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ボカロの域を超えた神歌唱…! 狐子&知声の“魂実装済み”Aira「フィナーレをあなたに。」

 2023年3月に投稿された、Airaの「フィナーレをあなたに。」。

 CeVIO AI 音楽的同位体・狐子とVoiSona・知声(Chis-A)を使用したこの楽曲は『The VOCALOID Collection ~2023 Spring~』参加作品として投稿され、見事ルーキーランキングにて第8位を獲得。
 ボカコレ初参加でありながらもTOP10ランクインという大健闘を見せ、新人P・Airaの現在の代表曲のひとつともなっている。

取材・文/曽我美なつめ


 本作最大の魅力は、やはりまるで本物の人間のような揺らぎを帯びた狐子&知声の独特の声だろう。
 以前からAiraの楽曲には度々見られていた調声のテクニックではあったものの、今回の楽曲においては二人の声質との相性の良さも相まって、コップの縁から今にも溢れだしそうな痛切な感情が痛いほどに伝わってくる。

 曲の冒頭から、まさに「神調教」「魂実装済み」と言っても過言ないその声が存分に発揮されている今作。
 涙を必死でこらえているような、あまりにもボカロらしくない感情の乗った声に、一気に惹きつけられたリスナーもきっと多いのではないだろうか。

 またボーカルに込められた激情とぴったりマッチングした美麗イラストも、楽曲の視聴とあわせて映像で楽しみたいポイントでもある。
 Aira曰く「もう一人の自分に別れを告げる曲」として書かれた曲の歌詞も、手放したくとも手放しきれない自我を無理やりに引き裂く痛みや葛藤が、ひしひしと伝わってくるようだ。

 さらに加えて、そんな鬼気迫る迫力の籠もったメインボーカルに押し負けることのない、細部まで作り込まれた楽曲も全体的に完成度が高く、聴き応えのある音に仕上がっている。
 オシャレでテクニカルなベースを軸として、洗練されたシンセサイザーのビートやサウンドも聴いていて非常に心地良い。

 楽曲そのものに奥行きを感じさせる巧みなミックスや、最後の最後までリスナーを飽きさせない工夫の凝らされた曲構成も必聴のポイントである。
 ともすればあまりにもルーキーらしさのないこれらのハイセンスな技術は、おそらくAira本人のピアノを始めとした豊かな音楽経験が土台とされているのだろう。

 ボカコレが終わってなお、ニコニコ超会議や様々な各地でのラジオ放送など、至る所で大勢のリスナーの心を、頭のワンフレーズからがっちりと掴んで離さない本作。
 ボカロ好きを名乗るからには、ぜひとも押さえておきたい1曲だ。

視聴者のコメント

「1音目から好き」
「Airaさんがとうとう見つかってしまったか」
「ルーキーってなんだっけ」
「調声えぐくて飽きない」
「声震えてるのどうやってんだ…?」
「ボカロの域超えて芸術」


フィナーレをあなたに。 配信リンク

「The VOCALOID Collection」 公式サイト

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