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古代メソポタミアの料理を作ってみた! イェール大学に保管されたレシピを参考に「羊のもも肉の煮込み」を調理

 今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『【歴飯コラボ】古代メソポタミアの煮込み料理をつくる【VOICEROIDキッチン】』というとらひこさんの動画です。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

歴飯コラボ2日目。
古代メソポタミアのご飯つくってみたかったので、良い機会になりました。
ありがとうございました。


 投稿者のとらひこさんが、古代メソポタミアのご飯を作ります。数少ない資料を元にさまざまな考察を加えながら、試行錯誤して完成させました。

 まずはレシピの確認です。古代メソポタミア料理の資料は少ないですが、そのうちのひとつが米国イェール大学に保管されている3枚の粘土板タブレットです。書かれたのは紀元前1600年頃だと言われています。

 ここには40ものレシピが列挙されています。今回はそのなかでも、比較的内容が読み取りやすい「羊のもも肉の煮込み」を作ります。

 レシピは「新鮮なもも肉を使うが、他の肉も必要である」などあいまいな表現で、分量や加熱時間の長さなど定量的な情報は書かれていません。この辺は作りながら考えていくことにします。

 「お前は水を用意する」とあるので、鍋でお湯を沸かします。その間に玉ねぎ、ポロネギ、にんにくの用意をします。古代メソポタミア料理ではこの3つが頻出します。ポロネギは通販で購入しました。

 レシピには「叩き潰す」とあるので、とりあえず包丁で細かくしておきます。

 次にお肉です。古代メソポタミアでの食肉と言えば伝統的に羊が多いです。「他の肉も用意」とあるので牛のもも肉を使うことにしました。

 お湯が沸いたら、塩と脂を入れます。文脈から考えると脂は羊のものが正しいと思われますが、手に入らないので牛脂で代用します。

 なぜ脂を入れるのかは推測の域を出ませんが、現代で牛脂を入れたままにしておくと本当に脂っこくなってしまうので、適度に溶けたら取り出します。

 お肉とお野菜を投入します。お肉とネギがいい香りです。羊の肉は煮込むと臭うので、野菜を早めに入れて獣臭をカバーします。

 ところで、レシピには「サミドゥ、キシンム」を加える表記があります。これらが具体的に何を指すのかわかりません。使われ方からスパイスのように思われたので、レシピ集にたびたび出てくるクミンとコリアンダーで代用します。

 スパイスを加えたら弱火でじっくり煮込みます。25分煮込んだら完成ですが、盛り付けにもこだわります。

 レシピ上の調理完了を指す文言として「ナイフの前に出せるようになった」と書かれています。そのため具材は具材だけで出していたのではと解釈できます。

 こうして「羊と牛のもも肉の煮込み」ができあがりました。食べてみると羊の栄養あるおいしさが口に広がります。現代のようにタレやソースがあるわけではないので素材の味に頼った料理になりますが、そこそこ食べられるお味になりました。

 動画には「何が恐ろしいってコメントに野生のメソポタミア詳しい人が何人か来てるって事だよな…」との声が寄せられています。興味深いコメントも多数寄せられていますので、メソポタミア好きな方はぜひ動画も視聴してみてください。

視聴者コメント

歴オタとして天国のような最高の企画だ…
結構手間暇掛かっているな
ザワークラウトかけたら美味しそう
動画の文化度が高い…
多分当時の各家庭でも違った形の「羊肉の煮込み」があったんだろうな

文/高橋ホイコ


▼動画はこちらから視聴できます▼

『【歴飯コラボ】古代メソポタミアの煮込み料理をつくる【VOICEROIDキッチン】』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm43648161

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