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ボカコレ2023春ルーキーの注目楽曲!スモーキーな初音ミクの歌声とパワーあるサウンドが魅力『赤眼が通る』

 今回は、TakoyakiKZYさんが2023年3月18日に投稿した「赤眼が通る」を紹介します。

取材・文/村上麗奈


 ボカコレ2023春ルーキーで11位に輝いたTakoyakiKZY「赤眼が通る」。

 軽快かつ手数の多いドラムとともに〈あぁもうさ 永遠なんて余りに馬鹿らしすぎて 面倒だ 明日まで待って〉と歌い始める本曲。気だるさの滲む歌詞とアップテンポなドラミングの組み合わせが印象に残る。

 ベースのスラップが光るAメロ、その勢いを持続させながらサビに向けて音程、リズム感ともに緩急を付けていくBメロ。そしてBメロの助走から弾けるような高音で歌い始めるサビへと展開していく「赤眼が通る」は、王道な構成ゆえの聴きやすさと爽快感が癖になる。一聴するとキャッチーなロックチューンでありながらも、そこで歌われる歌詞は応援歌やストレートな感情などではなく、思考が揺蕩う様子を描いた1人称のない歌詞という心地良いアンバランスも魅力だ。

 更に、スモーキーな初音ミクの歌声とパワーのあるサウンドの対比は「赤眼が通る」の何よりの聴きどころだろう。どこか淡々とした歌い方は歌詞の重さを感じさせないだけでなく、サビでのリズム感を重視した譜割りと発音の強弱がさらに楽曲を軽やかに感じさせてくれる。

 TakoyakiKZY自身が手がけるMVも、シンプルながら見どころが多い。赤眼の少女とアネモネの花がメインに据えられたMVは、楽曲の展開に合わせて少女がまばたきをしたり画質を変化させたりと楽曲とのリンクを見せるほか、落ちサビにて片目で睨むようなイラストが採用されているのも迫力がある。派手なアニメーションでなくとも、細かな演出によって楽曲の展開を映像の変化で目の当たりにすることができる映像だ。

 TakoyakiKZY本人のnoteによると、赤い眼は充血した目のことだという。それを念頭に置いた上で楽曲を聞き直してみると、歌詞にこもった悲哀が浮かび上がってくるようだ。


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