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「これが『Mad Max』の世界観を再現した世紀末フェスだ!」 ヒャッハーすぎる全貌を町山智浩が潜入リポート。モヒカン体験、指骨折……一体、何が起きた!?

会場内はなんでもある! “無いのは水とガソリンだけ”

町山:
 今、我々はFURY ROADの近くにいるのかな!? マップを見ると、メインステージ、本当のセキュリティ会社やきちんと医療のプロで編成されている病院なども配置されているので、敷地内はすこぶる安全が徹底されているみたい。食堂もあって、何もかも揃っているけど、“無いのは水とガソリンだけ”(笑)。

 この二つは、参加者がそれぞれ交換しては交友をはかっているようで、「水とガソリンは持参してこい」とのこと。核戦争後の世界なので、そこは徹底しています。あと! 砂漠なので小さいお子さんの参加は危ないので禁止されているようです。

町山:
 キャンプサイトは、トライブ(種族)ごとに分かれているようで、ビールのキャップに描かれたマークが各トライブの目印になっているみたいですね。ちなみに基本的に物々交換の世界ですが、このキャップはお金としても流通しているとのこと。

町山:
 最も価値のあるものは、弾丸とガソリン。ウェイストランドの贅沢品といったところでしょうか。ちなみに、各トライブには、「入れてくれ」と言えば、入れるそうです(笑)。それぞれテーマがあって、ミリタリー、ウォーリアー、ダンサーなどなど、職業ごとにカテゴライズされていると。これだけ広大な会場ですが、閉会後1週間ですべてなくなってしまうというから信じられない(笑)。

町山:
  ジャガー!? これは何だろう?

男:
 ジャガーは熱いスポーツだよ。映画『サルート・オブ・ザ・ジャガー』に登場する競技を再現して、ここでやるんだ。ウェイストランドに文明を取り戻すのさ。

町山:
 ルトガー・ハウアーが主演したあの『サルート・オブ・ザ・ジャガー』? 

男:
 その通り。ここで開催して8年目になるよ。1チーム10人で戦い、3チーム作ってリーグ戦を行うんだ。ウェイストランドに伝統を築けて光栄だ。

町山:
 映画では、死の危険性のあるスポーツだったと思うのですが……。

男:
 実際、危険なスポーツだね。だから、みんな、毎週のようにトレーニングしてきているんだ。60%はスポーツだけど、40%はショー。本気でやったら死んじゃうからね! それに、みんな、月曜日には仕事に行かなくてはいけない(笑)。

町山:
 ははははは! なるほど(笑)。

男:
 でも、真剣に戦うし、みんな勝ちたいんだ。今日は4時からメインステージでやるから、興味があったら来てくれよ!

町山:
 あ、あれは! サンダードームじゃないですか!? 設営しているのかな!? 

通りがかりの男性:
 サンダードームは、“デス・ギルド”が管理しているんだ。興味があるなら、戦いが始まる夜に来るといい。

町山:
 デ……デス・ギルド!?

(男、過ぎ去ってしまう)

なんと核戦争後の新興宗教まで存在! 武器屋に行けば、ヒャッハーになれる道具も揃う!

町山:
 ここは何だろう?

男(司祭):
 ここは教会だよ。

町山:
 教会なの!? 一体、どんな信仰を……?

男(司祭):
 身体を錆や泥などで汚すことで、魂が浄化されるんだ。

男(司祭):
 ここに書かれていることをクリアしていけば、どんどん汚れていき、位が高くなるんだ。

町山:
 ボーイスカウトのレクリエーションみたいだな!(笑)

男(司祭):
 ははははは! クリアするごとにポイントが貯まっていくんだよ。優秀者には(被っている)王冠をプレゼントするんだ(笑)。

町山:
 汚れることで神に近づくことができるなんて、ホント、核戦争後の発想だよなぁ~。サンキュー!

 ここはトライブかな? 

女性:
 そうよ。ここは「釘のトライブ」。 

町山:
 いや~いろんなトライブがあって、各々に旗を掲げているんですね~。

町山:
 会場にはカジノもあるみたいですね~。ボトルキャップを使って賭け事ができるみたいです(笑)。あっちには武器屋があるみたいなので、行ってみましょう!

武器屋リーダー:
 どうだい、すごい武器の数だろ?

町山:
 Wow! どれくらいこのイベントには参加しているんですか?

武器屋リーダー:
 2011年から参加してるよ。今年で7回目かな。お互い貢献しあう素晴らしい世界だね。試行錯誤の場が与えられることも素晴らしいね。

町山:
 世界崩壊が待ちきれない?

武器屋リーダー:
 待ちきれないよ(笑)。

町山:
 ははははは! サンキュー、ありがとう! 

町山:
 手ぶらできても、武器を手に入れることができたり、衣服を買うことができるわけですね。そして、先ほどの教会で衣服を汚せば簡単に核戦争後のコスプレを楽しむことができる、と(笑)。誰でもすぐにディストピアの住人になれるわけですね。

 この手配書は何だろう?

バウンティハンター:
 賞金首を捕まえると、ボトルキャップがもらえるんだ。自分を指名手配犯として申し込むと、俺たちのようなバウンティハンターがそいつを追っかけにいくという、一種のゲームだね(笑)。

町山:
 まるで核戦争後の“鬼ごっこ”だね(笑)。ゲーム性の高いアトラクションも数多くあるみたいですね~。

 ロードウォーリアーみたいな女性がいるので、話しかけてみましょう! ハロー!

女性:
 Hi! モヒカンもコスチュームも自分で作ったのよ! 

町山:
 缶のプルトップがくさび帷子みたいでカッコいいですね!

女性:
 ありがとう。私はカフェで働いているから、また来てね。コンセプトは、“核戦争後のスターバックス”よ(笑)。

町山:
 すごいカフェだな(笑)。ホントに、ここには『マッドマックス』に憑りつかれた人たちしかいない。かく言う私も、初めて『マッドマックス』を見たときは大興奮して、信じられないくらいのスピードでバイクを走らせたもんなぁ(笑)。

町山:
 テレビで初めて『マッドマックス』が放送されたのは、水曜ロードショーという番組だったんだよね。当時、僕は大学1年生くらいで、見終わった後、あまりの興奮でまだ何もなかったお台場へバイクをぶっ飛ばしたんですよ。そしたらすごい量のバイカーたちが集っていたの(笑)。

 みんな、『マッドマックス』に感化された人たちで、興奮しすぎてバイクをぶっ飛ばしたけど、どこに行っていいか分からないから、「とりあえずお台場に集まった」なんてこともあって、今となってはいい思い出です(笑)。それくらい『マッドマックス』って、人を焚きつける何かがあるんですよね。

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