築田行子さんとともに、登場するキャラクターと合わせ、動物の分類について学んでいきます。
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動物の分類ってどうするの?
森田:
動物の分類を学ぼうということで、分類について改めて整理しましょう。
まず最初に魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類についてなのですが、そもそも何を分類したものでしょうか。生物全部がこの5項目に入るのか、それとも動物だけがここの5項目に入るのか。
前回ゲストで来ていた富田京一先生【※】が、爬虫類の語源は「地を這う」という意味なんですよっていうのを覚えていますか。爬虫類の特徴はウロコでおおわれている。体表が乾いている。砂漠で繁栄している。卵生なんですよというところですが、全部が卵を生むわけではなくて、2割くらいは胎生で、僕ら哺乳類と一緒です。
※富田京一
第16回のゲスト。肉食爬虫類研究所代表。
ここまで細かく分類されています。これは大学受験レベルです。一番右側に脊椎動物とありますが、僕らはここです。先ほど出てきた魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類も全部脊椎動物。
それ以外の動物を無脊椎動物と言います。つまり、脊椎動物か無脊椎動物かは、背骨があるかないか。だから脊椎動物は背骨がある。それ以外は背骨がないということで分類されています。
今、地球上で名前がつけられている生物は何種類あると思いますか。
築田:
500兆!
森田:
全然違います(笑)。意外に少なくて180万しか見つかっていません。ただ、まだ見つかっていない生物はたくさんいて、植物も込みで数千万種類とも言われています。
その180万の中で圧倒的に多いのが節足動物というものです。節足動物というのは昆虫です。その中で節足動物が110万。85%は全部節足動物なんです。かつそのうちの80万が昆虫なので、世の中の生物はほぼ昆虫です。
じゅん☆じゅん:
昆虫ってそんなにいる!? でも草むらとかにいっぱいいるもんね。
森田:
脊椎動物という一番少ないところを分類しているのが、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類というものなんですね。これは動物だけなので、これ以外にも植物があったり、菌類があったりします。
じゅん☆じゅん:
脊椎動物は何種類くらいいるんですか。
森田:
そんなに多くないですけれど、1万、2万くらいです。
じゅん☆じゅん:
180万に対したら少なく感じるね。
森田:
爬虫類が7000くらい。全部がそれぞれ1万弱くらいなので、全部で言うと5万弱くらいですかね。
背骨を持っている脊椎動物がどのように分類されるかなのですが、いろいろな条件を満たしているというのがあって、条件を満たしていたら鳥類だよとか、哺乳類だよという話です。
爬虫類というところを見ると、卵で産まれて殻のある卵を陸上に産むから乾燥に強いんだよ、そしてウロコにおおわれているんだよ、そして陸上生活をするんだというところがある。これが生物の分類の中での言葉の決まりなんですよ。
ここで富田先生がすごいと言ったのは、「実は爬虫類は20%くらいは胎生なんだよ」と。これは哺乳類の特性じゃないですか。例外が20%もあるというのが多いよねというのが先生は言いたかった。
じゅん☆じゅん:
確かにびっくりしましたもんね。全部卵のイメージがあったので。
森田:
マムシ【※】の中からマムシがっていうのがありますからね。こういう例外もあるので、生物全体がルール通りに分類されるわけではないので、わからないところがたくさんあるんだということです。
※マムシ
有鱗目クサリヘビ科マムシ属に分類されるヘビ。卵を胎内で孵化させて子を産む。
カモノハシは哺乳類、鳥類、爬虫類のハイブリッド!
森田:
きょうの出演者を分類で分けたら次のページのようになりました。ペンギンは全部鳥類、あとの出演者は全部哺乳類。ということで、『けものフレンズ』は鳥類と哺乳類を攻めているということですね。
じゅん☆じゅん:
僕はどこに入りますか?
森田:
魚類あたりじゃないですか。
一同:
(笑)
森田:
先ほど例外という話があったのですが、その例外が何かというと……。
一同:
カモノハシ!
森田:
カモノハシってどこにいるか知ってますか?
田村:
さっき見た毒の生物の本に載ってた。
じゅん☆じゅん:
え、毒あるの?
田村:
爪に毒がある。でもどこにいるか忘れた。コメントを見るとオーストラリアっていうのがたくさん……。
森田:
そう。オーストラリアにしかいないんです。カモノハシも実はいるかどうかわかっていなかったんですよ。カモノハシは最初何と言われていたかというと、ビーバーにくちばしを勝手に人が縫い付けたやつだと思われていたんですよ。
じゅん☆じゅん:
何それ!
森田:
なので、見つかったのは1789年にヨーロッパ人が発見したんですよ。カモのくちばしを縫い付けたと思っていたから、縫い目はどこだって探したらしいです。どういう種類なのか遺伝子を調べたんですが、調べたら哺乳類と鳥類、爬虫類の寄せ集めだったと。
じゅん☆じゅん:
そんなことできるんですか!?
森田:
分類上は哺乳類なんですよ。でも卵を産みます。そして変温動物。僕らはだいたい36.5度くらいでしょう。でも周りの温度によって変わるのが変温動物なんですよ。寒くなったら両生類は動かなくなる。あれは変温動物だから温度を温めにいっているんですね。
その性質を持つから、実はカモノハシは変温動物というところもあるということで、よくわからない。だから全部が全部、分類されるわけではない。
じゅん☆じゅん:
こういう例はカモノハシだけなんですか。
森田:
そうです。卵を産む哺乳類はカモノハシだけなんです。
じゅん☆じゅん:
進化の過程でそうなったんですかね。
森田:
カモノハシだけが取り残されたかですね。だからオーストラリアにしかいない。いろいろなところに行ったら、カモノハシは生存が不利だから、他の動物が勝っちゃてカモノハシは死んだりしているというのもあります。
じゅん☆じゅん:
カモノハシを実際に見るとなると、オーストラリアまで行かないといけない?
