ハワイに死角なし! ハワイが世界中の憧れを集める観光地になった理由
『WOWOWぷらすと』では、10月14日からハワイを代表する二大イベントをまとめて楽しめる、日本最大級のフラの祭典の10周年記念公演がWOWOWにて放送することに合わせ、「ハワイ」をテーマに取り上げました。
「ハワイが観光産業として成功した背景」をサンキュータツオさんとライターの速水健朗さん、映画・音楽ライターの宇野維正さんとミュージシャンのサイトウ “JxJx” ジュンさんが語りました。
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「観光産業」の視点から見ても死角なし! 世界中が憧れる観光地になった背景
サンキュータツオ:
日本人はいつ頃からハワイに憧れるようになったんでしょうか。
速水:
海外渡航ができるようになった1964年。一般人でも渡航が可能になった年にクイズ番組で景品になっていました。日本のクイズ番組はあれだけハワイを持ち上げていて……だから日本の海外旅行史ってクイズ番組で語れちゃうんですよね。
あと加山雄三の『ハワイの若大将』は渡航解禁前で、パンアメリカン航空(以下、パンナム)との協賛で一般人に海外渡航が解禁される前に憧れのイメージを付けておこう、となった。それとハワイがアメリカでも50番目の州になったときに、世界で一番最初に観光キャンペーンを行ったんですよ。
それを踏襲して日本でもハワイブームを起こさないと、となった。映画の相手役の星由里子はパンナムの社員という役の設定になっていて事実上の協賛。クレジットにも入っているし。だからクイズ番組とパンナムの関係性って絶対にあったと思うんです。
サンキュータツオ:
ハワイは観光産業というもので成功を収めた初めての場所と言っても過言ではないんですね。
速水:
1958年にアメリカの50番目の州になったときに、エルビス・プレスリーの『ブルー・ハワイ』という映画が作られたんですが、あれは全部協賛金の予算で作られています。
速水:
ハワイをすごい楽園にしようという、旅行代理店が今のアメリカにないような南国リゾート感というものを、もともとのハワイとは違う形でイメージ作りをしていったんですよ。外国感を醸し出しながら、ヤシの木とか、アロハシャツとか、いわゆる「これが観光アイテムですよ」というものを決めていきながら、観光用に作り直したものがたくさんある。
ちなみに僕らは沖縄とハワイをよく比べますよね。沖縄にはもともとヤシの木はなかったんですが、ハワイのイメージを1972年の沖縄返還のときに、アメリカ人が持っているハワイのイメージを置き換えた。かりゆしウェアを作りましょうとか、沖縄そばを作りましょうとか、忠実にハワイのキャンペーンを研究して作ったという記録があります。
宇野:
沖縄だけではなく、あらゆる海の観光地がハワイのヤシの木のイメージをトレースしているんでしょうね。
アメリカンカルチャーとスピリチュアルが同居する場所
サンキュータツオ:
沖縄とハワイって何が違うのか教えてもらいたいです。
宇野:
一番の違いは湿度ですよね。
サンキュータツオ:
どんなに暑くても汗をかかないって聞いたことあります。
宇野:
僕、一つ言いたいのは、「ハワイはアメリカ」なんですよ。日本では4カ月後とかにしか見られない映画が普通に上映しているんですよ。
サンキュータツオ:
ハワイに映画館はあるんですか。
宇野:
ありますよ。ショッピングモールの中にもあるし、ハワイ島とかにもあるし、アメリカ人は基本映画ばかり見てますからね(笑)。
スタッフ:
昼間ビーチで夜は映画みたいな。
サンキュータツオ:
ゴキゲンじゃん! あとは酒だよ(笑)。
宇野:
気軽にアメリカの文化の恩恵を受けられるのが沖縄とは違いますね。
サンキュータツオ:
なおかつ日本語が通じる場所がたくさんあるという異質な場所なんですね。
速水:
今フラブームがすごいんですよ。ハワイに行く人でビーチに行かないで帰ってくる人が多いんですよ。特に女性は山のほうが人気なんです。神が宿る場所で大地と一緒にフラを踊るというのがメインで、一回もビーチを見ないで帰ってくるらしいです。
サンキュータツオ:
サイトウさんが好きなハワイはどんなところですか。
サイトウ “JxJx” ジュン:
僕はオアフ島の専門なんです。
宇野:
だいたいここ数年の女性誌の特集は一周回ってホノルル、オアフになっています。
サンキュータツオ:
魅力はどこにあるんですか。
サイトウ “JxJx” ジュン:
ものすごいアメリカンカルチャーがあるんです。そういうのもありつつ、ハワイなのでスピリチュアルなノリや自然もある、ビーチはすごく綺麗ですね。バランスがいいんです。
サンキュータツオ:
文明のある地方みたいな感じなんですね。
サイトウ “JxJx” ジュン:
それが信じられないくらいの近距離で共存しているんです。
宇野:
オアフ島とその島の違いは、やっぱり他の島だとレンタカーを借りないといけないんです。オアフ島はレンタカーを借りなくても、市内の無料バスがあれば歩いてどこでも行けちゃう気軽さが大きいですね。
サイトウ “JxJx” ジュン:
僕はレンタカー推奨派で街、海、山も全部楽しみたいタイプです。
サンキュータツオ:
すごい過ごしやすい小田原だよね(笑)。
一同:
え~!
サイトウ “JxJx” ジュン:
とにかくバランスがいいんです。
宇野:
僕は奥さんと行くとパワースポットに無理矢理連れて行かれるんですが、そういうのも抜きに、そこに流れている「気」がいいんですよ。
サンキュータツオ:
リラックスしたという空気と言うか。
宇野:
スピリチュアルなんですよね。