仮想通貨を完全に管理することは不可能？ “コインチェック不正流出”を受け、自民党議員らが仮想通貨のリスクに言及
仮想通貨の投資リスクについて警鐘
山本：
でも昨年からNEMの相場は200倍ですよ。ちょっと頭が飛びますよね。100万円が20億円になるわけじゃないですか。ビットコインも20倍だもんね。
長尾：
一言だけ言っておきたいのですが、昨年の11月、12月ぐらいに、仮想通貨はどれも暴騰しているんですね。それによって市場参加者も当然増えましたし、仮想通貨の取引所の数も格段に増えているんですね。おそらくこの規制が追いつかない理由にもあるのですが、まさか誰も取引所をやっているコインチェックの経営陣の人たちも、ここまで一気に市場参加者が増えて市場が大きくなるのは予想できなかったと思うんです。
そうなると、当然ながら個社ごとのセキュリティ体制も追いつくのは難しくなりますし、規制側も全部規制してしまうと盛り上がるものも盛り上がらなくなりますし、その見極めは非常に難しかったということですね。仮想通貨に限らず為替もそうですし、株もそうなんですが、仮想通貨取引所にアカウントを作って、個人で入りやすくなっていますけれども、当然ながら投資した額を棄損するリスクもあります。
世の中ではIQ200くらいで、仮想通貨を一生懸命ずっと考えて、「どうやって儲けようか」と考えている人もいるので、必ずしもどんなに規制されても、自分には全くリスクのない状態で入ってくると思ってしまうと痛い目にあうので、自己責任がついてくるということも大切ですね。
山本：
やっぱり仮想通貨自身をコントロールすることは、まだできない。1000何種類とあって、どんどん抜け穴を作っていくから、仮想通貨自身を完全に管理することはできない。だから、各中央銀行は、流通はさせないけれど試作品を作ったりとか、ブロックチェーン自体を取り入れようという動きさえあるので、そういうイノベーションの部分をにらみながらやっていかないといけませんね。