森田:
日本に1回も来たことがないです。カンガルーやコアラもオーストラリアにしかいないでしょう。あの大陸だけちょっと変わっているんです。
ネッシーは軟体動物!? 動物の各分類を細かく見ていこう
森田:
パンク町田さん【※】が「ネッシーは恐竜ではなくて、軟体動物かもしれない」と言っていたのを覚えていますか。軟体動物って何かわかりますか。
※パンク町田
第15回のゲスト。動物研究家。
田村:
タコ。
森田:
正解。貝類とイカ、タコ。
じゅん☆じゅん:
クラゲはまた違う?
森田:
クラゲはここで言うと、刺胞動物ですね。恐竜は脊椎動物じゃないですか。爬虫類か鳥類かどっちかという話ですが、それは脊椎動物のところなんですよ。
それで、プレシオサウルス【※1】じゃないかと言われているのがネッシーなんです。もっと広く言うと、竜脚類。ブラキオサウルス【※2】。『ジュラシック・パーク』で呑気にしている首の長い大人しい恐竜。あれがネッシーじゃないかと言われています。
※1プレシオサウルス
中生代三畳紀後期からジュラ紀前期に棲息していた首長竜の属の一つ。
※2ブラキオサウルス
中生代ジュラ紀後期から約1億4500万年前もしくは約1億1200万年前までの期間に棲息していた巨大な草食性恐竜の一つ。
じゅん☆じゅん:
確かに形は似てますよね。
森田:
でも突然「軟体動物かもしれないんですけれど」って言われたら、おっ!? ってなりませんか。全然違う枝分かれになっているところで、いろいろな説があるんだなというところです。
じゅん☆じゅん:
一番上のカテゴリは何ですか。
森田:
新口動物ですね。脱皮動物とか冠輪動物というのがありますが、脱皮動物は脱皮をして成長する。冠輪動物は脱皮をせずに成長する。新口動物というのは、図で枝分かれになっているのがわかりますか。
旧口動物と新口動物がありますが、最初に形が変わっていく時に穴がへこむんですよ。そのへこんだ穴がそのまま口になるのが旧口動物。へこんだところではないところに、新たにできるのが新口動物。
一同:
わからん(笑)!
田村:
どういう動物のことですか。
森田:
形が変わっていく時に、ずっと丸いままじゃなくて、どこかへこんでいくんですよ。へこんでいったところがそのまま口になる動物が旧口動物。この出口が肛門になる動物を新口動物と言います。たとえば軟体動物とかは旧口動物の部類に分かれます。
じゅん☆じゅん:
例を一つずつ挙げてもらってもいいですか。
森田:
左から海綿動物というのは、偕老同穴【※】とかいうのがあって、こいつらは体の構造がものすごいシンプルで枝分かれがない。単純な形のやつ。
※偕老同穴
かいろうどうけつ。細長い筒形の海綿動物。目のあらいかごのような骨片からできており、しばしば中に雌雄一対のドウケツエビがすむことがある。転じて夫婦なかよく、生きてはともに年をとり、死んではいっしょに葬られることを指す。
(画像はWikipediaより)
刺胞動物はクラゲ。扁形動物はプラナリア【※】って知っていますか。切っても再生するんですよ。
※プラナリア
扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する動物の総称。
(画像はWikipediaより)
田村:
海にいますか?
森田:
います。きれいなところにいるんですよ。切っても切ってもプラナリア。
田村:
見たことあるかも。
じゅん☆じゅん:
切ったほうと、切られたほう、2つとも生きてるんですか。
森田:
切ったほうも完全な個体になるし、切られたほうも完全な個体になります。
じゅん☆じゅん:
それをまた切ったら4つになるんですか。
森田:
2個が限界らしいです。何がすごいかって、頭は上にしかないでしょう。でも実は上と下、同じ記憶があるんですよ。体で記憶しているんですよ。頭は上にしかない、でも両方同じ記憶を持っている。だから運動部の先生が「体で覚えろ」というのは、あながちハズレではないんですね。
じゅん☆じゅん:
下の部分は目ができるんですか。
森田:
こうやって再生されます。
一同:
すごい!
森田:
次が輪形(りんけい)動物なんですけれど、この辺はワムシとか呼ばれるやつで、そんなに多くないです。次が環形(かんけい)動物。切っても切っても断面図が丸になっているんですよ。
田村:
ミミズ?
森田:
正解! あと、ゴカイとか。ものすごく平たく言うと、海にいるムカデみたいなものですね。大きいのだと2mくらいのものがいますからね。線形動物もセンチュウとかくらいです。節足動物が、これが一番多いと言っていた昆虫とかです。棘皮(きょくひ)動物というのがありますが、トゲトゲしているやつです。
田村:
ウニ!
森田:
正解。あとはヒトデとかです。
築田:
ハリセンボンはどうですか。
森田:
魚類ですね(笑)。原索(げんさく)動物というのは、ホヤとか、ナメクジウオとかですね。
田村:
ウミウシ?
森田:
ウミウシはどこなんでしょうかね。軟体動物かもしれませんね。いろいろな説があります。そして脊椎動物が魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類ですね。こういうふうに分かれているということです。