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ミクと会場お散歩デートも!? 初音ミクの創作文化が詰まった『マジカルミライ 2017』参加レポート

ユーザー参加型の企画も目白押し!

 ユーザー参加型文化の祭典ならではの企画も目白押し。

 ステッカーを貼ることで、参加者たちが「どこから来たのか」がわかるマップも展示。日本だけでなく、海外からの参加者が多いこともわかる。ちなみに、台湾の地図は初日の開始早々で埋め尽くされ、海の部分までステッカーで溢れていた。

 会場には外国人の来場者も多く目についたが、ひときわ目立っていたひとりが、髪の毛とヒゲをミクと同じ髪色に染めたアメリカ人の男性。

 シカゴ出身の彼が初音ミクを好きになったのは8年前。ゲーム「初音ミク -Project DIVA-」を通してミクを知り、以降は「HATSUNE MIKU EXPO」などにもたびたび参加しているという。左腕にナンバー「01」の“痛タトゥー”を入れるほど気合には驚くほか無い。

 ちなみに、いちばん好きなゲームを聞いたところ、答えは「メトロイド」だった。日本のゲームが大好きな外国人が、ゲームを通してミクを知ったケースというわけだ。

 参加者たちが記念のイラストを描くコーナーも。

 持ち寄ったグッズを並べて記念撮影を行う「piapro祭壇」では、着飾ったドールやフィギュアがずらり。

 ドールを首にぶらさげて一緒に移動し、リアル“ミクさんぽ”をする人も見かけた。彼は自身のクルマもペイントし、ミクの痛車も所持しているという。

 会場の外でもドールの愛好家たちが集まり、人形を並べて撮影会を行っていた。愛好家たちが集うコミュニティもあるようで、スタジオを借りての撮影や、お出かけをしてのロケなど、様々な楽しみ方があるようだ。

 休憩スペースでは、「アンドロメダ子」と「アンドロメダ男」(※)がくつろいでいる光景も。(※「エイリアンエイリアン」などの楽曲を作っている、ボカロP・ナユタン星人の動画に出てくるキャラクター通称)

 この4人はミク関連のイベント常連とのことだが、そのうち3人はコスプレ初体験。初のコスプレが、「アンドロメダ子」&「アンドロメダ男」とは、なかなかにコアな選択だ。

熱狂に包まれたライブ会場

 初日のライブは17時から。開場を待ちわびたファンたちが、ライブ前に並んでいる様子。

 初日の夜公演では、生バンドに合わせてボーカロイドたちが歌唱し、観客たちが大歓声をあげながらペンライトを振り続ける、熱狂的なライブが繰り広げられた。

 スクリーン上に、マジカルミライの歴史を振り返る映像が流れたのち、ステージ中央、光のなかからミクが登場。1曲目の「みんなみくみくにしてあげる♪」から会場の盛り上がりは最高潮。会場が緑色のサイリウムで埋め尽くされる光景は圧巻のひとことだ。

 その後も、鏡音リン・レン、KAITO、MEIKO、巡音ルカたちが次々とステージに登場し、新旧の名曲を歌い上げ、オーディエンスが熱気も冷めやらぬなか、ライブは終了した。


 このバーチャルなキャラクターたちが歌って踊る姿に観客が熱狂する。この光景を見て、思い出した作品がある。

 今年のはじめに上映された人気アニメ、「劇場版 ソードアート・オンライン –オーディナル・スケール-」だ。劇場版SAOでは、劇中のARゲーム内にバーチャルアイドルが登場する。ライブを開催すればプレミアチケットの争奪が起こるほどの人気ぶりで、実際にステージに立てば、大勢の観客が歓声を上げるのだ。

 劇中における映像を投影するデバイスはサングラス型で、このライブではステージ上のスクリーンという違いこそあれど、バーチャルアイドルに熱視線を送るという体験は変わらない。

 ミクが初めて実際のステージに立ってパフォーマンスを披露したのは、2009年の「Animelo Summer Live 2009 -RE:BRIDGE-」だった。つまり、ミクの存在は、アニメ映画の展開をも先取りした内容だったといえるだろう。

 バーチャルなアイドルに観客が熱狂し、さらに、そのキャラクターと一緒に散歩したり、家で会話も楽しめる。そんな夢のような体験が一気通貫で楽しめるイベント。それがマジカルミライだったのだ。

 10周年を迎え、ますます多種多様な展開が生まれ続けているVocaloidカルチャー。今後はどのような企画が生まれるのか、楽しみである。

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