いくつ聞いたことがある? 研究が進んで時代遅れになった「将棋の格言」を紹介!
今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『【話を盛りすぎ】鵜呑みにしちゃいけない将棋の格言7選!【時代遅れ】』という、いえろーずさんの動画です。
投稿者のいえろーずさんは将棋や麻雀、ゲームに関する動画を中心に様々な動画を投稿しています。
今回の動画では、将棋の世界で古くから言い伝えられている「格言」の中から、研究が進んで現代では鵜呑みにしない方が良いものを紹介するようです。
本記事では動画から4つを抜粋してご紹介します。
1つ目は「三桂あって詰まぬことなし」です。
三桂の「桂」とは桂馬というコマのことで、他のコマを飛び越して2つ前方の左右へ移動できます。
他のコマを飛び越せるという動きは唯一無二で、守りを固めた相手にも遠距離攻撃のように攻めることができます。
この特徴から、相手の王を追い詰めるときに活躍するので「三桂あって詰まぬことなし」=「桂馬を3枚持っているなら、相手を詰ませることができる」という格言です。
なのですが、桂馬を3枚も攻撃に活用できるのは相手とコマの取り合いをした後であり、しかも桂馬だけで詰ませられる状況は稀とのことです。
王の逃げ道をふさぎ追い詰めるなら金や銀が強く、桂馬だけいっぱいあっても詰ませられないので「多ければ良いということではない」そうです。
2つ目は「二枚替えなら歩ともせよ」です。
こちらのコマを1枚取られても、相手のコマを2枚取れる「二枚替え」の状況なら、二枚取る方が良いという格言です。
こちらの格言は「非常に大事な考え方だけど、話を盛りすぎている」そうです。
例えば、飛車や角という強力なコマを犠牲にしたとしても金と銀の2枚が手に入るならお得とされているとのことです。
飛車や角は大駒とも言われ、将棋のコマの中で特に強力な存在です。それを相手に渡してでも2枚のコマを手にするのはアドバンテージがあるということなので「二枚替え」は基本的にお得と思っていいようです。
しかし、コマの中で最弱の「歩」を2枚取れるからと言って大駒を犠牲にしてはさすがに損になるとのこと。
「歩ともせよ」まで言ってしまうと、さすがに言い過ぎだそうです。
続いては「横歩三年の患い」です。
画面のような盤面で、こちらの飛車の横にある相手の歩は取っても他のコマに取り返されず安全に取れるコマです。ですが、この「横歩」を取ってしまうと後々苦しむことになるぞ、という格言です。
横歩を取るために飛車が横にずれてしまうと、そこから動かしにくくなり不利とされたのでこの格言が生まれたそうです。
しかし、現代では将棋ソフトを使った研究によって、逆に取った方が有利と言われているそうです。
研究の発展で「完全に時代遅れ」になってしまった格言とのことです。
最後は「振り飛車には角交換」です。
振り飛車とは、最初の配置では右側に置かれている飛車を左側へ大きく動かして戦う打ち方です。
飛車を右側から動かさない「居飛車」と並んで、将棋の二大戦法の1つです。
相手が振り飛車で来たら、こちらの角を犠牲にして相手の角を取り「角交換」すると良いという格言ですが、こちらも研究が進み事情が変わった格言だそうです。
振り飛車の中にも積極的に角を交換する戦法もあるとのこと。
また、積極的に角交換しない戦法でも状況次第では角交換することもあり、現代ではすでに定跡とは言えないようです。
調べてみると、将棋と言われて多くの人がイメージする「本将棋」は15、16世紀に完成したそうです。
1つのボードゲームを400年以上研究し、最先端のAIソフトなども取り入れて戦法が進化し続けていることを思うと、格言が時代遅れになっていくのも歴史の一端なのかもしれません。
記事では割愛しましたが、動画では他にも言い過ぎな格言を紹介していますので興味がわいた方は、ぜひ下記のリンクから動画でもお楽しみください。
視聴者のコメント
ターン制ゲームのこうすりゃええねん系の話はなんであんなにも盛られがちなのか
桂馬みっつも持ってるなら他の駒も大抵あるからね
最終盤こそ金銀が欲しくなるけど、詰ませの序中盤こそ桂馬がくっそ強いのよね
どっちかというと「桂馬をほいほい渡すと頓死するぞ」って警句な気がする
ゴキゲン中飛車 すき 語感が
▼動画はこちらから視聴できます▼
『【話を盛りすぎ】鵜呑みにしちゃいけない将棋の格言7選!【時代遅れ】』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm44408180
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